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MFCオーナーのブログ

MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 200-181

2023年08月16日 11時45分59秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
200位→181位

私的アルハム500選も、いよいよ200位圏内に突入しました。この辺りから、想い出のアルバムが増えてきます。どうぞよろしくお願いします(誰に言ってんだか。笑)

☆200位☆

Rock Of The Westies/Elton John (1975)
ロック・オブ・ザ・ウェスティーズ/エルトン・ジョン
『キャプテン・ファンタステイック』に続き、2作連続で全米アルバム・チャート初登場No.1という快挙を達成したアルバム。いかに、この当時のエルトンが凄かったか、を物語るエピソードだ。アルバム自体はバンド・メンバーを一新し、かなりロック色の強いサウンドとなっている。そんな中にあって、唯一のバラード「さすらいの弾丸」は名曲中の名曲。

☆199位☆

Ritchie Blackmore's Rainbow/Blackmore's Rainbow (1975)
銀嶺の覇者/ブラックモアズ・レインボー
パープルを脱退したリッチーは、本当はどんな音楽をやりたかったのか? ロニー・ジェイムス・ディオらエルフのメンバー達とレコーディングした脱退後の第一作は、ハードロックにとどまらない、多彩な音楽性と曲調に満ちている。パープルとのいわくつきの「黒い羊」、アコースティックな「王様の宮殿」、3拍子の「自画像」など、リッチーの意図はともかく出来は良い。

☆198位☆

The Allman Brothers Band At Fillmore East/The Allman Brothers Band (1971)
フィルモア・イースト・ライブ/オールマン・ブラザーズ・バンド
ロック史に燦然と輝く名作ライブ盤、と評価は高い。その評価に異論はないが、デュアンを中心にしたジャム・バンドとしてだけではなく、グレッグを中心にボーカル物もいけるバンドである事を、もっと知って欲しいと思う。オープニングのブルース・カバー2曲なんては鳥肌モノだ。C面のインスト2曲も、コンパクトながらもスリリングで素晴らしい。

☆197位☆

Rocky Ⅳ - The Original Soundtrack (1985)
ロッキーⅣ~炎の友情/オリジナル・サウンドトラック盤
映画はともかく(未見)、サントラは実に充実している。前作で当てたサバイバーの新曲やジェームズ・ブラウンの参加も話題になったが、白眉は何と言ってもジョン・キャファティーの「ハーツ・オン・ファイア」であろう。この曲の為にアルバム買っても惜しくはない。それ以外ではゴー・ウェストやケニー・ロギンス&グラディス・ナイトの曲が良い。映画は知らんけど。

☆196位☆

Make It Big/Wham! (1984)
メイク・イット・ビッグ/ワム!
本作でワム!はコンテンポラリーなポップ路線に切り替え、アメリカでの成功も手中にした。とにかくA面ラストの「消えゆく想い」以外は、見事なまでに隙の無い完全無欠のポップ・ワールド。文句なし。全米No.1になった3曲もさることながら、シングルになっていない「ハートビート」「クレジット・カード・ベイビー」といった曲にもジョージ・マイケルの才能が光っている。

☆195位☆

Giuffria/Giuffria (1984)
美伝説/ジェフリア
元エンジェルのグレッグ・ジェフリアは、自身のリーダー・バンドを率いてロック・シーンに戻ってきた。本作はそのバンド、ジェフリアの1st。自身のシンセを前面に出し、プログレ風味も加えた、素晴らしい産業ロックである。キャッチーな曲作りとアレンジがよろしい。声がスティーブ・ペリー似のボーカルもなかなか。80年代ロックの隠れた名盤と呼ぶべき。

☆194位☆

Madonna/Madonna (1983)
バーニング・アップ/マドンナ
あのマドンナの1stである。当時注目されていたヒップホップ風味のダンス・ミュージックだが、ストリートっぽい感覚もあり、ボーカルも意外と魅力的で曲も良く、ほぼ無名だったシンガー&ダンサーのデビュー作としては、かなりいい線行っているのではなかろうか。8曲中5曲がマドンナ作で、ここいらもお見事。売れなかったら、レア・グルーブの名盤だったかも。

☆193位☆

Slowhand/Eric Clapton (1977)
スローハンド/エリック・クラプトン
「コカイン」「ワンダフル・トゥナイト」とライブの定番曲を含むアルバムであり、カントリー風の「レイ・ダウン・サリー」もヒットしたし、代表作と言ってもいい内容ではある。レイド・バックした雰囲気ながら、「ザ・コア」のようにスリリングな掛け合いを聴かせる曲もあり、名盤には違いない。バック・ポーカルのマーシー・レヴィも素晴らしい歌を聴かせる。

☆192位☆

How Dare You/10cc (1976)
びっくり電話~ハウ・デア・ユー/10cc
ジャケットからも察せられるように、10ccらしさ全開のアルバム。本当にやりたい事を好きなようにやってる、という感じ。「世界征服」「氷山」「電話を切らないで」あたりはゴドリー・クレーム組の真骨頂。スチュワート・グールドマン組は「アイム・マンディ」「芸術こそ我が命」などアバンギャルドでポップな曲で本領発揮。それらが違和感なくまとまっているのが、本作の素晴らしいところである。

☆191位☆

Threads/Sheryl Crow (2019)
スレッズ/シェリル・クロウ
1曲ごとに、シェリルが敬愛する先輩たちと共演したアルバム。スティービー・ニックス、キース・リチャーズ、ジョニー・キャッシュなど、錚々たる顔ぶれである。そこで展開されるアメリカンな世界がたまらない。スティービー・ニックスとの「プルーブ・ユー・ロング」、ジョー・ウォルシュとの「スティル・ザ・グッド・オールド・デイズ」が出色の出来。

☆190位☆

Restoration Reimagining The Songs Of Elton John And Bernie Taupin (2018)
(日本未発売)
カントリー系のアーティストによるエルトン・カバー集。参加ミュージシャンは、ウィリー・ネルソン、エミルー・ハリス、ドン・ヘンリーといったビッグ・ネームから、ケイシー・マクブライブス、マイリー・サイラスなどの若手、そして僕なんか名前も知らない人たちも含めて多士済々。どのパフォーマンスも全く違和感なし。エルトンの曲は誰がやってもハマる、懐の深さがある。

☆189位☆

Home For Christmas/Sheryl Crow (2008)
ホーム・フォー・クリスマス/シェリル・クロウ
クリスマス・アルバムとはいえ、アメリカ音楽のエッセンスを抽出して集めたような、まるでオリジナル・アルバムのような趣がある。ブルースやR&Bの香り濃厚な収録曲を聴いていると、山小屋で暖炉のそばでくつろいでる気分になる、そんなクリスマス・アルバムである。クリスマスは好きな人と過ごしたいの、などと言ってる連中には本作の深みは理解できまい。

☆188位☆

The Cosmos Rocks/Queen + Paul Rodgers (2008)
コスモス・ロックス/クイーン+ポール・ロジャース
このバンドは、フレディの代わりにポール・ロジャースが加入したのではない。ブライアンとロジャーがポール・ロジャースと組んだ新バンドなのである。彼ら唯一のアルバムで、決してクイーンではない事を証明した。ややロジャース色が強く、ブルースに根ざしたロックという印象だが、ブライアンとロジャーの個性も消えていない。ベテランの味が堪能出来る傑作。

☆187位☆

Greatest Hooks/Dr. Hook (2007)
(日本未発売)
ドクター・フックも、70年代後半にチャートを騒がせたヒット・メーカーである。現在では、あの頃の人気が嘘のように、知る人ぞ知るバンドになってて、リトル・リバー・バンドと境遇が似てるが、奇を衒うタイプではなく、良い曲をじっくり聴かせるバンドであり、派手ではないが優しく暖かいサウンドが特徴、というのもリトル・リバー・バンドみたい。もっと知られてもいいバンド。

☆186位☆

After The Flood : Live From The Grand Forks Prom, June28, 1997/Soul Asylum (2004)
アフター・ザ・フラッド/ソウル・アサイラム
洪水の被害に遭った高校でのライブ盤。元々、ライブには定評があるバンドだけに、非常にテンション高く充実した演奏が聴ける。オリジナルだけではなくカバーも多くて、その点も楽しい。マービン・ゲイの「セクシャル・ヒーリング」が素晴らしいが、「いつも心に太陽を」「ラインストーン・カウボーイ」といった選曲は意外過ぎて、並のバンドではない事を思い知る。

☆185位☆

A Bigger Bang/Rolling Stones (2005)
ビガー・バン/ローリング・ストーンズ
21世紀最初のオリジナル・アルバムは、ストーンズ本来のスタイルに戻った感じ。キャッチーなリフとメロディが印象的な曲で占められ、風格と若々しさの両方が感じ取れる。焼き直しには違いないが、それでもこれだけのクォリティの曲を書ける、という事実には感嘆しかない。「Rain Fall Down」「Streets Of Love」等々ストーンズの新たなスタンダードとなり得る佳曲ばかり。

☆184位☆

Harmonium/Vanessa Carlson (2004)
ハーモニウム/バネッサ・カールトン
2ndでのバネッサは、成功した1st以上にソング・ライティングに磨きをかけ、収録曲はどれも充実しており、「ホワイト・ハウセズ」「アニー」など、幅が広がった感もある。が、それ以上の聴き物はU2の「約束の地」のカバーである。あのイントロをピアノで再現する、という試みが実にプログレッシブだ。他の曲が霞んでしまうくらい強烈な印象を残す名演。

☆183位☆

Astronaut/Duran Duran (2004)
アストロノート/デュラン・デュラン
ほぼ20年の時を経て、オリジナル・メンバー5人が再集結してのアルバム。これがまた素晴らしい出来映えなのである。決してここまでの20年低迷していた訳ではないが、オリジナルの5人が揃うだけで、こんなに素晴らしいアルバムを作れる、という事に単純に感動してしまう。シングルになった「サンライズ」はじめ、どの曲も躍動感に溢れ、前を向いているのが凄い。

☆182位☆

C'mon, C'mon/Sheryl Crow (2002)
カモン・カモン/シェリル・クロウ
ひたすら良い曲を並べてきた、という印象。時流に乗ったアメリカン・ロックという雰囲気のサウンドも良い。スティービー・ニックス、ドン・ヘンリー、キッド・ロックといったゲストも多彩でありつつ筋の通った顔ぶれ。白眉はスティービーと共演したタイトル曲であろう。当時売れっ子だったジョン・シャンクスと組んだ曲もあり、そこいらの目配りはさすが。

☆181位☆

Brainwashed/George Harrison (2002)
ブレインウォッシュド/ジョージ・ハリスン
ジョージの遺作で、亡くなる3年程前に録音されていたらしいが、そんな事は微塵も感じさせない、明るくポジティブな印象のアルバムである。曲の出来も良い。音楽性という点で見ると、これまでのジョージの様々なスタイルの集大成という感じ。スワンプ風あり、AOR風あり、インド風の曲もあり、どれも充実していて飽きさせないアルバムである。

次回は、180位→161位です^^

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 220-201

2023年07月22日 18時30分12秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
220位→201位

☆220位☆

Miracle Row/Janis Ian (1977)
奇跡の街/ジャニス・イアン
日本では人気あったジャニス・イアン、本作からもテレビドラマに使われた「ウィル・ユー・ダンス」がヒットした。この曲を含め、収録曲のグレードが高く、また新たな試みもあり、ジャニスはまた一段上のステージに進んだ感があった。タイトル曲は珍しく明るい曲調で始まり、途中からのプログレ的展開には度肝を抜かれる。名盤である。

☆219位☆

Bigger Than Both Of Us/Daryl Hall & John Oates (1977)
ロックン・ソウル/ダリル・ホール&ジョン・オーツ
本作から「Rich Girl」が全米No.1になり、ホール&オーツの人気を決定づけた。"ブルー・アイド・ソウル"の傑作である。ライブでのハイライトとなった「Do What You Want」、二人のソウルフルな掛け合いがカッコいい「Back Together Again」、オシャレな小品「London Luck & Love」等々聴きどころも多い。ホールとオーツのバランスもこの頃は非常に良い。

☆218位☆

Takin' It To The Streets/The Doobie Brothers (1976)
ドゥービー・ストリート/ドゥービー・ブラザーズ
トム・ジョンストン期からマイケル・マクドナルド期への過渡期と言えるアルバム。両方のドゥービーの要素がうまく混在し、非常にコンテンポラリーなロック・アルバムとなっている。カギを握るのは、やはりパット・シモンズか。「8番街のシャッフル」でのギターは注目。「イット・キープス・ユー・ランニン」のようにリズム・ボックスで進行する曲もあってバラエティ豊か。

☆217位☆

All American Alien Boy/Ian Hunter (1976)
流浪者(ながれもの)/イアン・ハンター
元モット・ザ・フープルのイアン・ハンターのソロ転向2作目。ジャコ・パストリアスの参加が意外だが、タイトル曲ではソロも披露したりして、活躍している。音楽的はに特にジャズ的ではなく、シンガー・ソングライター的な作品を、やや都会的なサウンドでまとめている感じ。クイーンのメンバーがコーラスに参加した壮大なバラード「傷心のハイウェイ」は一聴の価値あり。

☆216位☆

Fleetwood Mac/Fleetwood Mac (1975)
ファンタスティック・マック/フリートウッド・マック
バッキンガム・ニックス組を迎えた新生マックの第一弾。1年かけて全米No.1になり、『噂』の下地を作った。実際、音楽的にも本作で確立されたサウンドが『噂』に展開された、と言えなくもない。マックの原点はここにある。「マンデイ・モーニング」「セイ・ユー・ラブ・ミー」「リアノン」といった楽曲が、そのことを証明している。曲の出来も『噂』より上と思う。

☆215位☆

History-America's Greatest Hits/America (1975)
アメリカの歴史/アメリカ
3人のアメリカ人によってイギリスで結成されたアメリカの、デビュー曲「名前のない馬」から1975年までの道程を記録したベスト盤。「アイ・ニード・ユー」「魔法のロボット」「ベンチェラ・ハイウェイ」等々名曲目白押しだが、その頂点で燦然と輝いているのが「金色の髪の少女」である。70年代を代表する名曲。哀愁を帯びたイントロがたまらない。

☆214位☆

The Original Soundtrack/10cc (1975)
オリジナル・サウンドトラック/10cc
名曲「アイム・ノット・イン・ラブ」を含む出世作。この曲と組曲「パリの一夜」ばかりが注目されるが、実は他の曲も佳曲揃いである。スライドがうなる「ゆすり」、ハードに展開する「二度目の最後の晩餐」、映画音楽みたいな「我が愛のフィルム」等、印象的な曲が多い。が、大手移籍第一弾という事で、緊張感もあったのか、やや毒気が薄いのは否めない。

☆213位☆

It's Only Rock 'N' Roll/Rolling Stones (1974)
イッツ・オンリー・ロックンロール/ローリング・ストーンズ
タイトルはストーンズの本懐ってとこだが、アルバム全体としては、いかにもロックンロールみたいな曲は少なく、「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」「マイ・フレンド」のようなスローでメロウな曲の出来が良くて印象も強い。根底には、いつもと違う黒っぽさを感じる。ラストの「フィンガープリント・ファイル」は、これまでになかった曲調で衝撃的。

☆212位☆

On The Border/Eagles (1974)
オン・ザ・ボーダー/イーグルス
本作からドン・フェルダーが加入し、演奏面が強化された。とはいえ、バーニー・リードンによるカントリー風味は残っており、ロック的方向性との双方が共存する貴重なアルバムと言える。「過ぎた事」「ミッドナイト・フライヤー」はカントリー風、「オン・ザ・ボーダー」「地獄の良き日」はロック寄り、「恋人みたいに泣かないで」は隠れた名曲。

☆211位☆

Brothers And Sisters/The Allman Brothers Band (1973)
ブラザーズ・アンド・シスターズ/オールマン・ブラザーズ・バンド
デュアン・オールマンとベリー・オークリーを続けて失ったオールマンズだが、もう一人のギターの代わりにチャック・リーベルが加入したのが功を奏した感じ。カントリー・テイストの曲もあるが、ブルースを軸に展開していく作風に変化はない。「カム・アンド・ゴー・ブルース」「サウスバウンド」といった曲で見せるカッコ良さこそ、彼らの真骨頂と思う。

☆210位☆

Who Do We Think We Are/Deep Purple (1973)
紫の肖像/ディープ・パープル
何故か評価の低いアルバムだが、「ウーマン・フロム・トーキョー」「スムース・ダンサー」など曲の出来も良く好盤と思う。定番となり得るナンバーが少ないので、地味な印象なのは否めないが、きちんと聴けば決して悪くない。少なくとも、発表から今に至るまで、まともに聴かれもせず、評価もされなかった不幸なアルバムである。

☆209位☆

The Singles 1969-1973/Carpenters (1973)
シングルス1969-1973/カーペンターズ
文字通りのベスト盤だが、再レコーディングされた曲やリミックスされた曲もあり、単にシングルを集めたベスト盤ではない。これは賛否両論だっただろう。ただ、意図は分からないが、カーペンターズの世界は十二分に堪能出来る。そして、一見華やかなヒット曲の影にある憂いを巧みに表現するカレンの歌も。彼女こそ正に不世出のシンガーである。

☆208位☆

Naked Songs/Al Kooper (1972)
赤心の歌/アル・クーパー
スーパー・セッションやBS&Tの結成など、ロック界に大きな足跡を残したアル・クーパーは、地味だけど自身の志向を100%反映したソロ・アルバムを出していて、名曲「ジョリー」を含む本作は、その中でも最も有名なのではなかろうか。ゴスペルチックな「自分自身でありなさい」、ピアノによるイントロとオルガンがカッコいい「君はどこへ」など佳曲多し。頼りなげなボーカルも味わい深い。

☆207位☆

Free Live!/Free (1971)
フリー・ライブ!/フリー
若い割にはブルースの求道者みたいなイメージがあるフリーだが、このライブ盤では突き抜けている。実に伸び伸びと演奏しているように思えるのだ。定番曲ばかりだが、オープニングの「オールライト・ナウ」はかなりアレンジを変えていて、正直こちらの方がカッコいいと思う。スタジオ録音の新曲「ゲット・ホエア・アイ・ビロング」にアメリカ志向が見て取れる。

☆206位☆

Tumbleweed Connection/Elton John (1970)
エルトン・ジョン3/エルトン・ジョン
かなりアメリカ南部に接近した音作りとなっている。ザ・バンドの影響もあったらしいが、決して物真似ではなく、エルトンならではのアメリカ音楽であるのが素晴らしい。個人的には「過ぎし日のアモリーナ」が一推しだが、カバーの多い「故郷は心の慰め」やライブのハイライト「布教本部を焼き落とせ」も良い。エルトン初期の名盤。レスリー・ダンカンのカバー「愛の歌」も名曲。

☆205位☆

New York Tendaberry/Laura Nyro (1969)
ニューヨーク・テンダベリー/ローラ・ニーロ
ポップなメロディの曲はあまりなく、暗く静かな情念が渦巻くアルバム。ほとんどのトラックは、ローラの歌とピアノのみで構成されており、決して聴きやすくはないが、一度針を落としてしまうと、最後まで引き込まれてしまう。というか、途中で止める事を許さない何かがある。本作でのローラは聴く者に作品と対峙する覚悟を要求するが、それは決して苦痛ではない。

☆204位☆

Jump Up/Eltpn John (1982)
ジャンプ・アップ/エルトン・ジョン
70年代終わり頃から迷走していたエルトンが放った起死回生の一枚。かつてのエルトンらしさが戻り、収録曲のグレードも高く、躍動感溢れるバンド演奏も相俟って、実に若々しく活気に満ちたアルバムである。久々にバーニーと組んだ「エンプティ・ガーデン」はエルトンの五指に入る名曲。他の曲も捨て曲なし。もっと評価されてもいい名盤。

☆203位☆

Greatest HIts Volume Two/Linda Ronstadt (1980)
グレイテスト・ヒッツVol.2/リンダ・ロンシュタット
リンダがヒットチャートの常連だった70年代後半のシングル曲を集めたベスト盤。悪かろうはずがない。「イッツ・ソー・イージー」「ブルー・バイユー」のようなウエスト・コースト・サウンドと「お願いだから」のようなニュー・ウェーブ路線が、違和感なく同居してしまうのが、歌手リンダの凄いところ。改めてその歌唱力に脱帽である。とにかく聴け。

☆202位☆

8:30/Weather Report (1979)
8:30/ウェザー・リポート
ジョー・ザビヌル、ウェイン・ショーター、ジャコ・パストリアス、ピーター・アースキンという黄金期のメンバーによるライブ盤。スタジオ盤とはひと味違うアグレッシブな感じの「ブラック・マーケット」で始まるオープニングが、とにかく圧倒的に素晴らしく言葉もない。各自のソロ・パートもあるが、基本的にはアンサンプル重視、そしてジャズの枠に収まりきれない多様性が持ち味。

☆201位☆

Down Two Then Left/Boz Scaggs (1977)
ダウン・トゥー・ゼン・レフト/ボズ・スキャッグス
ボズをオシャレなAORアーティストとするなら、そのイメージに一番ピッタリくるのが本作だろう。とにかくオシャレで洗練されててカッコいい。フュージョン的方法論も取り込んだバンド演奏も、オシャレ度アップに大きく貢献している。「ホワッチャ・ゴナ・テル・ユア・マン」など、その典型。「ハリウッド」「1984」といった曲は、オシャレ系ではないがカッコいい。

次回は200位→181位です。いよいよ200位圏内に入ってきました^^

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 240-221

2023年07月09日 22時28分01秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
240位→221位

☆240位☆

The Allnighter/Glenn Frey (1984)
オールナイター/グレン・フライ
テレビドラマの元ネタになった「スマグラーズ・ブルース」、一時期AORコンピの常連だった「ラバーズ・ムーン」を含む。ちょっとお調子者で女好き、というグレン・フライのイメージそのまま(個人の感想です)。軽いR&B風味とヤンキーなノリ、漂うB級感。名盤とまではいかないが、手元にいつも置いておきたいアルバムである。

☆239位☆

Sports/Huey Lewis & The News (1983)
スポーツ/ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース
本作で、彼らは80年代アメリカン・ロックの代表的存在となった。オーソドックスな雰囲気の曲が多いが、デジタル風味のサウンドで新鮮に聞こえる。正に80年代。なんといってもヒューイ・ルイスの声が素晴らしいが、他のメンバーもなかなかの力量である。「ハート・アンド・ソウル」「アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ」「いつも夢見て」と名曲が並び圧巻。

☆238位☆

Thriller/Michael Jackson (1982)
スリラー/マイケル・ジャクソン
80年代を象徴する大ベスト・セラーであり、9曲中7曲がシングル・カットされたが、残りの2曲「ベイビー・ビー・マイン」「レディ・イン・マイ・ライフ」がこれまた名曲。聴き物は「スタート・サムシング」で、延々と続く無機質なビートに乗ってマイケルの歌だけで盛り上げていく。本当にマイケルは凄い。本作もスタイルとしてはブラコンだが、マイケル唯一無比の世界。

☆237位☆

Foot Loose & Fancy Free/Rod Stewart (1977)
明日へのキック・オフ/ロッド・スチュワート
初めて聴いた時、「ホット・レッグス」「まともじゃないよ」「胸につのる想い」の冒頭3連発に脳天直撃され、すっかり虜になった。B面の「キープ・ミー・ハンギン・オン」「イフ・ラビング・ユー・イズ・ロング」とソウルの名曲カバー2連発も素晴らしい。本物のロッカーがここにいる。この頃のロッドが一番良かったと思ってしまうのは良くないことなのだろうか。

☆236位☆

Balin/Marty Balin (1981)
恋人たち/マーティ・バリン

ポール・カントナーと共にジェファーソンの双頭だったマーティ・バリンが、1981年に突如放った「ハート悲しく」のヒットは、衝撃的であり意外でもあった。が、センチメンタルなこの曲は名曲である。他の曲はセンチな曲は少なく、ロック色の強いAORという雰囲気。案外当時のトレンドだったかも。バリンはカントナーとは違う道を歩んでいったのだった。

☆235位☆

Strangers In The Night/UFO (1979)
UFOライブ/UFO
メンバー変遷の多いバンドだが、この名作ライブ盤のメンバーがベスト・メンバーと思う。とにかく、白熱した演奏にだだただ引き込まれる。マイケル・シェンカーも伸び伸びと弾きまくっているし、収録曲も定番かつ名曲ばかり。最盛期のUFOを完パケしたライブ盤であり、多くのロック少年の人生を左右したアルバムではなかろうか。

☆234位☆

Off The Wall/Michael Jackson (1979)
オフ・ザ・ウォール/マイケル・ジャクソン
プロデューサーは同じクインシー・ジョーンズだが、このアルバムはまだソウルである。ロック系にも訴えるものはあったけどソウルであり、聴き物は「ロック・ウィズ・ユー」。マイケル最高の名曲名演と言っていいのでは。他の曲もダンサブルでメロウで素晴らしい。古き良きモダンなソウル。「あの娘が消えた」はなくてもいいかも。

☆233位☆

Jeff Beck With The Jan Hammer Group Live/Jeff Beck (1977)
ライブ・ワイヤー/ジェフ・ベック
前年の『ワイヤード』の成功で絶頂期を迎えていたジェフ・ベックが、ヤン・ハマー・グループに帯同したツアーのライブ盤。ベック側には無断で出されたらしいが、インスト中心でこの時点での代表曲もたっぷり聴けるし、ヘックとハマーの絡みもあるし、当時のファンからすると有り難いリリースだった。途中に「トレイン・ケプト・ア・ローリン」のフレーズを繰り出す「蒼き風」がカッコいい。

☆232位☆

Greatest Hits/Linda Ronstadt (1976)
グレイテスト・ヒッツ/リンダ・ロンシュタット
なんたってリンダである。悪かろうはずがない。名曲ばかりだし、リンダの歌がまた素晴らしく、まるで自分で書いた曲のように、独自の世界にしてしまっている。実に素晴らしい。いかにもウェスト・コーストという雰囲気の音も良い。モータウン・カバーも良いが、ニール・ヤング、エリック・カズといったシンガー・ソングライター系のカバーがやはり良い。

☆231位☆

Children Of The World/Bee Gees (1976)
チルドレン・オブ・ザ・ワールド/ビージーズ
ビージーズが最初から"ディスコ"として作ったのが、「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」だと思う。この曲でスタートする本作は、ハイパーな魅力に溢れた傑作である。シンセ中心のアレンジ、ファルセットの多用、4つ打ちのビート、シンプルでキャッチーなリフレイン、全てが”ディスコ”を目指している。『サタデイ・ナイト・フィーバー』のディスコとは少し違うけど。

☆230位☆

The Hungry Years/Neil Sedaka (1975)
ハングリー・イヤーズ/ニール・セダカ
70年代半ばに復活したニール・セダカ、全米No.1になった「バッド・ブラッド」を含むアルバム。基本的な作風は変わらず、ウェスト・コースト風だったりアメリカーナ風だったり、とバラエティに富んだ曲調にポップなメロディが映える傑作。キャプテン&テニールでお馴染みの「ロンリー・ナイト」もあるが、がらりと雰囲気を変えた「悲しき慕情」のセルフ・リメイクも面白い。

☆229位☆

Prisoner In Disguise/Linda Ronstadt (1975)
哀しみのブリズナー/リンダ・ロンシュタット
この頃、つまり70年代中頃のリンダが一番良かったかもしれない、なんて思ってしまう傑作。この音、リンダの歌、どれも素晴らしい。「ジューク・ボックスの歌」は名曲である。「メニー・リバース・トゥー・クロス」を取り上げているのも当時のトレンドか。ホイットニーでお馴染みの「アイ・ウィル・オールウェイズ・ラブ・ユー」も聴ける。

☆228位☆

Love Is The Ansewr/Van McCoy & The Soul City Symphony (1974)
ラブ・イズ・ジ・アンサー/バン・マッコイ&ザ・ソウル・シティ・シンフォニー
バン・マッコイのアブコでのリーダー・アルバム第一弾。当時のヒット曲のインスト・カバーが中心で、バン・マッコイのオリジナルは1曲のみだが、その1曲が「アフリカン・シンフォニー」であり、後に吹奏楽の定番レパートリーとなった名曲。全体的にちょっとダンサブルなイージー・リスニングといった趣だが、タイトル曲はなかなかの佳曲である。

☆227位☆

Sweet Fanny Adams/Sweet (1974)
スイート・ファニー・アダムス/スイート
チン=チャップマンのプロデュースでヒットを放っていたスイートだが、おそらくオリジナル・アルバムは本作が最初。大半がメンバーのオリジナルで、スイート自体が実力をつけてきたのが分かる。「Set Me Free」「Heartbreak Today」「Sweet FA」などのオリジナルの出来が良い。彼ら独特のスタイルも確立されており、スイートは飛躍の時を迎えていた。

☆226位☆

Music From Macbeth/Thrid Ear Band (1972)
マクベス/サード・イアー・バンド
サード・イアー・バンドの3作目にして、ロマン・ポランスキー監督の『マクベス』のサントラ盤でもある。バイオリンやオーボエを含む、およそロック・バンドとは思えない編成で、ロックというより中世の音楽を再現しているバンドだが、そういう意味ではこの映画の音楽担当にはうってつけ。見ていないが、場面が目に浮かぶようだ。

☆225位☆

Ululu/Jesse Ed Davis (1972)
ウルル/ジェシ・エド・デイビス
ジョージ・ハリスンのアルバムでも名前を見かけるジェシ・エド・デイビスのソロ2作目。アメリカ南部どっぷりの音で、ソングライターとしても有能なジェシのボーカルとギターを堪能出来る、正にアメリカン・ロックの隠れた名盤。感動的なタイトル曲、不気味な雰囲気の「Red Dirt Boogie Brother」、ジョージ・ハリスン作の「Sue Me Sue You Blues」あたりが推しトラック。

☆224位☆

Rubber Soul/The Beatles (1965)
ラバー・ソウル/ビートルズ
前作あたりから表現領域を拡げてきたビートルズが、ビート・バンドとしてのフォーマットで作った最後のアルバム。「ミッシェル」「イン・マイ・ライフ」など、今までになかった作風の曲を、バンド形態で演奏している。他の収録曲も、ビートよりはメロディやハーモニーを強調したものが目立ち、今までにない雰囲気を醸し出している。地味だが名盤。

☆223位☆

Greatest Stars On 45 Vol.1/Stars On 45 (1996)
ショッキング・ビートルズ~スターズ・オン45 Vol.1/スターズ・オン45
1981年、突如ヒットチャートを席巻したビートルズ・メドレーは、各方面に影響を及ぼし、数々の亜流が登場して(中には本家によるものもあったが)チャートを賑わせた。メドレーの本家スターズ・オン45はオランダ発で、メドレーに使用したテイクは短くても録音はフルサイズだった、という話もあり、ユニークなアイデアと綿密な構成はさすがプロの仕事。

☆222位☆

Greatest Hits/The Human League (1995)
ニュー・グレイテスト・ヒッツ/ヒューマン・リーグ
80年代のエレクトロ・ポップの代表格だが、そのサウンドは意外と現在の耳で聴いても、古さを感じさせない。当時から楽曲重視で、最先端に走ったりしなかったせいか。確かに「愛の残り火」「ミラーマン」「ヒューマン」といったヒット曲は、メロディが耳に残る名曲たちであり、だからこそ今でもエバー・グリーンとして生き続けているのである。

☆221位☆

Stage/David Bowie (1978)
ステージ/デビッド・ボウイ
1978年のツアーの音源で編集されたライブ盤。本作が日本発売された直後、ボウイの来日公演が実現し、レコードで体験した世界を日本のファンは生でも体験出来たのだった。レコードと実際のライブでは若干内容が違うらしいが、ライブ盤と来日公演のテレビ放映で感じた、圧倒的な音圧、演奏の迫力、派手な照明等は今でも記憶に新しい。

次回は、220位→201位です^^

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 260-241

2023年07月02日 09時12分07秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
260位→241位

☆260位☆

Give Out But Don't Give Up/Primal Scream (1994)
ギブ・アウト・バット・ドント・ギブ・アップ/ブライマル・スクリーム
アルバム毎に方向性を変える事で有名なバンドだが、本作ではあのトム・ダウドをプロデューサーに迎え、アメリカ南部的サウンドを作り上げてしまった。これが案外良い出来で、特に冒頭の2曲はサザン・ロックのバンドと比較しても、ひけは取らないのでは、と思ってしまう。このバンドの本質はどこにあるのか、という事を気にしなければ、アメリカン・ロックとして十分楽しめる。

☆259位☆

Common Thread : The Song Of The Eagles/Various Artists (1993)
コモン・スレッド~ソングス・オブ・イーグルス
ドン・ヘンリーが提唱した森林保護プロジェクトのベネフィット・アルバムで、当時のカントリー界のスターが集結したイーグルスのトリビュート・アルバム。話題性も内容も売上も、90年代に多く出たトリビュート・アルバムの中では一番ではなかろうか。「テイク・イット・イージー」はもちろん「いつわりの瞳」等カントリー風味の曲が多く収録されているのも良い。

☆258位☆

Wandering Spirit/Mick Jagger (1993)
ワンダーリング・スピリット/ミック・ジャガー
ミック・ジャガーのソロ3作目は、リック・ルービンをプロデューサーに迎え、ストレトーなロック路線を打ち出してきた。まだまだミック・ジャガーはこのスタイルで通用する、という事を世間に知らしめる結果になったのでは。全編にみなぎる躍動感が素晴らしい。バンドの音もタイトだし、自身によるオリジナル曲も粒より。「Use Me」「Think」といったカバーもカッコいい。

☆257位☆

Duets/Elton John (1993)
デュエット・ソングス/エルトン・ジョン
1曲を除いてエルトンとゲストによるデュエット・アルバム。当時の若手からベテランまで、豪華なメンバーと共演している。何でも、企画から出演交渉、選曲、レコーディングまで2ヶ月ほどで済ませてしまったらしい。バラエティに富んだ顔ぶれによる、実に楽しいアルバムになっている。特に。エルトン憧れのリトル・リチャードとの「パワー」が聴き物。

☆256位☆

Erotica/Madonna (1992)
エロティカ/マドンナ
タイトルから連想されるようなセクシー路線ではない。しかし、これまでのマドンナとは違うイメージ。ボトムを効かせたバック・トラックが新境地を物語っている。タイトル曲はじめ4曲がシングル・カットされたが、なかでも「Deeper And Deeper」は名曲。ダンス系からの脱皮は成功し、ポップ・クイーンとしてのマドンナの代表作となった。

☆255位☆

Carry On/Crosby, Stills & Nash (1991)
キャリー・オン/クロスビー、スティルス&ナッシュ
CSNの4枚組ボックス・セットを2枚に集約したもの。デビューから1991年に至るまでのグループ及びソロの音源も収録。1977年及び1982年の音源が個人的はに嬉しい。まとめて聴いていると、スティーブン・スティルスの凄さがよく分かり、やはり中心はこの人だったのだな、と実感する。スティルスのソロ「愛への讃歌」は名曲。

☆254位☆

Backlash/Bad English (1991)
バックラッシュ/バッド・イングリッシュ
バッド・イングリッシュの2ndは、ギターを全面に出してハード・ロック色を強めているが、ニール・ショーンはそれでも不満だったらしく、結局本作はバンドのラスト作となった。ハードな中にもメロディアスな曲も多く、ジョン・ウェイトのボーカルも素晴らしい。というか、ジョン・ウェイトのバンドとして、メンバーを変えながらも続けた方が良かったのでは、とつい思ってしまう。

☆253位☆

Wilson Phillipps/Wilson Phillipps (1990)
ウィルソン・フィリップス/ウィルソン・フィリップス
当時は、ブライアン・ウィルソンとジョン・フィリップスそれぞれの娘たちがグループ結成してデビュー、と聞いて時代を感じたものだ。このデビュー作でも親譲りというか、爽やかなハーモニーが心地良く、収録曲も出来が良いので、単なる親の七光りでないことはすぐ分かる。全米No.1となった「ホールド・オン」は名曲だが、他の曲も素晴らしい。

☆252位☆

Mind Bomb/The The (1989)
マインド・ボム/ザ・ザ
ザ・ザの事は何も知らないが、実に緊迫感に溢れたアルバム。ロックではあるが、肉体より精神に訴えかけてくるものがある。特に冒頭4曲(「Good Morning Beautiful」「Armageddon Days Are Here」「The Violence Of Truth」「Kingdom Of Rain」)は完璧。ジョニー・マーらが参加したバンドの演奏も静かではあるがテンション高い。

☆251位☆

The Other Side Of The Mirror/Stevie Nicks (1989)
アザー・サイド・オブ・ザ・ミラー/スティービー・ニックス
スティービーのソロ4作目。ワンパターンと言えばそれまでだが、安定の内容である。80年代的なサウンド・メイクではあるが、曲の雰囲気はアーシーな感じで、スティービー=ロック・クイーンのイメージを貫いているのが、成功の要因と思う。実際、本作は曲のクォリティも高く、スティービーのソロ作の中でも、3本指に入ると言っても過言ではない。

☆250位☆

Rick Springfield Greatest Hits/Rick Springfield (1989)
グレイテスト・ヒッツ/リック・スプリングフィールド
シンガー・ソングライターとしてデビューしたがヒットが出ず、ルックスを買われてテレビ・ドラマに出演したら評判となり、その勢いに乗って出した曲が大ヒット、と福山雅治みたいな経歴のリック・スプリングフィールドであるが、本ベスト盤でも分かるように、曲作りの才能は十分、どの曲もキャッチーでフックが効いていて素晴らしい。

☆249位☆

Gatecrashing/Living In A Box (1989)
ゲイトクラッシング/リビング・イン・ア・ボックス
いわゆる80年代UKソウルのグループで、本作もオシャレでゴージャスに仕上がっているが、決して軟派な雰囲気ではなく、芯の通ったものを感じさせるサウンドと言っていい。収録曲の出来も良いし。どういう繋がりか知らないが、ブライアン・メイが「Blow The House Down」に参加しており、このソロがなかなか名演である。

☆248位☆

Eat Me In St. Louis/It Bites (1989)
イート・ミー・イン・セントルイス/イット・バイツ
イット・バイツの3作目にしてラスト作。曲自体の出来も良く、分かりやすくもプログレ風味たっぷり、ユーモア精神も旺盛で、素晴らしいアルバムと思う。「Murder Of The Planet Earth」「Sister Sarah」も良いが、何と言っても「Still Too Young To Remember」であろう。この曲は名曲である。この曲の存在が本アルバムの価値を高めているのは否定出来ない。

☆247位☆

What You Don't Know/Expose (1989)
恋のダンス・パラダイス/エクスポゼ
3人組ガール・グループ、エクスポゼの2nd。1stのチャカポコ感は薄れたが、曲もアンサンブルも良く、彼女たちの歌いっぷりも素晴らしい。実に聴きやすい好盤である。ルイス・A・マルティニーだけでなく、他のソング・ライターの曲も取り上げているのが功を奏したと思う。「Stop, Listen, Look & Think」「Still Hung Up On You」あたりが聴き物。

☆246位☆

Provision/Scritti Politti (1988)
ブロビジョン/スクリッティ・ポリッティ
このグループは、何故か『キューピッド&サイケ85』の評価は高いが本作は無視されている。曲の出来やサウンドもこちらの方が上と思うのだが。路線としては特に変わらぬデジタルな打ち込みファンク、それにグリーン・ガートサイドの頼りなげな歌が乗ると、独特の世界になる。「Boom! There She Was」「Philosophy Now」あたりが聴き物。

☆245位☆

Reach For The Sky/Ratt (1988)
リーチ・フォー・ザ・スカイ/ラット
メジャー4作目、前作の不評をものともせず、ラットはまた傑作をものにした。新人バンドのようにフレッシュでありながら風格さえ感じさせる出来映えである。曲のクォリティも高く、ラット独特の世界を築いており、そのスタイルは唯一無比。「Way Cool Jr.」でホーンを導入するなど、新機軸も見せているが、そのスタンスはぶれる事はない。ラットンロール!

☆244位☆

Negotiations And Love Songs 1971-1986/Paul Simon (1988)
ネゴシエイションとラブ・ソング1971-1986/ポール・サイモン
ソロ・デビューから『グレイスランド』までの曲が年代順に並ぶベスト盤。スカやアフリカン・ビートを取り込んだり、ニューヨークの一流セッションマンをバックに歌ったり、さりげなく社会的テーマを挿入したり、実はポール・サイモンは変革を続けるロッカーなのであった。「僕とフリオと校庭で」「追憶の夜」など名曲も多い。『ハーツ・アンド・ホーンズ』から3曲は意外な驚き。

☆243位☆

Wow!/Bananarama (1987)
WOW!/バナナラマ
ガール・グループには違いないが、その立ち位置が曖昧だったバナナラマ。本作では当時売れっ子だったブロデューサーチーム、ストック・エイトキン・ウォーターマンと組んで、自分たちの個性も反映させたキャッチーなダンス・ポップを聴かせる。アイドルみたいに見せていたが、実は案外したたかだった。「I Heard A Rumor」は80年代を代表する名曲。

☆242位☆

Three Hearts In The Happy Ending Machine/Daryl Hall (1986)
ドリームタイム/ダリル・ホール
ダリル・ホールにとっては2枚目にあたるソロ・アルバム。デュオとは違い、パーソナルな雰囲気の曲が並ぶ好盤である。「ドリームタイム」がヒットして新たな代表曲となったが、他の曲も良い出来で躍動感溢れるニューウェイブ的サウンドも素晴らしい。あくまでも、ソロとしてのダリル・ホールの姿であり、決してデュオとイコールの世界ではない。

☆241位☆

Volume One/The Honeydrippers (1984)
ボリューム・ワン/ハニードリッパーズ
ロバート・プラントが、ジミー・ペイジ、ジェフ・ベック、ナイル・ロジャースらをバックに、ロックンロールのスタンダードを歌ったアルバム。元々エルビスのファンだったという事もあり、実にハマっている。フィル・フィリップスのカバー「シー・オブ・ラブ」がヒットしたが、このアルハムで初めてじっくり聴いたような気がする。新たなファンを開拓し往年の名曲に再び光を当てた、実に有意義なアルバム。

次回は、240位→221位です^^;

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MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 280-261

2023年06月17日 17時41分15秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
280位→261位

☆280位☆

Danger Money/UK (1979)
デンジャー・マネー/UK
トリオになったUKの2nd。プログレ・キーボード・トリオと言えばELPだが、UKは同じトリオでもELPよりキャッチーで洗練され華麗ですらある。それは「ナッシング・トゥー・ルーズ」や「ジ・オンリー・シング・シー・ニーズ」あたりに顕著だ。テクニシャンで様々なスタイルに適応出来るテリー・ボジオの存在は大きい。そして「ランデブー6:02」は超名曲である。

☆279位☆

Rod Stewart Greatest Hits/Rod Stewart (1979)
ロッド・スチュワート・グレイテスト・ヒッツ/ロッド・スチュワート
フェイセズ解散後、ロッドはヒット連発で押しも押されもせぬスーパースターとなった。その時代のヒット曲を集めたアルバムである。悪かろうはずがない。マーキュリー時代の名曲「マギー・メイ」から誰でも知ってる大ヒット「アイム・セクシー」に至るまで、全く文句なしの選曲だが、「キリング・オブ・ジョージー」や「もう話したくない」が収録されているのも嬉しい。

☆278位☆

Venus And Mars/Paul McCartney & Wings (1975)
ビーナス・アンド・マース/ポール・マッカートニー&ウィングス
この頃ポールは絶好調だった。新生ウィングスを率いての初アルバムで、とにかく冒頭の「ビーナス・アンド・マース~ロックショー」からして圧巻。「磁石屋とチタン男」「幸せのアンサー」「ワインカラーの少女」やジミー・マカロック作の「メディスン・ジャー」など佳曲が続き、そしてポール入魂の名曲「あの娘におせっかい」に至る終盤まで、とにかく飽きさせない。

☆277位☆

Queen/Queen (1973)
戦慄の王女/クイーン
クイーンの記念すべきデビュー・アルバムは、グラムの香り漂うドラマティックなハード・ロック・アルバムである。ツェッペリン等の影響はあるだろうが、独特のギター・サウンドをはじめとして、既にその個性が確立されているのが凄い。やはり並の新人ではなかった。この頃のフレディは、中性的な感じの、やや線の細い声だが、本作でしか聴けない声でもある。

☆276位☆

Mark, Don & Mel 1969-71/Grand Funk Railroad (1972)
グランド・ファンク・ゴールデン・ディスク/グランド・ファンク・レイルロード
個人的には、グランド・ファンクへの扉は「孤独の叫び」のシングル盤と本作によって開かれた。タイトル通り3人組時代のベスト盤で、代表曲はほとんど収録され、入門編としては最適。「フットストンピン・ミュージック」「孤独の叫び」「ハートブレイカー」等々、今でも胸を熱くするキャッチーな名曲たち。グランド・ファンクは永遠である。

☆275位☆

The Best Of Linsey Buckingham/Linsey Buckingham (2018)
(日本未発売)
フリートウッド・マックの最重要人物であるリンジィ・バッキンガムのソロ作品のベスト盤。悪かろうはずがない。どの曲もキャッチーで聴かせ所も十分、とにかく退屈したり飽きたりする事はない。さすが才人である。ただ、この人イコールマックでもあり、どの曲もマックみたいに聞こえてしまうのがやや残念。ドラムもマックと同じミック・フリートウッドだったりするし。

☆274位☆

Cheek To Cheek/Tony Bennett & Lady GaGa (2014)
チーク・トゥー・チーク/トニー・ベネット&レディ・ガガ
この顔合わせからは一瞬想像出来なかったが、本格的にスイングしている。ひ孫みたいなレディ・ガガと渡り合うトニー・ベネットも凄いが、ガガも凄い。火花を散らしつつも和気藹々としたムードで、スタンダードを現代に蘇生させている。普通にジャズ・ボーカルのアルバムとして高い水準の作品だ。とにかく素晴らしい。スイングしなけりゃ意味ないよ。

☆273位☆

Hits/Boz Scaggs (2006)
ヒッツ/ボズ・スキャッグス
1980年のベスト盤の新装版。2曲減らして7曲増やし、トータル15曲収録。個人的には、「ロウダウン」「ジョジョ」「ミス・サン」がボズの3大名曲と思ってるので、この3曲が収録されていれば文句なし。他の有名曲やシングル曲も網羅しているので、入門者向けとしても最適。世間ではボズ=オシャレなAORだが、意外といなたい所も楽しんで欲しい。

☆272位☆

The Battle For Everything/Five For Fghting (2004)
バトル・フォー・エブリシング/ファイブ・フォー・ファイティング
ジョン・オンドラジクのソロ・プロジェクトであるファイブ・フォー・ファイティングの3枚目のアルバム。全体的にシンガー・ソングライター的な作風ではあるものの、内省的には感じられず聴きやすい。ピアノを基調としたサウンドにドラマティックなストリングスが重なる所はエルトン・ジョンを彷彿とさせる。静かな怒りを歌っているらしいが、一般にもアピールするものはあると思う。

☆271位☆

Be Not Nobody/Vanessa Carlton (2002)
ビー・ノット・ノーバディ/バネッサ・カールトン
名曲「サウザンド・マイルス」を引っさげて颯爽と登場したバネッサ・カールトンは、一躍注目の存在となった。このデビュー・アルバムも、ピアノのテクニックや自作曲の良さはもちろんのこと、既に自身の方向性をしっかりと認識しているかのような佇まいが頼もしい。艶っぽい声にリリカルなピアノという、彼女の持ち味を十二分に堪能出来る一枚。

☆270位☆

The Very Best Of Jethro Tull/Jethro Tull (2001)
ベリー・ベスト・オブ・ジェスロ・タル/ジェスロ・タル
21世紀に入って新たに編集されたベスト盤。入門編としてもファンのコレクションとしても最適。ブルース、プログレ、トラッド、ハードロック等を自在に取り込むリーダーのイアン・アンダーソンに注目が集まるが、様々なスタイルに適応するギターのマーティン・バレも凄い。この人がいなければ、タルもこれだけの作品を生み出せなかったのでは。

☆269位☆

Bridge/Blues Traveler (2001)
(日本未発売)
元々、アメリカン・ロックのバンドとはいえ、メンバーの技術レベルの高さには定評があり、その高度なテクニックを生かしたインストパート重視の曲作りは相変わらずで、スリリングな演奏に引き込まれる。キーボードが加わったことで、よりインストが充実してきたような気がする。彼らも新しい局面を迎えたという事なのだろうか。とにかく、カッコいいの一言。

☆268位☆

This Is Where I Came In/Bee Gees (2001)
ディス・イズ・ホエア・アイ・ケイム・イン/ビージーズ
ビージーズの21世紀初アルバムは、新たな方向性を提示した重要作であるが、結果的にラスト・アルバムとなった。珠玉のメロディは相変わらずだが、AOR的作風からの脱皮を図っており、その成果は特にタイトル曲や「シー・キープス・オン・カミング」あたりで発揮されている。派手でもオシャレでもないが、重厚なかつシンプルな音作りも素晴らしい。

☆267位☆

Vavoom!/The Brian Setzer Oechestra (2000)
ヴァヴーム!/ブライアン・セッツァー・オーケストラ
ブライアン・セッツァーが大所帯バンドで追求するのは、ロカビリー、スイング・ジャズなど古き良きアメリカ音楽。いわゆるアメリカーナというジャンルか。グレン・ミラーなどでお馴染みのスイングの名曲カバーに、アメリカンな雰囲気たっぷりの自作曲を交え、ノスタルジックながらもダンサブルな楽しいアルバムに仕上げている。

☆266位☆

Chocolate Starfish And The Hot Dog Flavored Water/Limp Bizlit (2000)
チョコレート・スターフィッシュ・アンド・ザ・ホット・ドッグ・フレイバード・ウォーター/リンプ・ビズキット
初めて聴いた時の衝撃は相当なものだった。パンクでヘビメタでヒップホップでラウドな世界。これらの要素が無理なく混在し、明らかに新しいスタイルを提示している。当時話題だった『ミッション・インポシブル2』のテーマ曲を筆頭に、収録曲はひたすらカタルシス。これぞ、ティーン・エイジャー御用達であり、またロックはかくあるべき、とも思う。

☆265位☆

You Got It Coming/Jeff Beck (2000)
ユー・ガット・イット・カミング/ジェフ・ベック
ベックの復活第二弾。インスト中心のデジタル・ロック的作風に大きな変化はないが、ギターもバックの音もより研ぎ澄まされた印象。余計なものは排除され、ひたすらベックのギターが唸りを上げる。実に素晴らしい。シンプルなプレイなのに、ここまで聴く者を圧倒させられるのは、ジェフ・ベックだからこそ。やっぱりベックは凄い。

☆264位☆

The Last Days Of Disco -Original Soundtrack- (1998)
ラスト・デイズ・オブ・ディスコ/オリジナル・サウンドトラック盤
映画は日本未公開。ディスコが舞台なのかどうか分からないが、サントラ盤は往年のディスコ・ヒット満載で、オールド・ファンにはたまらない内容。目玉は1979年のアリシア・ブリッジス「I Love The Night Life」のオリジナルと、このサントラの為のカバーの両方が収録されていること。ほぼ20年振りにクローズ・アップされたのは喜ばしい。

☆263位☆

Slang/Def Leppard (1996)
スラング/デフ・レパード
ビビアン・キャンベル加入後の初アルバムは、それまでのキャッチーなハード・ロックからオルタナの影響が濃いソリッドなロックに路線変更し、賛否両論が渦巻く作品となったが、久々にブリテイッシュ・ロックらしい雰囲気で、クォリティは高い。ツェッペリン、シン・リジィといった偉大なる先駆者たちへのリスペクトが感じられるのもいいと思う。

☆262位☆

The Very Best Of Cream/Cream (1995)
ベリー・ベスト・オブ・クリーム/クリーム
長尺のブルース・ナンバーやソロの応酬ばかりがクリームではない、という事がよく分かるベスト盤。デビュー曲の「包装紙」「スイート・ワイン」「エニワン・フォー・テニス」といった風変わりなポップ・ナンバーが意外だが楽しめる。もちろん、「サンシャイン・ラブ」「ホワイト・ルーム」等の定番ヒットも漏れはない。「ストレンジ・ブリュー」「スーラバー」あたりも外せない。

☆261位☆

Talk/Yes (1994)
トーク/イエス
トレバー・ラビン体制のイエスとしてはラスト作。タイトでスリリングな演奏にジョン・アンダーソンのボーカル、というスタイルは変わらず、プログレ風組曲も収録され、80年代からの路線の集大成みたいな雰囲気。イエスの名前を使うのが勿体ないくらいの独特の世界を作り上げている。バンドのロゴも新しくなり、イエスは違う地平に進むかと思われた。

次回は、260位→241位です^^

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