”なんだ この音は” と
何かを疑うような表情で言ったバッキーが
テレビの音を消して耳を澄まし部屋のあちこちに目をやる。
バックドアを開けたバッキーが
”雨が降ってるぞ” と
その音が雨だと分かるや嬉しそうにした。
デッキに置いているチェアーに二人で座って
雨の音に耳をすませた。
木々の葉を打つ雨の音は、地を打つ雨の音と違った音色だ。
”ここは俺がずっと願っていた場所だ。
仕事から帰宅するのも毎日楽しみなんだ。心が落ち着く” と
バッキーが呟き、私もそれを聞いて嬉しかった。
デッキ作業が始まる前に
バッキーのトラックは店の駐車場に停めさせてもらっていた。
デッキ作業が終わったので
1ヶ月ぶりにそのトラックを店まで取りに行ったら
今までしなかった音がする。
大きな音をたてながら家まで運転し、見回すと
誰かによって一つのパイプが切り取られていたのが分かった。
”シカゴのような都会ならこういう事もよく起こるだろうけど
この田舎までそんな事をするヤツがいるとは、、。
修理に1000ドルはかかるぞ。” とバッキー。
良い事ばかりが起こっていた私達に
とうとう悪いことが起こり始めた
などと思うと気持ちも下がる。
”デッキがいくらか安く建てられたから
きっとその分、お金を外に出したほうが良いっていう
意味かも知れないわよ。 盗むのはよくない行いでも
誰かがそのパイプを使って車を修理出来たと思えば嬉しい事だし”
と 私が言うとバッキーは黙って聞いていた。
この日私には良いことがあった。
ガーデンクラブの一人の会員さんから
誘いのテキストメッセージを受け取ったのだ。
優しいオーラがにじみ出たその婦人に好感を持っていた私は
信じられないような嬉しさでメッセージを読んだ。
”水曜日にあるワインウォークに行くことにしたんだけど
もし貴方も行くんだったら一緒に行きましょ。”
とあった。
その誘いが嬉しくて、
ドアを飛び出しガレージにいたバッキーに報告に行った。😁
今晩はポーク
写真にすると同じ料理に見えるけど
味付けは全く違う。😜