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MFCオーナーのブログ

MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 100-081

2023年11月26日 09時51分29秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
100位→81位

☆100位☆

Hysteria/Def Leppard (1987)
ヒステリア/デフ・レパード
文句なしにデフ・レパードの代表作であろう。ハード・ロックでありながらハード・ロックを超えている。時間をかけて練りに練り上げられた収録曲はどれも異様なまでにクォリティが高い。歌と歌の間にほんの数小節ブリッジを足すだけで、これほどまでに曲の印象が変わるとは。7曲のシングル・カットといい正にモンスター・アルバムだ。

☆99位☆

The Power Station/The Power Station (1985)
パワー・ステーション/パワー・ステーション
人気絶頂だったデュラン・デュランのメンバー2人とロバート・パーマー、トニー・トンプソンの組み合わせは、意外なようでそうでもなく、限定ユニットにしては勿体ないほどの出来映えとなった。トンプソンのヘビーなドラムをベースにしたファンキーなハード・ロックは、ロバート・パーマー自身の音楽にも影響を与えてしまうほど、画期的で個性的だった。

☆98位☆

Hot Space/Queen (1982)
ホット・スペース/クイーン
失敗作とレッテルを貼られているが、ベスト・セラーの次作で冒険をしてみせる姿勢、地位に安住せず新たな方向性を打ち出す姿勢、どちらもロック・バンドの鑑である。ファンキーなテイストを取り入れ、ブラック・ミュージックに接近し、新たな可能性を追求したクイーンはもっと賞賛されて然るべきだった。曲のクォリティも相変わらず高い。失敗作などではない。

☆97位☆

Hydra/TOTO (1979)
ハイドラ/TOTO
都会的ロック・サウンドの1stから一転、2ndはギターを全面に出した、コンセプチュアルでプログレッシブなハード・ロックである。タイトル曲や「St. George And The Dragon」「Mama」「White Sister」等々、緻密な構成とストーリー性を感じさせる曲が並ぶ名盤。圧倒的でありながらテクニックに走らない演奏も素晴らしい。異論はあろうがTOTOの最高傑作である。

☆96位☆

Breakfast In America/Supertramp (1979)
ブレックファスト・イン・アメリカ/スーパートランプ
スーパートランプはプログレのイメージだったが、そのイメージを損なう事なく、キャッチーでありながら少々捻れたボップ・センスに溢れた名盤をものにした。当時大ベストセラーとなり、バンドではなくジャケットの女性がプロモーションで来日したのが思い出される。シングル曲もいいが、聴き物はラストの「Child Of Vision」、プログレ風な曲展開が素晴らしい。

☆95位☆

Destroyer/Kiss (1976)
地獄の軍団/キッス
とにかく「デトロイト・ロック・シティ」は衝撃以外の何者でもなかった。一体、何人の少年たちが、キッスの虜になったことか。この曲をはじめ、「暗黒の帝王」「雷神」「狂気の叫び」「ドゥー・ユー・ラブ・ミー」等どれも聴く者を捉えて放さない名曲ばかりで、バラードの「ベス」もよく出来ている。文句なしの名盤だが、キッスにしては出来過ぎかも(悪いと言ってるのではありません)。

☆94位☆

Disco Party/Percy Faith (1975)
オリーブの首飾り/パーシー・フェイス・オーケストラ
イージー・リスニングの巨匠、パーシー・フェイスによるディスコというか、ダンサブルなインスト集。タイトル曲はポール・モーリアと競作になった名曲だが、こちらの方がダンサブル。パーシー・フェイスはイージー・リスニングの人の割には新しい物に敏感で、本作でもニール・ダイアモンドやシカゴのカバーもあり、ファンキーで楽しいアルバムに仕上げている。

☆93位☆

Sedaka's Back/Neil Sedaka (1974)
セダカズ・バック/ニール・セダカ
この時点で既にオールディーズ歌手と見られていたニール・セダカだが、エルトン・ジョンや10ccのバックアップを得て新曲のレコーディングを行い、「雨に微笑みを」を全米No.1にして、見事に復活を遂げた。その「雨に微笑みを」を含む本作は、変わらぬ作曲の才と時代を読む感覚が相俟って、多くの名曲を生み出した名盤である。

☆92位☆

Death Wish/Herbie Hancock (Original Soundtrack) (1974)
狼よさらば/ハービー・ハンコック(オリジナル・サウンドトラック盤)
ハービー・ハンコックが手がけたサントラだが、これが実に素晴らしい。ファンキーでクールなメイン・タイトルのカッコよさは筆舌に尽くしがたい。アルバム全体も、ジェフ・ベックのアルバムのような雰囲気があり、早くからクロスオーバー的な音楽を志向していたハンコックの面目躍如と言える内容だ。もっと多くの人に聴かれるべき名盤。

☆91位☆

Zabriskie Point/Originl Soundtrack (1970)
砂丘/オリジナル・サウンドトラック盤
非常に珍しいと思うが、実はこのサントラで、僕はピンク・フロイドを知った。そのフロイドの曲がひたすら前衛で、エコーをかけたバスドラのループに効果音がコラージュされる「若者の鼓動」、深く静かに潜行して始まり、突如歌ではなく絶叫が炸裂する「51号の幻想」、どちらも衝撃的だった。この2曲の為にアルバムを買っても決して惜しくはない。他では聴けないし。

☆90位☆

Deceptive Bends/10cc (1977)
愛ゆえに/10cc
分裂して、10ccの名前を引き継いだエリック・スチュワートとグレアム・グールドマンは、不朽の名曲「愛ゆえに」を生み出してヒットさせた。その名曲「愛ゆえに」をフィーチャーした本作だが、他にも「グッド・モーニング・ジャッジ」「恋人たちのこと」のシングル・カットをはじめ、名曲が多数収録された名盤である。今までの捻りはないが、ポップ・エッセンス全開。

☆89位☆

Give Us A Wink/Sweet (1976)
甘い誘惑/スイート
「フォックス・オン・ザ・ラン」「アクション」の2大名曲を連続ヒットさせ、この時期のスイートは正に全盛期だった。その勢いに乗って発表された本作が悪かろうはずがない。初の全曲メンバーのオリジナルで、前述の2大名曲の他、「白ねずみ」「昨日の雨」「恋はだましあい」など、キャッチーでゴキゲンなナンバーが並ぶ名盤。演奏力も確かな所を見せている。

☆88位☆

One More From The Road/Lynyrd Skynyrd (1976)
レーナード・スキナード・ライブ/レーナード・スキナード
悲劇のバンド、レーナード・スキナードのみならずサザン・ロックいやアメリカン・ロックを代表する傑作ライブ盤である。ベスト的選曲に白熱した演奏が実に素晴らしい。後からオーバーダブを行っているらしいが、そこを差し引いても素晴らしい出来だ。「ワーキン・フォー・MCA」で始まるオープニングがとにかく最高。「クロスロード」ではクリームの完コピが聴ける。

☆87位☆

You Can't Argue With A Sick Mind/Joe Walsh (1976)
ジョー・ウォルシュ・ライブ/ジョー・ウォルシュ
イーグルス加入が話題になっていたジョー・ウォルシュの傑作ライブ盤。FM放送用の音源らしいが、ツインギター、ツインキーボード、ツインドラムから成る名うてのミュージシャンたちによる重量級の演奏が実に素晴らしい。「ウォークアウェイ」「タイム・アウト」等のジョー・ウォルシュのベスト選曲が、アレンジを変えて、ドラマティックに生まれ変わった。

☆86位☆

Station To Station/David Bowie (1976)
ステーション・トゥー・ステーション/デビッド・ボウイ
変容を続けるデビッド・ボウイ、本作でのお題はファンクである。ディスコに接近した「ゴールデン・イヤーズ」「TVC15」、ファンキーなハード・ロック「ステイ」がとにかく素晴らしい。往年のファンには不評だったと思うが。大作のタイトル曲もライブのハイライトとなった。コンセプトだけでなく、ソング・ライティングも冴えており、間違いなくボウイの代表作のひとつと言える。

☆85位☆

Rainbow Rising/Blackmore's Rainbow (1976)
虹を翔ける覇者/ブラックモアズ・レインボー
深く潜行するシンセ、その隙間を切り裂くギターのリフ、なだれ込んでくるドラム、本作のオープニングを飾る「タロット・ウーマン」の衝撃は物凄かった。何人のハード・ロック少年の心臓を鷲掴みにしたことか。リッチー、ロニー以外のメンバーを一新し、コージー・パウエルを迎えて制作された本作は、直球のハード・ロック・アルバムであり、リッチーのキャリアでも有数の名盤である。

☆84位☆

Stormbringer/Deep Purple (1974)
嵐の使者/ディープ・パープル
デビッド・カバーデイルとグレン・ヒューズのソウルフルな感性を前作以上に全面に出し、リッチーの個性と対峙させることで、パープルは新境地を切り開き、名盤の誕生しとなった。ファンキーなテイストの「愛は何よりも強く」「ホールド・オン」等と、従来路線のタイトル曲や「嵐の女」あたりが無理なく混在しているのか素晴らしい。リッチーは本作が嫌いらしいが、その割には良いプレイを聴かせている。

☆83位☆

Abandoned Lunchoenette/Daryl Hall & John Oates (1973)
アバンダンド・ランチョネット/ダリル・ホール&ジョン・オーツ
ホール&オーツは、70年代の方が良いと思っているが、ブレイク前、アトランティック在籍時の本作は、とにかく名盤である。巨匠アリフ・マーディンのプロデュースで、ソウルフルというよりモダンなフォーク調サウンドで、独特の世界を構築しており、曲も良いし、これはこれで成功していると思う。名曲「シーズ・ゴーン」はブレイク後に遅ればせながらのヒットとなった。

☆82位☆

Fragile/Yes (1972)
こわれもの/イエス
イエスの最高傑作は『危機』ではなく、こっちだと思う。コンパクトにまとめた構築系ブログレの名曲たち「ラウンドアバウト」「南の空」「遙かなる想い出」「燃える朝焼け」の間に小品を挟み込む絶妙な構成といい、ロジャー・ディーンの印象的なジャケットといい、イエスだけでなく、プログレの幕開けを宣言した重要作であり、70年代ロックが誇るべき名盤である。

☆81位☆

Jeff Beck Group/Jeff Beck Group (1972)
ジェフ・ベック・グループ/ジェフ・ベック・グループ
第二期ジェフ・ベック・グループは、ハード・ロックではなく、ソウルフルなロックを志向した。ベックのギター以上にマックス・ミドルトンをフューチャーし、ファンキー且つソフィスティケイトされた音世界だが、ロック的なテイストも盛り込まれ、なかなかにクロスオーバーな雰囲気。ベックというか、このバンドの先鋭性が窺える名盤。

いやはや、ここからは今まで以上に、懐かしくも未だ新鮮な名盤ばかりですね。次回は、80位→61位です^^

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MFC presents 500 Favorite Albums of All Time 120-101

2023年11月05日 14時36分43秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
120位→101位

☆120位☆

Bridge Over Troubled Water/Simon & Garfunkel (1970)
明日に架ける橋/サイモン&ガーファンクル
タイトル曲ばかりが知られているが、他の収録曲も佳曲揃い、バラエティ豊かな名盤である。その後の二人のソロ活動を予見させたりもして興味深い面もある。「コンドルは飛んでいく」を取り上げていること、アートが一人で歌う曲が目立つこと等々。「ご機嫌いかが」「ベイビー・ドライバー」「フランク・ロイド・ライトに捧げる歌」など、今までありそうでなかった曲も素晴らしい。

☆119位☆

Magic The Very Best Of Olivia Newton John/Olivia Newton John (2001)
(日本未発売)
「Let Me Be There」から「Twist Of Fate」までのオリビアのシングル曲を年代順に並べた編集盤。悪かろうはずがない。アイドル然とした初期から、徐々にアダルトなシンガーに変貌していく様子が、実によく分かる。曲調どころか発声まで変わっているからね。それにしても、「そよ風の誘惑」「たそがれの恋」「マジック」等を書いたプロデューサーのジョン・ファーラーは凄い。

☆118位☆

Cracked Rear View/Hootie & The Blowfish (1994)
クラックド・リア・ビュー/フーティー&ザ・ブロウフィッシュ
本作(メジャーデビュー作)がいきなり全米で1000万枚以上の大ベスト・セラーとなったフーティー&ザ・ブロウフィッシュだが、特別な事をしている訳ではない。が、本作が他のアルバムと違うのは、圧倒的に曲の出来が良いこと。「Hannah Jane」「Hold My Hand」「Time」等々、どの曲もエバーグリーンと成りうる名曲ばかり。売れた要因はここにあるように思う。名盤。

☆117位☆

Homebelly Groove/Spin Doctors (1992)
ホームベリー・グルーブ/スピン・ドクターズ
この手のバンドの真骨頂はライブにあると思う。ファンキーさと泥臭さの二面性がスピン・ドクターズの特徴だが、その両方の良さが、本ライブ盤では十分に楽しめる。当時としても珍しく、長尺演奏が多いが、そのグルーブは素晴らしい。インプロビゼーションではなく、反復演奏がグルーブを生むスタイルで、こういう所も他のオルタナ系とは一線を画していた。

☆116位☆

Grave Dancers Union/Soul Asylum (1992)
グレイブ・ダンサーズ・ユニオン/ソウル・アサイラム
本作がベスト・セラーとなり、ソウル・アサイラムはミネアポリスのローカル・バンドからようやく脱却した。成功の要因は、デイブ・パーナーが良い曲をたくさん書いた事だろう。ヒットした「Runaway Train」をはじめ、「Black Gold」「Keep It Up」「Without A Trace」と名曲が並び、ソウル・アサイラム独特のグルーブ感溢れるサウンドとマッチして名盤を生み出した。

☆115位☆

Ten/Pearl Jam (1991)
ten/パール・ジャム
この1stの時点で、パール・ジャムの個性そして宿命は決まっていたように思う。オールドスタイルなバンド・サウンド、若者の気持ちを代弁する歌詞等々。本作でも、ハードなサウンドとボーカルが炸裂、ギターソロも弾きまくりで、ロック・バンドらしいロック・バンドの誕生だった。「Ocean」「Even Flow」「Black」あたりは今聴いてもカッコいい。

☆114位☆

Fantastic/Wham! (1983)
ファンタスティック/ワム!
この1stに「ラブ・マシーン」のカバーを収録している事からも察せられるように、ジョージとアンドリューのワム!は、ディスコ系ソウル路線で登場した。どの曲も素晴らしい出来映えで、傀儡説もあったくらい。「クラブ・トロピカーナ」は名曲だが、「サンシャイン・ビート」「初めての恋」といった曲も、只者ではないセンスと才能に満ちている。

☆113位☆

Night After Night/UK (1980)
ナイト・アフター・ナイト(ライブ・イン・ジャパン)/UK
名作が多いライブ・イン・ジャパンだが、本作も例外ではない。この時はエディ・ジョブソン、ジョン・ウェットン、テリー・ボジオの、ELPと同じキーボード・トリオだが、ELPより洗練されポップである。重厚長大のプログレがすたれて、コンパクトな作風に変化していく時期に活動したUKは、いわば最後のプログレ・バンドだった。タイトル曲のカッコ良さには言葉もない。

☆112位☆

Over The Top/Cozy Powell (1979)
オーバー・ザ・トップ/コージー・パウエル
コージー・パウエルの初ソロはロック・インスト・アルバムである。ジェフ・ベックのアルバムと似たような感触があり、難解ではなく非常に分かりやすく聴きやすい。コージーの柔軟なスタイルもなかなか。参加メンバー持ち寄りの収録曲も良い出来である。「キラー」「エル・シド」あたりが良いが、ハイライトはチャイコフスキーによるテーマとドラムソロを連動させたタイトル曲。コージーと言ったらこれ。

☆111位☆

TOTO/TOTO (1978)
宇宙の騎士/TOTO
TOTOはこのデビュー作で、都会的なロックを志向したが、決してAOR路線ではない。「ジョージー・ポーギー」や「ユー・アー・ザ・フラワー」はAORな雰囲気はあるものの、「愛する君に」「マヌエラ・ラン」は高度なテクニックを見せつけつつもポップだし、「ガール・グッドバイ」ではハード・ロック的方向性を見せている。当時としては新世代のロック。曲の出来も良い。

☆110位☆

The Definitive Collection/Bay City Rollers (2001)
ザ・ベスト・オブ・ベイ・シティ・ローラーズ/ベイ・シティ・ローラーズ
特定の世代にとっては、BCRは青春である。「サタデイ・ナイト」をはじめとするヒット曲たちは、分かりやすく尚且つ哀愁も感じられるメロディが秀逸で、今聴いても正に胸キュンだ。「ロックンロール・ラブ・レター」「夢の中の恋」「想い出に口づけ」「ふたりの純愛」等々、曲名を挙げればきりがない。やはり、本作のようなBCRのベスト盤は一家に一枚である。

☆109位☆

Just Go Ahead Now : A Retrospective/Spin Doctors (2000)
(日本未発売)
90年代に4枚のスタジオ作を残して解散したスピン・ドクターズだが、このベスト盤はそのうちの3枚から、均等に選曲されている。が、やはりベスト・セラーとなった1stの曲が良いと思えてしまうのは仕方ないところか。単なる印象ではあるが。こうしてまとめて聴いてみると、曲も良いし、オールドなロックを新しい感覚で、というバンドの方向性もよく分かる。

☆108位☆

Sheryl Crow/Sheryl Crow (1996)
シェリル・クロウ/シェリル・クロウ
1stのヒットを受けての2ndで、シェリル・クロウは自身の名前をタイトルにし、かなりロック寄りのスタイルを打ち出してきた。それはジャケットにも顕著。ほぼ彼女の代表曲となった長いタイトルの2曲もいいが、それ以外の曲も良い出来である。たまにルーツを覗かせる曲もあるが、全体としてロッカーとしてのスタイルを貫いているのは潔い。

☆107位☆

Hits/Joni Mitchell (1996)
永遠の愛の歌-ジョニ・ミッチェル・ベスト1/ジョニ・ミッチェル
ジョニ・ミッチェルにとって、キャリア初のベスト盤ではなかったか。タイトル通り、シングル等で有名な曲を収録している。初期の「チェルシー・モーニング」「ビッグ・イエロー・タクシー」といったアコギ弾き語りから、「陽気な泥棒」「パリの自由人」あたりでポップな作風に変化していく様子がよく分かる。正に女性ロッカーのパイオニアである。

☆106位☆

Let Your Dim Light Shine/Soul Asylum (1995)
レット・ユア・ディム・ライト・シャイン/ソウル・アサイラム
名曲「Misery」のおかげで、ソウル・アサイラムは安定したポジションを獲得したのではなかろうか。本作もデイブ・パーナーの作風自体に大きな変化はないが、曲調に幅が出てきたように思われる。「Promises Broken」「To My Own Devices」あたりではルーツ的雰囲気も見られ、「String Of Pearls」「Caged Cat」は新たな世界。暖かみのあるバンド・サウンドは変わらず。

☆105位☆

If I Were A Carpenter (1994)
イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター~カーペンターズに捧ぐ
90年代はトリビュート・アルバムが一種のトレンドだったが、本作はちょっと凄い。アメリカのグランジ(オルタナ)系アーティストによるカーペンターズのトリビュート・アルバムだが、ソニック・ユース、アメリカン・ミュージック・クラブなど、ややアングラなイメージのアーティスト達が、カーペンターズの影の世界を抽出しているような感じ。新鮮かつ衝撃的なアプローチだった。

☆104位☆

VS/Pearl Jam (1993)
VS/パール・ジャム
ベスト・セラーとなった1stと比べると、印象的なリフをメインにしたハードロックという基本路線は変わらないが、パンキッシュな曲が増えた印象。曲作りはこなれてきたようで、良い曲が並ぶ。この頃既に人気バンドで、それ故の葛藤や軋轢もあったようで、そういったものは歌詞にも反映されているのだろう。アルバム自体はコンパクトにまとめており聴きやすい。

☆103位☆

Two Rooms Celebrating The Songs Of Elton John & Bernie Taupin (1991)
トゥー・ルームス~エルトン・ジョン・ソングス
エルトン&バーニーのコンビのトリビュート・アルバムは、ベテラン勢が顔を揃え、それぞれの持ち味を生かしたトリビュート作となった。ビーチ・ボーイズの「クロコダイル・ロック」、ザ・フーの「土曜の夜は僕の生きがい」、ウィルソン・フィリップスの「ダニエル」あたりが出色の出来。衝撃は少ないが、原曲の素晴らしさとカバーする側の個性の両方を再認識出来る名盤。

☆102位☆

Intuition/TNT (1989)
インテュイション~直感/TNT
ドラマティックなハード・ロックからポップな方向にシフトしてきたTNTは、通算4作目の本作でそのスタイルを完成させた。メロディアスでポップなハード・ロックが美しく構築されたサウンドを纏って、もう完璧としか言いようのない世界。名曲「トゥナイト・アイム・フォーリング」を筆頭に、「フォーエバー・シャイニン・オン」「インテュイション」等、実に素晴らしい。

☆101位☆

Blue Murder/Blue Murder (1989)
ブルー・マーダー/ブルー・マーダー
ジョン・サイクス、カーマイン・アピス、トニー・フランクリンの3人で結成された、いわゆるスーパー・グループ。HR系では70年代回帰を標榜する動きが当時あったようだが、このブルー・マーダーも実にオーソドックスでドラマティックなハード・ロックである。ボーカルや曲作りも一手に引き受けるジョン・サイクスが素晴らしい。久々に大きな音で聴きたいハード・ロックの登場だった。

次回は、いよいよ100位→81位です^^

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MFC presents 500 Favorite Albums of All Time 140-121

2023年10月14日 11時15分10秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
140位→121位

☆140位☆

Thick As A Brick/Jethro Tull (1972)
ジェラルドの汚れなき世界/シェスロ・タル
LP両面で一曲という、プログレ超大作であるが、決して難解ではなく、歌部分の分かりやすさもあり、長いけれど、取っ付きやすい作品となっている。ジェラルドという少年の書いた詩をモチーフにした、という嘘八百のコンセプトもユーモアたっぷり。スリリングで複雑な演奏もなかなか楽しめる。こんなアルバムが全米No.1とは、良い時代だったと思う。

☆139位☆

Midnight Cowboy/Original Soundtrack (1969)
真夜中のカーボーイ/オリジナル・サウンドトラック盤
アメリカン・ニュー・シネマを代表する作品と言われている。冒頭に流れるニルソンの「うわさの男」がとにかく有名で、確かに名曲だが、それ以上にジョン・バリーによるテーマ曲が素晴らしい。名曲である。ハーモニカがリードする中で導かれる哀愁の旋律がとにかく泣ける。素晴らしい。エレファント・メモリーの曲もなかなか良い。

☆138位☆

From Russia With Love/Original Soundtrack (1963)
ロシアより愛をこめて/オリジナル・サウンドトラック盤
007シリーズ2作目。シリーズ中最高傑作と思う。ジョン・バリーによる音楽も素晴らしい。マット・モンローの歌うテーマ曲をオーケストラでインスト化したメイン・タイトルが白眉である。「ゴールデン・ホーン」「007」といった挿入曲も印象的。『エヴァンゲリオン』の音楽も、本作に影響されてると思う。ジョン・バリーは本当に凄い。

☆137位☆

Les Liaisons Dangereuses 1960/Art Blakey's Jazz Messengers (1959)
『危険な関係』オリジナル・サウンドトラック/アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ
ジャズ・ミュージシャンが手がけたサントラの中では、『死刑台のエレベーター』と並んで有名な作品と思う。冒頭の「危険な関係のブルース」は、テーマが奏でられたあとサックスやトランペットによるソロ交換、そしてまたテーマに戻る、という構成が分かりやすく、ジャズに疎くても馴染みやすい。アフロ調の曲が収録されている所にも、当時の彼らの方向性が垣間見える。

☆136位☆

George Harrison/George Harrison (1979)
慈愛の輝き/ジョージ・ハリスン
「愛はすべての人に」「プロー・アウェイ」の2大名曲を含む本作は、ジョージを代表するアルバムと言っていいと思う。曲にもサウンドにもボーカルにもギターにも、優しくて儚げでちょっとセンチなジョージらしさが溢れている。この頃が、彼の人生で最も公私共に充実していた時らしく、全編に幸福感が満ちており、聴けば聴くほど虜になるアルバムである。名盤。

☆135位☆

Power In The Darkness/Tom Robinsn Band (1978)
パワー・イン・ザ・ダークネス/トム・ロビンソン・バンド
パンク・ムーブメントの中から登場したバンドであるが、トム・ロビンソン自身が当時からゲイである事を公表していたのもあり、他のパンク系とは違う立ち位置だったように思う。ヒットした「2・4・6・8モーターウェイ」に代表されるように、キャッチーで小気味良いロックン・ロールが身上だが、曲の出来も良いし、キーボードがいる事でアレンジに幅があるのも強み。

☆134位☆

Hasten Down The Wind/Linda Ronstadt (1976)
風にさらわれた恋/リンダ・ロンシュタット
名盤の多いリンダだが、本作は選曲も良く、最高傑作と言っていいのではないか。まだ無名だったカーラ・ボノフの曲を3曲取り上げており、そのどれもが素晴らしく、そのせいかリンダがいつも以上に熱唱しているように思う。レゲエな「ハートを下さい」、メロウな「おしゃべり屋」も良い感じ。「ザットル・ビー・ザ・デイ」のギター・ソロの掛け合いも名演。

☆133位☆

Between The Lines/Janis Ian (1975)
愛の回想録/ジャニス・イアン
ヒットした「17歳の頃」を含む、出世作であり代表作。アコーステイックな雰囲気で淡々と歌われる曲の印象が強いが(「置き手紙」「約束事」など)、歌い上げ系の曲も鮮烈だ(「冬の部屋」「愛の回想録」など)。「17歳の頃」がそうであるように、明るい内容の曲は少ないが、感情的にならず作品と距離を置いている感があり、メロディも分かりやすく、落ち着いて聴いていられるアルバム。

☆132位☆

One Of These Nights/Eagles (1975)
呪われた夜/イーグルス
タイプの違う3曲のシングル・カット(「呪われた夜」「いつわりの瞳」「テイク・イット・トゥーザ・リミット」)が目立ってしまうアルバムではあるが、「トゥー・メニー・ハンズ」「安らぎに寄せて」「ビジョンズ」といった曲も地味かもしれないが佳曲である。ウェスト・コーストのバンドらしい雰囲気も残っていて、"ホテカリ"前夜でもあり、正に過渡期のアルバム。

☆131位☆

Young Amercans/David Bowie (1975)
ヤング・アメリカン/デビッド・ボウイ
変容を続けるボウイは、本作でソウル・ミュージックに接近、自らそれを"プラスティック・ソウル"と呼んだ。洗練されたサウンドながら、ちょっと捻れた感じの収録曲は、なんだかんだでボウイらしさ全開という気がする。ジョン・レノンとの「フェイム」や「アクロス・ジ・ユニバース」のカバーは非常に良いアクセントとなっているが、やはりタイトル曲は名曲である。

☆130位☆

Rapture/Anita Baker (1986)
ラプチュアー/アニタ・ベイカー
ブラコンなのかスムース・ジャズなのか、ジャンル分けも無意味な名盤。アニタ・ベイカーのボーカルの魅力で最後まで聴かせてしまうのが凄い。ゴージャスなバックの音も素晴らしい。アニタ自身もソング・ライティングに加わった曲たちも粒よりで、全ての要素が高いレベルで結実した奇跡のようなアルバム。ただ単にオシャレでムーディなだけではない、明確な意志に貫かれた世界である。

☆129位☆

Moving Pictures/Rush (1981)
ムービング・ピクチャーズ/ラッシュ
ラッシュのプログレ・ハード・ロック・トリオ期最後のアルバム。例によって、複雑な構成の曲を高度なテクニックで聴かせるが、何故かとても馴染みやすく、またコピーしたくなってしまう、というラッシュならではの世界。冒頭の「トム・ソーヤー」はその全てが集約された名曲だが、ライブでの定番インスト「YYZ」や大作「カメラ・アイ」、割にポップな「ライムライト」も聴き物。

☆128位☆

Live...In The Heart Of The City/Whitesnake (1980)
ライブ・イン・ザ・ハート・オブ・ザ・シティ/ホワイトスネイク
70年代のホワイトスネイクは、デビッド・カバーデイルのソロ・プロジェクトではなく、あくまでもカバーデイルを擁したバンドだった。本ライブ盤には、そんなホワイトスネイクの魅力がたっぷり詰まっている。「カム・オン」から「スイートトーカー」へと続くオープニングのカッコ良さには即昇天。代表曲が続くセットリストも文句なし。メタルではなくブルージーなハード・ロックが満載。

☆127位☆

Wings Greatest/Wings (1978)
ウィングス・グレイテスト・ヒッツ/ウィングス
ビートルズ解散後のポール・マッカートニーが最も光り輝いていたのが、ウィングスを率いていた70年代であるのは間違いない。この頃のヒット曲を一枚にまとめた画期的なベスト盤。全12曲、どの曲も素晴らしいメロディとアイデアに溢れた名曲ばかり。後の編集盤もこれがベースになっているのは当然。唯一の欠点は「あの娘におせっかい」が収録されてない事だけ。

☆126位☆

Along The Red Ledge/Daryl Hall & John Oates (1978)
赤い断層/ダリル・ホール&ジョン・オーツ
ホール&オーツも70年代の方が良かったと思う。本作は従来のブルー・アイド・ソウル路線に加え、新境地と言えるのかどうか、B面では多彩な(意外な)ゲストを迎えて、ロックンロール大会を繰り広げている。A面の従来路線では、名曲「イッツ・ア・ラーフ」をはじめ、バラエティに富んだ充実した作品が並ぶ。一般的な評価はともかく、名盤であるのは間違いない。

☆125位☆

Stranger In Town/Bob Seger & The Silver Bullet Band (1978)
見知らぬ街/ボブ・シガー&シルバー・ブリット・バンド
「ナイト・ムーブス」のヒットを足がかりに、ボブ・シガーは本作で人気を確立させた。シングルの「夜のハリウッド」「裏切りのゲーム」をはじめ、「フィール・ライク・ア・ナンバー」「街の孤独」など、キャッチーで豪快なアメリカン・ロックが堪能出来る名盤。後にカバーヒットが出た「夜の果ての愛」も名曲。正にボイス・オブ・アメリカと呼ぶべきボブ・シガーのボーカルが何より素晴らしい。

☆124位☆

Fly Like An Eagle/The Steve Miller Band (1976)
鷲の爪/スティーブ・ミラー・バンド
当時久々のアルバムが突如ベスト・セラーとなった。スティーブ・ミラー中心のトリオ編成でのシンプルなサウンドだが、シングル・カットされた「ロックン・ミー」「テイク・ザ・マネー・アンド・ラン」「フライ・ライク・アン・イーグル」のカッコ良さは今でも色褪せない。「星空のセレナーデ」「ザ・ウィンドウ」あたりも聴き物。途中に挿入されるシンセの短いインストも面白い。名盤。

☆123位☆

Royal Scam/Steely Dan (1976)
幻想の摩天楼/スティーリー・ダン
スティーリー・ダンがレコーディングのみに活動を限定していた時期の最高傑作と言っていいのでは。ラリー・カールトン、バーナード・パーディといったミュージシャンを起用して、様々な要素を取り込んではいるものの、スタイルとしてはあくまでもロックであるのが良い。ファンキーな「滅びゆく英雄」「緑のイヤリング」もいいが、「トルコ帽もないのに」のアイロニーもいい。

☆122位☆

Band On The Run/Paul McCartney & Wings (1973)
バンド・オン・ザ・ラン/ポール・マッカートニー&ウィングス
ポール・マッカートニーの最高傑作は、間違いなくこれ。何故か政情不安なラゴスでの録音で、そのせいか緊迫感が漂っているのもいいし、シンプルなサウンドも曲の出来もいい。ポールらしいアイデアに溢れたタイトル曲もいいが、「ブルーバード」という裏名曲もある。「ミセス・バンデビルド」も聴き物。ラストの「西暦1985年」がスリリング且つドラマティックで素晴らしい。

☆121位☆

The Rise And Fall Of Ziggy Stardust And The Spiders From Mars/David Bowie (1972)
屈折する星屑の上昇と下降そして火星から来た蜘蛛の群れ/デビッド・ボウイ
デビッド・ボウイのみならず、70年代ロックを代表する名盤。地球に落ちてきたロック・スターの活躍を描く、というコンセプトも当時としては画期的だったと思うが、それを可能にしたのがボウイ自身の類い希なソング・ライティングの才能である。本作の凄さは、収録曲全てのグレードが高く名曲揃いであること。「月世界の白日夢」「スターマン」等々、こんな凄いアルバムは他にはない。

次回は、120位→101位です。いよいよ上位100枚に迫ってきました(笑)

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MFC presents 500 Favorite Albums of All Time 160-141

2023年09月30日 11時52分36秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
160位→141位

☆160位☆

Tell No Tales/TNT (1987)
テル・ノー・テイルズ/TNT
本作で、TNTはポップなハード・ロックに路線変更した。元々、曲作りには長けたバンドであったので、その路線変更は成功し、キャッチーな曲で溢れた傑作となったが、残念ながらワールドワイドな成功を収める事は出来なかった。「As Far As The Eye Can See」「Desperate Night」「Child's Play」「Northern Lights」等々名曲は多いのだが。

☆159位☆

Richard Marx/Richard Marx (1987)
リチャード・マークス/リチャード・マークス
大ヒットとなったデビュー・フルバムで、リチャード・マークスは産業ロックとAORを微妙にブレンドし、タイトでメロディアスなロックを志向した。ジョー・ウォルシュ参加の「ドント・ミーン・ナッシング」も、サザン・ロックの要素を取り込んではいるが、都会的スタイルのロックになっている。そういった、絶妙のさじ加減で完成した決して軟弱ではなく泥臭くもないロックは、実にカッコいい。

☆158位☆

Into The Fire/Bryan Adama (1987)
イントゥー・ザ・ファイア/ブライアン・アダムス
このアルバムで、ブライアン・アダムスは新たな方向性を模索した。それまでの“青春ロック”路線から離れ、表現の深みを増した曲が並ぶ。冒頭の3曲「In The Heat Of The Night」「Into The Fire」「Victim Of Love」は特に素晴らしい。確かに、それまでより地味だが、その後のオトナのロッカーとしての矜持も見えて、ブライアン・アダムスにとって、正に分岐点となった重要作。

☆157位☆

The Cars Greatest Hits/The Cars (1986)
カーズ・グレイテスト・ヒッツ/カーズ
異論はあろうが、カーズはヒット曲集を聴いている方が楽しい。キャッチーで取っ付きやすく、少し捻れたポップ感覚は、本当にくせになる。80年代には、斬新なアイデアで度肝を抜いたPVと連動してヒットを放ったが、それ以前の曲も捨てがたい。「燃える欲望」「レッツ・ゴー」「シェイク・イット・アップ」等々。ほぼ全曲で聴けるエリオット・イーストンのギターソロも聴き物。

☆156位☆

Dancing Undercover/Ratt (1986)
ダンシング・アンダーカバー/ラット
それまでのアルバムと違って、目立つ曲はないが、その分、各曲のクォリティの差はなくなり、アルバム全体の完成度は上がっている。独特のノリとボーカルを前面に出したラット節に一段と磨きがかかり、風格さえ感じられる仕上がりだ。似たようなタイプの曲が続くものの、逆に統一感を高めているのもいい。個人的にはラットの最高傑作と思っているが、前2作ほど売れなかった。

☆155位☆

Fore!/Huey Lewis & The News (1986)
FORE!/ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
前作同様大ヒットとなったが、こちらの方が、ストレートにアメリカン・ロックを感じさせる。「すべてを君に」「アイ・ネバー・ウォーク・アローン」「愛しき人々」といった、大らかでルーツ・ロック的な雰囲気漂う曲が続いて、ラストの「シンプル・アズ・ザット」でドラマティックに幕を閉じる。お馴染みの大ヒット「パワー・オブ・ラブ」の追加収録が余計と思えるくらい、充実したアルバムである。

☆154位☆

Mr. Bad Guy/Freddie Mercury (1985)
Mr.バッド・ガイ/フレディ・マーキュリー
フレディの初ソロは、ソングライターとてしの優れた素質を世間により知らしめる内容となった。クイーン的でありながら、決してクイーンではない世界。「メイド・イン・ヘブン」「明日なき愛」といったバラード調にもダンサブルな「レッツ・ターン・イット・オン」にもポップな名曲「ボーン・トゥーラブ・ユー」や「リビング・オン・マイ・オウン」にも、フレディの才能が息づいている。

☆153位☆

Islands/Kajagoogoo (1984)
アイランズ/カジャグーグー
リマール脱退(解雇)後、カジャグーグーはレヘル42にも通じるジャズ・ファンク的な音楽性を打ち出した。それはファンキーな「ビッグ・アップル」や、シャカタクみたいに聞こえる「オン・ア・プレイン」、プログレッシブなインスト「ザ・ループ」などに顕著である。デビュー時からのアイドル的イメージを払拭出来ずに苦労したようだが、内容は素晴らしい。

☆152位☆

Arena/Duran Duran (1984)
アリーナ/デュラン・デュラン
デュラン・デュラン初のライブ盤である。ライブでの演奏力の低さを指摘されていたが、決してそんなことはない、というのは本作を聴けばすぐ分かる。特に、ジョン・テイラーとアンディ・テイラーの貢献度は高い。ノリの良いヒット曲も良いが、「ニュー・レリジョン」「7番目の男」といった曲での演奏に、らしからぬ円熟味を感じる。サイモン・ル・ボンも素晴らしい。

☆151位☆

Uh-Huh/John Cougar Mellemcamp (1983)
天使か悪魔か/ジョン・クーガー・メレンキャンプ
ひとりストーンズ的な雰囲気がたまらない。本家よりも下世話でヤンキーな雰囲気が漂っているのもいい。こういうチープな感じのロックンロールが、この人の真骨頂と思う。「Play Guitar」「Serious Business」「Warmer Place To Sleep」等々実に素晴らしいナンバーが並ぶ。あまりシリアスなのは似合わない。色々な意味でアメリカらしいアルバムでありミュージシャンである。

☆150位☆

Let's Dance/David Bowie (1983)
レッツ・ダンス/デビッド・ボウイ
突如、ナイル・ロジャースと組んでポップでダンサブルなアルバムを作り、大ヒットさせてしまったボウイに対しては賛否両論だったが、その類い希な作曲能力をバックに変容を繰り返してきたキャリアを振り返ってみれば、『レッツ・ダンス』は不思議でも何でもない。タイトル曲はもちろん、「チャイナ・ガール」や「モダン・ラブ」にもボウイの才能を感じる。

☆149位☆

Stevie Wonder's Original Musiquarium Ⅰ/Stevie Wonder (1982)
ミュージックエイリアム/スティービー・ワンダー
異論はあろうが、スティービー・ワンダーは70年代が黄金期だったと思う。この頃の作品はどれも素晴らしい。神がかっている。その70年代のヒット曲を集めた本作が悪かろうはずがない。ファンキーな「迷信」「回想」「悪夢」、アダルト・オリエンテッドな「スーパーウーマン」「愛を贈れば」、そして哀愁漂う新曲の「ザット・ガール」、どの曲も超名曲。恐るべき才能である。

☆148位☆

Captured/Journey (1980)
ライブ・エナジー/ジャーニー
ジャーニーがまだローカルなアメリカン・バンドだった頃の最後の姿を捉えたライブ盤。テンション高い演奏、あくまでもスティーブ・ペリーを中心とした絶妙なアンサンブル、全編に感じられるいなたくも和気藹々とした雰囲気...ジャーニーがアメリカのトップ・バンドに上り詰める為に捨ててきてしまったものが全て、このライブ盤には詰まっている。

☆147位☆

Fleetwood Mac Live/Fleetwood Mac (1980)
ライブ/フリートウッド・マック
1979年から1980年にかけてのワールド・ツアーからの音源で構成されたライブ盤。音質といい演奏のグレードといい、とにかく素晴らしい。特にスティービー・ニックス主導のトラックが雰囲気も迫力も群を抜いている。「セーラ」は名演。天性のシャーマンか。ヒット曲中心の選曲も良く、リズム隊が無骨にロックしてる演奏も楽しめる。

☆146位☆

A Day At The Races/Queen (1976)
華麗なるレース/クイーン
本作のクイーンが、世間がイメージするクイーンに最も近いのではなかろうか。そのせいか、ファン以外にはウケがいいアルバムと思う。人気曲「愛にすべてを」最後までライブの定番だった「タイ・ユア・マザー・ダウン」日本語の歌詞が挿入された「手をとりあって」といった名曲だけでなく、他の曲も佳曲揃い。ただ、ややマンネリ気味ではある。

☆145位☆

Guilty/Barbra Streisand (1980)
ギルティ/バーブラ・ストライザンド
バーブラとバリー・ギブ、共に当時絶頂期を迎えていた2人が組んだ事で生まれた名盤。全曲ギブ兄弟による書き下ろしで、バーブラにとっては正に新境地であったろうと思われるが、その実力と感性で見事にクリアしている。さすがである。曲も粒よりで、タイトル曲は特に名曲。バラード系もディスコ調も歌いこなすバーブラがとにかく素晴らしい。

☆144位☆

Hot Streets/Chicago (1978)
ホット・ストリート/シカゴ
テリー・キャスの不慮の事故死は、予想以上に大きな傷をシカゴに与えた。それは、今までと違うアルバム・タイトルやジャケットにも窺えるが、本作自体は起死回生の傑作と言っていい。諸々の問題を乗り越えて前進していこうという姿勢が素晴らしい。「アライブ・アゲイン」はじめ、曲にも演奏にも、前向きな気持ちが感じられる。

☆143位☆

Songs From The Wood/Jethro Tull (1977)
神秘の森~ピブロック組曲/ジェスロ・タル
いわゆる”トラッド3部作"の一作目であり、ジェスロ・タルの最高傑作のひとつであろう。トラッド風味にプログレッシブな展開、複雑でありながらポップな構成、スリリングな演奏、どれを取っても最高傑作と呼ぶにふさわしい。ポップなメロディの「カップ一杯の不思議」、プログレ・ハードな「女狩人」、叙情的な「森の笛吹き」等、収録曲も名曲揃い。

☆142位☆

Wired/Jeff Beck (1976)
ワイヤード/ジェフ・ベック
フュージョンではなく、あくまでもロックのフォーマットで、ベックと参加ミュージシャン達との火花散るアンサンブルが展開される。曲や構成の分かりやすさも含めたロック・インストの最高峰。「レッド・ブーツ」「カム・ダンシング」「蒼き風」など、スタンダード化した名曲も多い。ベックはやはり自分と対峙する存在がいた時の方が、その真価を発揮する。

☆141位☆

The Godfather Part Ⅱ/Original Soundtrack (1974)
ゴッドファーザー・パートⅡ/オリジナル・サウンドトラック盤
ご存知フランシス・フォード・コッポラ監督の名作シリーズの2作目。1作目と続編の両方でアカデミー賞作品賞を受賞した唯一の作品である。ニーノ・ロータも本作でついにオスカーを獲得した。有名な一作目のテーマに負けず劣らずの哀愁を帯びたメイン・テーマが、とにかく素晴らしい。暗黒街でしか生きられない者たちの悲哀を表現したメロディは涙なくしては聴けない。

次回は140位→121位です^^

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MFC presents 500 Favorite Albums of All Time 180-161

2023年09月10日 11時03分49秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
180位→161位

☆180位☆

Tal Bachman/Tal Bachman (1999)
タル・バックマン/タル・バックマン
知る人ぞ知る存在なのが悲しいが、あのランディ・バックマンの息子だそうな。父親譲りなのか、なかなか良い曲を書くし、ボーカルも魅力的、芯の通ったロック・サウンドも素晴らしい。この当時アメリカに行ってて、ラジオで何度も「シーズ・ソー・ハイ」がかかっていたのを思い出す。「君が眠りにつく時」も名曲である。

☆179位☆

The Globe Sessions/Sheryl Crow (1998)
グローブ・セッションズ/シェリル・クロウ
シェリル・クロウの3作目は、スタジオでの実験的アプローチも見られる意欲作となった。「マイ・フェイバリット・ミステイク」「ネイバーウッド」といったキャッチーなロック・ナンバーのヒット曲はもろちんだが、「クラッシュ・アンド・バーン」「アム・アイ・ゲッティング・スルー」といったブログレッシブな曲もある。ディラン作の「リバーワイド」も良い。

☆178位☆

Live On Two Legs/Pearl Jam (1998)
ライブ・オン・トゥー・レッグス/パール・ジャム
初のライブ盤と言っていいのか。パール・ジャムの勢いというか熱さが感じられる好盤である。バッキングに徹するマイク・マクレディとソロを弾きまくるストーン・ゴッサード、2人のギタリストの役割分担がはっきりしているのが分かりやすい。このバンドの顔は何と言ってもエディ・ベダーだが、バンドに任せる所は任せる、みたいな分業と連帯感が却って新しい。

☆177位☆

Ladies & Gentplemen The Best Of George Michael/George Michael (1998)
レディーズ&ジェントルメン・・・ザ・ベスト・オブ・ジョージ・マイケル/ジョージ・マイケル
ワム!時代の曲も含む、この時点でのオールタイム・ベスト。アレサ・フランクリンとの「愛のおとずれ」が収録されているのがポイント高い。2枚組で、1枚はバラード集、1枚はアップテンポの曲中心、という構成もよろしい。聴き応えがあるのはアップテンポ中心のDisc2で、大ヒットは少ないが、スティービー・ワンダーやクイーンのカバーもあり、文句なしに楽しめる。

☆176位☆

Another World/Brian May (1998)
アナザー・ワールド/ブライアン・メイ
ブライアンのソロ第2弾は、よりハード・ロック色を強めた内容となった。重厚な音作りが素晴らしいが、そこに貢献したコージー・パウエルの遺作となってしまったのは残念。「ビジネス」「チャイナ・ベル」「サイボーグ」といったハードでメタリックな曲が続いた後、ジミヘンやモットのカバーが並び、最後の穏やかなタイトル曲に至る構成が、とにかく絶妙である。

☆175位☆

Bridges To Babylon/Rolling Stones (1997)
ブリッジス・トゥー・バビロン/ローリング・ストーンズ
本作で、ストーンズが起用した旬のプロデューサーはドン・ウォズにダスト・ブラザーズ。タッグを組んだ「エニバディ・シーン・マイ・ベイビー」は、ヒップホップ風味も感じられるミステリアスな名曲。同じ顔ぶれの「セイント・オブ・ミー」も素晴らしい。ほぼ全曲に関わったドン・ウォズによる、古くも新しいストーンズが聴ける、いかにも90年代らしい傑作。

☆174位☆

Now/Paul Rodgers (1997)
NOW/ポール・ロジャース
3年以上に及んだブルース・プロジェクトを終えたポール・ロジャースが放った、快心のロック・アルバム。ブルースとは違う、産業ロック的手触りもあるストレートで聴きやすいサウンドである。ポール・ロジャースのボーカルも絶好調で、実に素晴らしい歌いっぷりだ。この人が歌うことで、どの曲にも新しい魂が宿る。とにかく聞き惚れてしまう。素晴らしいとしか言いようがない。

☆173位☆

Nine Lives/Aerosmith (1997)
ナイン・ライブス/エアロスミス
冒頭の4曲「Nine Lives」「Falling In Love」「Hole In My Soul」「Taste Of India」はとにかく完璧。文句なし。他の曲もおしなべて出来が良く、あまりの高水準に、分割してリリースしても良かったのではと思えてしまうくらい、高カロリーな完成度。外部ソングライターの功績であろうが、一種洗練されたハード・ロックになっているのが凄い。エアロ90年代の第2の全盛期にふさわしい名盤。

☆172位☆

Encomium : A Tribure To Led Zeppelin/Various Artists (1995)
レッド・ツェッペリン・トリビュート
主にアメリカのオルタナ系ミュージシャン達によるレッド・ツェッペリンのトリビュート・アルバムで、案外シブい選曲と合わせてなかなかの傑作である。持ち味を生かしたカバー振りが素晴らしい。フーティー&ザ・ブロウフィッシュによる「Hey Hey What Can I Do」なんて知ってる方が珍しいのでは。タイトルは“賛辞”という意味。良いセンスである。

☆171位☆

Tails/Lisa Loeb & Nine Stories (1995)
テイルズ/リサ・ローブ&ナイン・ストーリーズ
映画『リアリティ・バイツ』に採用された「ステイ」の大ヒットで、一躍注目されたリサ・ローブの1st。アコースティックな癒やし系サウンドとインテリジェンス高そうな雰囲気の歌詞が融合して、どことなく文学的香りのする音楽を生み出している。グランジ風ギターが炸裂する曲もある。アルバム・タイトルは“物語”ではなく“しっぽ”。このセンスも良い。

☆170位☆

Strictry Commercial The Best Of Frank Zappa (1995)
ベスト・オブ・フランク・ザッパ/フランク・ザッパ
1993年に亡くなったフランク・ザッパの、比較的ポップな曲を集めたベスト盤。ポップとはいえ、ザッパなので一筋縄ではいかない。60年代から80年代まで、幅広く選曲されており、サイケ、ジャズ・ロック、ドゥワップ、ブルース、R&B、ラップ、ディスコなど、様々な音楽の要素に溢れていて、聞いてる分には実に楽しい。広大なザッパ・ワールドの小さな入門編としては最適。

☆169位☆

Bedtime Strories/Madonna (1994)
ベッドタイム・ストーリーズ/マドンナ
ダラス・オースティン、ベイビーフェイス、ネリー・フーパーなど、当時の売れっ子プロデューサーたちを贅沢に使ったゴージャスなアルバム。通算11曲目の全米No.1となった「テイク・ア・バウ」をはじめ、曲もサウンド・プロダクションもオシャレでゴージャスな仕上がりで、都会的かつオトナの音楽といった趣。デビュー時からの路線は、本作で一旦打ち止めとなる。

☆168位☆

Muddy Water Blues A Tribute To Muddy Waters/Paul Rodgers (1993)
マディ・ウォーター・ブルース/ポール・ロジャース
ブルースの象徴的存在てあり、今日のロックの祖とも言えるマディ・ウォータースの代表曲を、ポール・ロジャースは曲ごとにゲスト・ギタリストを招いて改めてカバーした。現代的解釈で甦るブルースの名曲たち、ジェフ・ベック、スティーブ・ミラー、ブライアン・セッツァーなどの豪華なギリタスト陣、そして何よりポール・ロジャース入魂のボーカルが聴く者の胸を熱くする。

☆167位☆

Walk The Dog & Light The Light/Laura Nyro (1993)
抱擁~犬の散歩はお願いね、そして明かりはつけておいて/ローラ・ニーロ
時にエキセントリックですらあった、才気走っていた若い頃と違い、母となったローラは、優しく包み込むようなアルバムを作った。女性の権利や地位をテーマにした曲もあるが、ソフィスティケイトされたサウンドと穏やかなボーカルで、ゆったりと聴かせる。こういうのを癒やし系と言うのだ。バーナード・パーディーらによる演奏も素晴らしく、ローラの生涯を通じても1、2を争う名盤である。

☆166位☆

Blue Rock/The Cross (1991)
ブルー・ロック/ザ・クロス
クイーンのロジャーによる別バンドの最終作。ほとんどロジャーのソロだった1st、ロジャー以外のメンバーがメインで仕上げた2nd、と比較すると、段違いの傑作である。曲のクォリティが向上し、バラエティに富んだアルバムとなった。全編に漂うブリティッシュ・バンドらしい雰囲気もいい。確実にメンバーたちの力量は上がり、単なるロジャー頼みではないパンドに成長した。

☆165位☆

Thanyou And Goodnight/It Bites (1991)
サンキュー・アンド・グッドナイト~ライブ/イット・バイツ
イット・バイツの演奏力の高さは評判だったが、この時点での初ライブ盤で、その素晴らしさは十分に堪能出来る。高度なテクニックを駆使しつつも、遊び心とユーモアの感じられるパフォーマンスは、正にブリティッシュ・ブログレの鑑。「KIss Like Judas」「Calling All The Heroes」「Still To Young To Remember」あたりでは、ソングライターとしての高い能力を発揮している。

☆164位☆

Tales From The Brothers Gibb History In Song 1967-1990/Bee Gees (1990)
ビー・ジーズ・ゴールデン・ヒストリー/ビー・ジーズ
タイトル通り、ビー・ジーズのシングルをリリース順に収録したCD4枚組。ビー・ジーズの場合、シングルはアルバムとは切り離して聴きたいもの。初期の“田園フォーク”路線を収録したDisc1と2も良いが、70年代後半の怒濤のヒット曲集であるDisc3が白眉である。ディスコの一言では片付けられない独特の作風を感じて欲しい。ビー・ジーズはやっばり凄い。

☆163位☆

Dr. Feelgood/Motley Crue (1989)
Dr.フィールグッド/モトリー・クルー
モトリーは本作しか聴いていないが、間違いなく名盤である。冒頭のタイトル曲のカッコ良さには言葉もない。名曲だ。他の収録曲も粒揃いで、バラード系の曲もあって全体のバランスもいい。以前感じられた音の薄さもなく、堂々たるハード・ロック・アルバムと言える。メタルというより、少しオトナになったバッド・ボーイのロックンロール。

☆162位☆

Greatest Hits/KC & The Sunshine Band (1989)
(日本未発売)
分かりやすいメロディと曲構成が身上のKC&ザ・サンシャイン・バンドだけに、しかもディスコでもあるし、一過性のポップスとして消費されてしまう運命だったのだろうが、意外と今聴いても新鮮で楽しく聴ける。自然と身体が動き、一緒に口ずさんでしまうのだ。「ザッツ・ザ・ウェイ」「シェイク・ユア・ブーティ」「愛はノンストップ」といったヒット曲が放つ輝きは永遠である。

☆161位☆

Bad English/Bad English (1989)
バッド・イングリッシュ/バッド・イングリッシュ
元ベイビーズと元ジャーニーのメンバーによる、いわゆるスーパー・グループ。ハードでポップで、バラードも聴かせるし、非常にバランスの取れたアルバムだ。シンセを多用しているのもいい。ジョン・ウェイトのボーカルをはじめ、演奏力も高く、様々なスタイルに対応出来るのも強み。ややバラード系が多いかな、という気もするが、産業ロック最後の名盤と言っていい。

次回は、160位→141位です^^

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