都内山手通り目黒付近、この近辺は、かづ屋、目黒大勝軒、ラーメン二郎目黒店、勝丸などなどラーメン店が密集する激戦区。
ラーメンゼロは2年半ほど前にその激戦区にオープンしたラーメン屋さんです。
ラーメンに詳しい方は説明すべくも無いとおもいますが、念のため。
このお店は、せたが屋の店主、前島司さんが仕掛けたお店で、以前にも同店の昼営業を塩らーめんの専門店「ひるがお」と店名を変えて営業する「二毛作営業」という新しい営業スタイルを生み出した業界のパイオニア的存在。
それがこちらのラーメンゼロ。
このお店のコンセプトはなんと言っても
塩、醤油、味噌等調味料を使わず、鶏がら、とんこつ、鰹節、煮干などから出る自然な旨みだけでスープを作るというコンセプト。
ラーメンを食べるものとしていつか・・・いつか食べなければならないと思っておりましたが、今日がその日となりました。
実はチビどもも一緒。父ちゃん、ちゅん、はるるの男3人組です。ちなみに嫁はこの近くで友人のコンサート鑑賞中。
結構コアなお店なので「子連れだと断られるかなあ~・・・」と恐る恐る入ったのですが、快く案内されました。
子供用の椅子も貸していただき、お冷のコップは割れないようにプラスチックのものを、また取り分け用の小どんぶりにスプーンとフォークを貸してくれました。
最近はこういったお店でも子連れ客に優しいのでホント助かります。
「当店のラーメンのスープには、あさりや昆布、ホタテ、スルメ、魚、野菜、果物、鶏、豚を大量に使ってスープを炊いております。これらの素材の旨味を純粋に味わっていただくために、塩や醤油等の味付けは一切しておりません。
最初は味が薄いとか物足りないとか思われるかもしれませんが、食べ進むにつれ、味覚が徐々に冴えてきて複雑な旨みを感じるようになり、調味料に支配されない素材の味を堪能できます。
※どうしても味が薄いと思われる方は卓上の岩塩をお使い下さい。
※またはプラス1のトッピング(無料)をご利用下さい。」
なるほど~。まだ食べる前ですが、確かに「味が薄いんじゃないか?」という不安はぬぐい切れません。
これは一応「プラス1」をつけておくか?
そして見逃せないこちら!
月替わりの限定、2月の限定は「煮干し大魔王」限定15杯!
お店の人に「まだありますか?」と聞いたところ。
大丈夫とのこと!これは逃せないぞ!
というわけで、一番基本的なベーシックゼロの大盛り(850円+150円)にプラス1(無料)、そして煮干し大魔王(850円)の食券を購入。
やってきましたベーシック!
焼きチャーシューとメンマが2種、ひき肉、のり、ねぎ。
ねぎが控えめなのはおそらく素材の塊であるスープの味を邪魔しないためですね。
麺はストレートな中太麺。
麺をズズ~ッ!
スープもズズ~ッ!
うん、美味しいです。
塩や醤油がないから物足りないとはまったく思わない、旨味の塊が迫ってきます。
使ってないからといって塩味がまったくしないわけではなく、昆布や煮干しから出た自然な塩味を感じます。
鶏がらや豚骨のスープではそうは思わないのですが、煮干し、鰹節、昆布などの和風だしが上手く取れた時に味見をすると、塩や醤油を入れていないのに、素材から出たわずかな塩味を出汁の旨味が引き立てて慈悲深い味がします。
「でもラーメンにするとこの旨味って引っ込んじゃうんだよね~」
と諦めていたところを、諦めずに追求した結果がこれなのですね。
すばらしいです。
チャーシューやメンマは少し味がついています。しかしスープの風味を損なわないようギリギリの味付け。
スープの方にばかり目が行ってしまいますが、麺もなかなか、しなやかでしかし潔いコシのある麺はさすがせたが屋といったところ。
ちなみに自分ばっかり食べているようですが、ちゃんと息子たちも食べておりますよ。
そうそう、こちらが無料トッピングの「プラス1」
醤油だれのジュレでスープに入れると溶けます。
これを加えると醤油味がプラスされ、確かに醤油ラーメンっぽい味になるのですがただ、逆に「普通のラーメンになってしまったかなあ」という感じもします。
個人的にはよっぽど濃い味好きでなければ入れないのがおススメです。
続いてこちらが煮干し大魔王!
灰色のまさに煮干し色したスープが極悪。まさに「大魔王」の風格。
ベーシックゼロと違ってごろごろのチャーシューが迫力ですねえ。
麺はベーシックゼロと同じ麺を使用しているのですが、スープの色に染まって蕎麦のような色になっています。
こちらも
絶品!
煮干しの腸や頭の苦味まで含んだ強烈な煮干しスープは、「煮干しを飲んでいる」ような不思議な感覚に襲われます。
例によって素材の味だけなのですが、煮干し自体結構塩を含んでいるので、物足りない感はまったくありません。
こういった個性の強いスープなので、角切りゴロゴロのチャーシューの個性が飛び出すこともなく、しかしワイルドさをアピールできます。
なので自然とベーシックゼロと同じと思われる麺は少し引っ込みますが、どっしりとしたベースを支える役割が強くなりますね。
ちなみに長男はベーシックゼロよりもこちらの方が気に入った模様。
真顔で「おいしい」と言っておりました。
腸や頭の苦味も含んだ癖の強い煮干しスープなので意見の分かれるところでしょうが、1ヶ月の限定販売ならばコンセプトラーメンとしてありだと思います。
ただ、このスープを850円のラーメンで提供するのは大変でしょうねえ。あくまで期間限定だから出来る、ということでしょうか?
人気店に子連れで挑むので、混む時間を外してきたのですが、それが幸いしたのか、お客さんは途切れることはないものの、さほど邪魔にされないで済みました。
最後は優しく接客してくれた女性の店員さんから息子たちにキャンディのプレゼントもあり、親子共々満足。
ごちそうさまでした。
そしてありがとうございました。
最後は見せ前で長男ちゅんが写真を撮ってくれました。
5歳にしてはなかなかな腕前だと思います。
子連れのラーメンレポが最近増えてきましたが、「ラーメン好きだけど、小さい子供がいるから・・・」と諦めている方、ちょっとその視点からでもレポートして、ほんの少しでもそういった方の援護になればと思います。
ではでは
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たしかにそうかもしれませんが、調味料ゼロというのは強いインパクトです。
その元が有名店でなくても、このラーメンならば、そのインパクトから各評論家やブロガーが記事にしてメディアに取り上げられるお店になったと思います。
それまでの時間は相当短縮されていることは否定できませんけどね。
むしろお店側が開業から有名店になるまでの時間を我慢できるか?ということを考えるとおっしゃるとおりかもしれません。
営業用スープの濃度調節がかなりシビアになりそうですね・・・。
一般的なラーメンスープでさえ絶えず火にかけていれば数十分で味が大きく変わってしまうのに、
塩分調節のカギとなる醤油や味噌などのタレを一切使わないとなると普通のメイン+サブスープ的な方法では一定の味をキープできないはずです。
きっとなにか新しいアイディアがあるのでしょう。
こういう店を見るとつくづく、「ラーメンてルールのない食べ物なんだな」と再確認します。
そうなんです。
通常のラーメン屋さんなら営業中にスープの煮込みが出来ますが、たぶん営業前に仕込んでおいて、注文を受けた提供前に加熱して出していると思います。
自分で家で作ってもこれが一番仕上がりとして安定しますからね。