今年の夏の初めから
私がお手伝いをし始めたレストランは
ルクセンブルグからの移民者で出来た小さな町にある。
どちらかと云うと 大衆食堂のようで
お洒落っ気が全くないその店だけど
美味しい料理が安く口にできる事から 人気
フードネットワークの Feasting on Asphalt でも紹介された店で
週末は沢山の客で賑わう。
その店のオーナーの奥様 ヘレンさんが
突然 倒られた知らせを
月曜の夜、バッキーから受け取った。
脳動脈瘤 (aneurysm)が原因で倒られたヘレンさんは
すぐにヘリコプターでアイオワ市の大学病院に運ばれたと言うが
様態が悪いのだろう
家族が皆駆け付け次第プラグをはずし
お別れをする と言う。
1930年代に
ガソリンスタンドがついたバーとしてオープンされたこの店は
食料品や雑貨品も置かれるようになった。
その店をレストランとしてオープンしたのが
今のオーナーであるヘレンさんと旦那様のウインドーさんで
去年の夏 レストラン営業60年祭をお祝いした。
そう考えても80代にはなられているのだろうが
然程忙しくない木曜日の夜も
レストランに顔を出されるお二人、、、
ウインドーさんが バーのカウンターに座っていても
奥様のヘレンさんは
キッチンで料理をチェックされている、、
ここのサラダバーにある 私の好物 ブロッコリーサラダも
ヘレンさんの手作り、、、だ。
初めて私が働いた夜
キッチンにいたヘレンさんに
会釈をした私は
彼女からのきつい眼差しに
緊張した事だったが
2度目に仕事に行くと
私を見るや顔いっぱいの笑顔を向けてくれるようになり
その大きな変化に ちょっと 躊躇った事があった。
その話をバッキーにすると 彼から
”あー お前がアジア人やから
抵抗があったんだろうけど
お前の働きぶりを見て
好感を持ってくれてるようになったんだろうな。” と言われた。
小柄で働き者のヘレンさんは
頭もしっかりされ
今の年齢をエンジョイし暮らされている印象を
強く持っていた私は
このニュースに おおきな ショックを受けた。
ヘレンさんが私に向けたあの笑顔ばかりが
目の前に広がる、、、、。
”奥さんを急に亡くして
これからウインドーは大変や。” と
残されるご主人を心配して言ったバッキーの言葉が
心に重い 夜である。
脳動脈瘤に関しての症状に
このような説明があった。
ふつうは脳動脈瘤ができても、
なんの症状も現われない。
まれに、大きくなった脳動脈瘤に動眼神経(どうがんしんけい)が圧迫され、
片側のまぶたが下がる(眼瞼下垂(がんけんかすい))などの症状が現われることがあるが
大部分はなんの前ぶれもなく、突然破裂する。
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