私が働く店で夕方働く従業員は
皆 高校生か大学生
夏休みに入ると
新しいい学生バイトたちも多く雇われる。
この夏から中華で働き始めた16歳の高校生が
アジア人だったこともあり
親近感を持った私が
自分の名前と一緒に日本人である事も付け加え
自己紹介をすると
”僕は韓国人です” と
優しい眼差しで
じっと 私の瞳を見て
はっきりとした口調で彼が言う。
誠実なイメージを受ける彼、、、まこと君と呼ぼう、、、。
働き者で礼儀正しいまこと君は
身体の動きや言葉の使い方からして
他のアメリカ人学生たちと違う。
アジア人の両親に育てられたに違いない と思った私は
ますます 彼に興味を持ち始め
時間があるごとに
まこと君と何気ない会話を持った。
それで分かったのが
まこと君は1歳の時に
アメリカ人の夫婦に養子にもらわれたと云う事だ。
養子縁組の多いアメリカで
人種の違う親子が家族になるケースは多く見るから
まこと君の話に何の問題もないのだけど
ちょっと 引っかかる事があった。
まこと君があまりにも働き者なので
ご両親は一体 どんな方なんだろう と
まずは訊きやすい職業について尋ねると
”一人は銀行で
もう一人は病院で働いてるんです。” と
重そうに言葉を並べる。
普通は
”父は銀行で 母は 病院で、、、” と
言う物だし
何げか重そうな彼の表情も重なってか
厳格なご両親が
暗い部屋の奥の方に立っているのがイメージされ
ハッとなった私は、、黙った。
アメリカの家族の話をする時
何げか重い表情になるまこと君だけど
”僕には知らない兄弟が 韓国に何人もいるんです。” と
まだ会った事もない韓国の家族の話をする彼は
何やら陽がさしたような表情になる。
いつか 自分の生まれ故郷である ソウルを訪れる事を
夢見ていると 話す。
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