日々の覚書

MFCオーナーのブログ

MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 300-281

2023年06月05日 22時24分19秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
300位→281位

☆300位☆

Eat A Peach/The Allman Brothers Band (1972)
イート・ア・ピーチ/オールマン・ブラザーズ・バンド
レコーディング中にデュアン・オールマンが亡くなり、この2枚組アルバムはデュアン在籍時の録音とデュアン抜きの録音とで構成されているが、どちらも遜色はなく素晴らしい出来映えだ。デュアン抜きの曲では「時はもう無駄に出来ない」などでの、グレッグの作曲センスが冴えている。デュアン存命時の曲では「ワン・ウェイ・アウト」「トラブル・ノー・モア」のブルース・カバーが白眉。

☆299位☆

Friends/Elton John -Original Soundtrack- (1971)
フレンズ(オリジナル・サウンドトラック盤)/エルトン・ジョン
新進気鋭のロッカーがティーンエイジャーを題材にした青春映画のサントラを手がけるのは、当時のトレンドであっただろう。エルトン-バーニーの詩情溢れる曲たちは、見事なまでに映画にフィットしており、見ていなくても楽しめる。タイトル曲はエルトンのキャリアからすると地味だが、彼の代表的な名曲たちと比較しても遜色ない名曲である。

☆298位☆

Fire And Water/Free (1970)
ファイア・アンド・ウォーター/フリー
ヒット曲「オールライト・ナウ」を含むフリーの出世作であり代表作。「オールライト・ナウ」ばかりが目立つが、タイトル曲はじめ収録曲は佳曲揃い。ロジャース-フレイザーのソングライターコンビは絶好調だったようだ。20才そこそことは思えない、深みのあるブルース解釈も素晴らしい。特にポール・コゾフのギター・プレイは凄みだけでなく狂気すら感じさせる。

☆297位☆

Eli And The Thirteenth Confession/Layra Nyro (1969)
イーライと13番目の懺悔/ローラ・ニーロ
1stほどではないが、ポップな曲を披露する反面、情念を吐き出すようなエキセントリックな曲も多く、ローラが最も才気走っていた時期のアルバムと言えるのでは。一度聴いたら、聴く者を虜にせずにはおかない世界だが、一般受けは確かに難しいだろう。スリー・ドッグ・ナイトの「イーライがやってくる」のカバーが全米トップ10入りしたのが不思議なくらい。

☆296位☆

Hittin' The Note/The Allman Brothers Band (2003)
ヒッティン・ザ・ノート/オールマン・ブラザーズ・バンド
90年代初頭に復活したオールマンズが、ウォーレン・ヘインズとデレク・トラックスのギタリスト2人を擁して発表した21世紀のオールマンズの姿がここにある。どの曲も豪快で迫力満点、かつてと比べると、まるで重戦車のようだ。しかし、ブルース・フィーリングは忘れず、ジャムの精神も引き継がれている。相変わらず曲も良い。オールマンズは決して過去のバンドではなかった。

☆295位☆

The Very Best Of The 5th Dimension/The 5th Dimension (1999)
ベリー・ベスト・オブ・フィフス・ディメンション/フィフス・ディメンション
60年代から70年代にかけてヒット・チャートの常連、2曲の全米No.1ヒットを持つヒットメーカーだが、現在では忘れられてるかも。メンバー全員黒人とは思えない、サイケでポップでオシャレなサウンドが特徴のコーラス・グループ。ローラ・ニーロの曲を多く取り上げヒットさせたが、確かに本人のバージョンよりも洗練されたポップスに仕上げている。素晴らしい。

☆294位☆

Venus Isle/Eric Johnson (1996)
ヴィーナス・アイル/エリック・ジョンソン
エリック・ジョンソンの、ギタリストとして以上にソングライター、プロデューサーとしての才能が発揮されたアルバム。ドラマティックで華麗にアレンジされたアンサンブルが楽しめる。小粋なインスト「マンハッタン」も本作で聴ける。コンセプト・アルバムのような作りだが、収録曲それぞれも出来が良いので、曲単位で聴いてみるのも良い。

☆293位☆

Night And Day/Joe Jackson (1982)
ナイト・アンド・デイ/ジョー・ジャクソン
ジョー・ジャクソンのピアノ以外は、ベース、ドラム、パーカッションという編成で録音されたアルバム。跳ねるようなピアノにパーカッションが絡むサウンドは、ラテン風でもファカラティーナ風でもあり、人種のるつぼと言えるニューヨークを表現しているかのよう。「ステッピン・アウト」がヒットしたが、それ以外の曲もグレードが高く、聞き飽きないアルバムである。

☆292位☆

Exit Stage Left/Rush (1981)
ラッシュ・ライブ~神話大全/ラッシュ
ラッシュがプログレ・ハード・ロック・トリオであった時期の集大成ライブ盤。お馴染みの曲が並ぶセットリストは圧巻。とにかく超絶技巧を駆使した演奏は凄いの一言。加えて、ドラマティックであり一緒に口ずさんでしまう大衆性も素晴らしい。隙なく構築された完全無欠のライブ盤の名作である。邦題もそんなラッシュのイメージを実に上手く表現した名邦題と言える。

☆291位☆

Best Of England Dan & John Ford Coley/England Dan & John Ford Coley (1979)
ベスト・オブ・イングランド・ダン&ジョン・フォード・コリー/イングランド・ダン&ジョン・フォード・コリー
1976年のヒット「秋風の恋」は70年代を代表する名曲である。ただ、彼らはこの曲以外にも名曲を世に送り出している事を忘れてはならない。カントリーやフォークのテイストを感じさせるサウンドをバックに、「眠れぬ夜」「愛こそ証」といった曲もヒットさせている。「雨のうた」「涙の面影」といった曲で聴けるプログレ的展開も面白い。

☆290位☆

Led Zeppelin Ⅳ/Led Zeppelin (1971)
レッド・ツェッペリンⅣ/レッド・ツェッペリン
厳密には、このアルバムにタイトルはないが、一番有名なアルバムである。名曲揃い。「ブラック・ドッグ」「ロックンロール」「天国への階段」が並ぶA面も良いが、「ミスティ・マウンテン・ホップ」で始まり「レビー・ブレーク」で終わるB面を、ここでは敢えて推したい。この時点での彼らの新生面が聴けるのは、実はB面なのである。

☆289位☆

I Knew You When/Bob Seger (2017)
(日本未発売)
"This album is dedicated to the memory of Glenn Frey"とのクレジットが涙を誘う。ボブ・シガーにとって現時点での最新作。基本路線に変更はないが、曲の出来が良いせいか、歌も演奏も実に素晴らしく、ワンパターンでもいいから俺はこれで行く、みたいなブレというか迷いのない姿勢が感じられて感動的な一枚。

☆288位☆

Four/Blues Traveler (1994)
フォー/ブルース・トラベラー
"ハーモニカのバン・ヘイレン"の異名をとるジョン・ポッパーを中心とするアメリカン・バンド。カントリー風なのどかな曲も得意だが、ファンキーなサウンドも持ち味としている。ヒットした「ラン・アラウンド」や「フック」など実にオーソドックスなアメリカン・ロックだが、メンバーは皆テクニシャンで、インスト曲もカッコいい。バンド名の由来はブルース・ブラザーズらしい。

☆287位☆

River Of Dreams/Billy Joel (1993)
リバー・オブ・ドリームス/ビリー・ジョエル
本作以降、ビリー・ジョエルはオリジナル・アルバムを発表していないので最新作ということになるが、過去のイメージを変える事なく、ロック寄りの音楽性を打ち出した傑作である。「The Great Walls Of China」「Blonde Over Blue」「Famous Last Words」といった曲に、ロッカーとしてのビリーが姿が見える。曲も粒よりで、決して過去の名盤にも負けてない。

☆286位☆

ABBA Gold/ABBA (1992)
アバ・ゴールド/アバ
1992年、イレイジャーのアバ・カバーのヒットにより、突如アバが再注目され、本ベスト盤がベスト・セラーとなった。70年代に数多くの名曲を送り出し、やや人工的な香りのするボーカルやサウンドも独創的で、後のユーロ・ビートなどにも大きな影響を与えたのではなかろうか。正に時空を超えたエバー・グリーン、個人的には「ママ・ミア」「恋のウォータールー」がイチ推し。

☆285位☆

Giving You The Best That I Got/Anita Baker (1988)
ギビング・ユー・ザ・ベスト・ザット・アイ・ガット/アニタ・ベイカー
ヒットした前作と基本路線は変わらず、ゴージャスで洗練されたサウンドと、シルクのようなボーカルに酔いしれるアダルト・コンテンポラリーな世界。アニタ・ベイカーの声と歌の魅力もさることながら、それを最大限に生かす曲とサウンドのマッチングが最高。タイトル曲をはじめ、「Priceless」「Just Because」等々実に素晴らしい。同じように聞こえる人も多いと思うが。

☆284位☆

Anthology Of Bread/Bread (1985)
アンソロジー・オブ・ブレッド/ブレッド
ロックとは違うと思うが、かといってAORやアダルト・コンテンポラリーでもない。ブレッドは唯一無比である。洗練されたコード進行に繊細なメロディ、ソフィスティケイトされたサウンドで一時代を築いた。「イフ」や「愛の別れ道」が有名だが、他にも「二人の架け橋」「スイート・サレンダー」等名曲多し。個人的にはリアル・タイムで聴いた「愛のかけら」が印象深い。

☆283位☆

Knights Of The New Thunder/TNT (1984)
ナイツ・オブ・ザ・ニュー・サンダー/TNT
ノルウェーから登場したTNTの2nd。メロディアスでドラマティックなハード・ロックである。冒頭のタイトル曲からして、シンプルなリフが実にカッコいい。ボーカルの実力も申し分なく、ギタリストも有能である事が窺えるが、ソロではブッ飛んだフレーズを繰り出してくる。テンション高いA面に対し、B面になると気が抜けた曲が並ぶのも、B級っぽくてご愛嬌。

☆282位☆

Through The Fire/Hagar, Schon, Aaronson, Shrieve (1984)
炎の饗宴/ヘイガー、ショーン、アーロンソン、シュリーブ
サミー・ヘイガーとニール・ショーンを中心にしたプロジェクト。オーソドックスてギミックのない痛快なロック・アルバムで、ニール・ショーンも弾きまくっている。「青い影」の名カバー以外のオリジナルもグレード高い。前評判の割には売れなかったそうで、もし成功していたら、その後のバン・ヘイレンやジャーニーはどうなっていたのだろう?

☆281位☆

Pyromania/Def Leppard (1983)
炎のターゲット/デフ・レパード
正に出世作であるが、この時点では、キャッチーな作りではあるものの、ブリティッシュ・ロックらしい重厚さや陰影のようなものは残っていて、アメリカナイズされる一歩手前で踏みとどまっている感じ。それが本作を名盤たらしめている要因であろう。元々ハードロックとはいえグラム寄りの音楽性のバンドであり、それは「ロック!ロック!」や「フォトグラフ」といった曲に顕著である。

次回は、280位→261位です^^

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 320-301

2023年05月27日 10時22分39秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500選
320位→301位

☆320位☆

Sail Away/Randy Newman (1972)
セイル・アウェイ/ランディ・ニューマン
シンガー・ソングライターに分類される人だけど、有名な映画音楽家の家系という事もあるのか、音楽的バックボーンは幅広いように思う。単なるルーツ・ミュージックだけではなく、もっと幅広い何か。だからタイトル曲も「サイモン・スミスと踊る熊」も「ロンリー・アット・ザ・トップ」も、シンプルでありながら情景が見える気がしてしまうのだ。

☆319位☆

Life Goes On/Paul Williams (1972)
ライフ・ゴーズ・オン/ポール・ウィリアムス
70年代半ば頃までは、この人の名前はよく見かけたものだ。本作は、「故郷への道を教えて」が収録されているので買った。クリント・イーストウッド主演の『サンダー・ボルト』の主題歌だ。素朴だけどウエスト・コーストの香りもする名曲である。アルバムも曲が充実しているので飽きる事なく聴ける。カーペンターズやスリー・ドッグ・ナイトでお馴染みの曲もあるので親しみやすい。

☆318位☆

Eagles/Eagles (1972)
イーグルス・ファースト/イーグルス
イーグルスはカントリー系のバンドとしてデビューしたが、その時点でカントリーの枠に収まるバンドではなかった。このデビュー・アルバムも、「テイク・イット・イージー」だけでなく、ダークな曲、もろにカントリーな曲、ハードなロックンロール等バラエティに富んだ内容だ。「早起き鳥」とか「今朝発つ列車」とか、後にやらなくなるタイプの曲に愛着を覚える。

☆317位☆

Look At Yourself/Uriah Heep (1971)
対自核/ユーライア・ヒープ
ブリティッシュ・ハード・ロックを代表する名盤と言える。オルガン主体なのはパープルに近いが、ある意味パープル以上にオルガンの比重は高い。タイトル曲や「七月の朝」など、非常に分かりやすい曲が多く親しみやすいので、パープルに迫る人気だったのも当然。ボーカルのデビッド・バイロンも実力者だったし、こういうところに70年代ロックの奥深さを見る。

☆316位☆

Idlewild South/The Allman Brothers Band (1970)
アイドルワイルド・サウス/オールマン・ブラザース・バンド
ライブだけがオールマンズではない。曲作りやアレンジのセンス、多様な音楽性、といった面でも彼らは非凡な才能を発揮している。本作に於いても、名曲「エリザベス・リードの追憶」をはじめ「リバイバル」「プリーズ・コール・ホーム」「ミッドナイト・ライダー」といった曲で、その才能を見せつけている。オールマンズの本当の強さはここにある。

☆315位☆

Elton John/Elton John (1970)
エルトン・ジョン(僕の歌は君の歌)/エルトン・ジョン
稀代の名曲「僕の歌は君の歌(Your Song)」を含む2nd。文学青年的な雰囲気のシンガー・ソングライターというイメージで、アルバム作りをしたのが功を奏し、エルトンとバーニーは世間に知られるようになった。ピアノを貴重とした簡素なサウンドにストリングスを組み合わせたアレンジも、そのイメージ作りに貢献している。

☆314位☆

A Salty Dog/Procol Harum (1969)
ソルティ・ドッグ/プロコル・ハルム
プロコル・ハルムはヨーロッパ的イメージが強いが、本作はアルバムのテーマといい、曲調といい、アメリカに接近している気がする。ザ・バンドみたいな感じもあるが、それはそれで成功しているように思う。タイトル曲からして、今までと違うアプローチでドラマティックだ。オルガンは相変わらずでよろしい。ロビン・トロワーのブルージーな曲もいい。

☆313位☆

Stand Up/Jethro Tull (1969)
スタンド・アップ/ジェスロ・タル
この2ndの時点では、タルもまだブルース・ロック然としているが、それほど単純でもない。曲調もリズム・パターンも一筋縄ではいかないのがジェスロ・タル。ブルース・ロックのようでいて少し違うのだ。「ブーレ」のような人気曲もあるが、牧歌的な曲もあり、何が出てくるか分からない楽しさがある。一筋縄ではいかないが、カッコいいのは確か。

☆312位☆

Beggars Banquet/Rolling Stones (1968)
ベガーズ・バンケット/ローリング・ストーンズ
一曲目の「悪魔を憐れむ歌」がとにかく強烈だ。ストーンズを代表する名曲である。が、呪術的なリズム・パターンとコーラスのこの曲が終わると、アコースティック・ブルースが展開されるのが、やや意外。当時の彼らの年齢を考えると、かなり深みのある解釈ではなかろうか。素晴らしいことだ。ラストの「地の塩」は感動的な名曲。

☆311位☆

Magical Mystery Tour/The Beatles (1967)
マジカル・ミステリー・ツアー/ビートルズ
A面は映像作品に使われた曲、B面はシングル曲、というアメリカ盤に則った構成が良い。映像の曲は名曲揃いで、「フール・オン・ザ・ヒル」と「アイ・アム・ザ・ウォルラス」が同じ面で聴ける、というのがとにかく凄い。ビートルズには珍しいインスト「フライング」も良い。シングルだと、「ペニー・レイン」や「ハロー・グッドバイ」が嬉しい。「愛こそはすべて」は正直食傷気味。

☆310位☆

Ah Via Musicom/Eric Johnson (1990)
未来への扉/エリック・ジョンソン
ライブでの定番曲「Cliffs Of Dover」を含む本作で、エリック・ジョンソンの才能は余すところなく発揮されている。独特のトーンの音色も、この時点で既に確立されていた。ボーカル曲では「Desert Rose」の出来が良い。そのプレイ・スタイルと音楽性のルーツはどこにあるのか掴みづらいが、別に難解なことをやっている訳ではないので、もっと幅広く受け入れられてもいいと思う。

☆309位☆

Greatest Hits/Night Ranger (1989)
グレイテスト・ヒッツ/ナイト・レンジャー
超絶技巧のギタリスト2人を擁したナイト・レンジャーは、HR/HMにカテゴライズされているが、実質的にはメロディアスでキャッチーなシングル・ヒットが多い事もあり、産業ロック系のバンドと思っている。中でも「ロック・イン・アメリカ」は、カッコ良く分かりやすくギターの見せ場もあり、代表曲と言っていいだろう。「センチメンタル・ストリート」も良いけどね。

☆308位☆

Ready An' Willing/Whitesnake (1980)
フール・フォー・ユア・ラビング/ホワイトスネイク
本作からドラムがイアン・ペイスになり、ベスト・メンバーでレコーディングされた。「フール・フォー・ユア・ラビング」をはじめ「スイート・トーカー」「エイント・ゴナ・クライ・ノー・モア」などの名曲を含む。なんといっても、この頃のホワイトスネイクはブルースを基盤としたハード・ロック・バンドであり、その持ち味が遺憾なく発揮された名盤である。

☆307位☆

Mick Taylor/Mick Taylor (1979)
ミック・テイラー/ミック・テイラー
ミック・テイラーのソロ作は、アメリカ南部的な雰囲気に溢れた好盤である。1曲を除いてミック・テイラーの自作であり、ボーカルも本人。ギターはもちろん、作曲センスも歌も申し分なく、ストーンズ時代の曲作りやアレンジでの貢献度は、かなり高かったであろう事が窺える。ひっそりと聞こえる「タイム・ウェイツ・フォー・ノー・ワン」のフレーズが、そう主張しているような。

☆306位☆

Blow Your Face Out/The J. Geils Band (1976)
狼から一撃!/J・ガイルズ・バンド
やっぱりJ・ガイルド・バンドはライブである。スタジオ盤も悪くないが、ライブでの彼らの魅力を伝え切れていなかったように思う。本ライブ盤で、そんなJ・ガイルズ・バンドの素晴らしさを存分に味わって欲しい。収録曲はどれもスタジオ・バージョンより遙かにカッコいいし、演奏のテンションも高い。暑苦しいと言えば暑苦しいかもしれないが、それがJ・ガイルズ・バンドなのだ。

☆305位☆

Tales Of Mystery And Imagination/The Alan Parsons Project (1976)
怪奇と幻想の物語~エドガー・アラン・ポーの世界~/アラン・パーソンズ・プロジェクト
アラン・パーソンズ・プロジェクトは、本作だけの限定と思っていたら、そうではなかった。タイトル通り、エドガー・アラン・ポーの作品を音像化した、実にプログレッシブな発想の、いわゆるコンセプト・アルバムである。15分にも及ぶ「アッシャー家の崩壊」が圧巻だが、その他の曲も、ポーの作品の雰囲気を上手く表現している。「告げ口心臓」とか聴き物。

☆304位☆

Year Of The Cat/Al Stewart (1976)
イヤー・オブ・ザ・キャット/アル・スチュワート
ヒットを狙って制作されたという本作だが、目論みは当たり、タイトル曲は全米トップ10入りした。この曲はアル・スチュワートのみならず70年代を代表する名曲でもあるが、他の曲も同様にややミステリアスな雰囲気を漂わせた佳曲揃いで、一見穏やかそうなアル・スチュワートの持ち味が十二分に堪能出来る名盤と言っていい。

☆303位☆

Horizon/Carpenters (1975)
緑の地平線~ホライゾン/カーペンターズ
「オンリー・イエスタディ」は名曲であり、この曲の為に本作を買う価値は十分にある。「プリーズ・ミスター・ポストマン」を全米No.1に送り込み、絶頂期のアルバムだが、内容とは裏腹に、ジャケットのカレンの沈んだ表情が気になる。イーグルス「デスペラード」の秀逸なカバー、バンドのギタリストとの共作「ハッピー」等々「オンリー・イエスタディ」以外にも聴き物は多い。

☆302位☆

Red/King Crimson (1974)
レッド/キング・クリムゾン
インプロビゼーションを重視していた時期の作品の割には、タイトル曲は細部まで緻密に構築されている。名曲名演には違いないが、この曲をはじめ「堕落天使」「再び赤い悪夢」と続くA面が、とにかく凄い。B面はどうでもよくなってしまうくらい。クリムゾン風メタリックな解釈と構築美は、後進に大きな影響を与えたのではなかろうか。

☆301位☆

Aerosmith/Aerosmith (1973)
野獣生誕/エアロスミス
デビュー・アルバムでのエアロスミスは、ブルースをベースにした新感覚のハード・ロックという方向性ははっきりしているものの、まだまだ発展途上。とはいえ、「ママ・キン」では既にエアロ独自のスタイルが出来上がっているし、コピーのように聞こえる「ワン・ウェイ・ストリート」もオリジナリティ十分。まんまカバーの「ウォーキン・ザ・ドッグ」はオリジナルみたいな雰囲気。

次回は、300位→281位です^^

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 340-321

2023年05月20日 11時13分44秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私選歴代最高のアルバム500
340位-321位

☆340位☆

Exposure/Expose (1987)
エクスポージャー/エクスポゼ
1985年デビューの3人組ガール・グループは、シングルで実績を作ってから、この1stを出した。3人ともリード・ボーカルが取れる実力派。打ち込みメインで賑やかなパーカッションが特徴のメロディックなダンス・ナンバーが楽しめる。どの曲にもアナクロなギター・ソロがフューチャーされているのも良い。実力派だけに、バラードもかなり聴かせます。

☆339位☆

Alphabet City/ABC (1987)
アルファベット・シティ/ABC
オシャレなムード全開のABCの4作目。本作からは「ホエン・スモーキー・シングス」がヒット。他の曲も、ピアノとストリングスと女声コーラスを巧みにあしらったオシャレでゴージャスなアレンジで聴かせる。「ザ・ナイト・ユー・マーダード・ラブ」「失意の君」あたりが特に素晴らしい出来映え。ニュー・ロマンティック系の中では勝ち組と思うのだが。

☆338位☆

Graceland/Paul Simon (1986)
グレイスランド/ポール・サイモン
昔から民族音楽志向みたいなのはあったが、ここまでやってしまうとは。曲が先に出来ていたのかバック・トラックありきなのか、は不明だが、アフリカのサウンドにポール・サイモンの曲が上手く絡んでいる。一曲目の「ボーイズ・イン・ザ・バブル」とか特に凄い。余談だが、「グレイスランド」はプレスリーのお墓がある場所だそうで、アフリカとは関係ない。

☆337位☆

Raised On Radio/Journey (1986)
レイズド・オン・レイディオ~時を駆けて/ジャーニー
2大ヒット作に続く本作は、スティーブ・ペリー主導によるAOR路線。やや意外だったけど、この方向性も悪くない。産業ロック的な部分も適度に残して、ややバラード系が多いものの、なかなかアダルトなロック・アルバムとなっている。スティーブ・ペリーはもちろんだが、ニール・ショーンも見事にこのスタイルに適応していて素晴らしい。

☆336位☆

Leather Jackets/Elton John (1986)
レザー・ジャケッツ/エルトン・ジョン
エルトンのキャリアに於いては、黒歴史のようなアルバムらしい。制作時の状態が良くなくて、本人も不満だらけのようだし、トップ40ヒットも出なかった。ただ、結果だけで評価してしまうには、あまりにも勿体ないアルバムである。本人の状態とかヒット曲の有無とかは関係なく、収録曲のレベルも高いし、アルバムとしても良く出来ている。先入観なくちゃんと聴こう。

☆335位☆

Three Sides Live/Genesis (1982)
スリー・サイズ・ライブ/ジェネシス
節目ごとにライブ盤を出していたジェネシスだが、本作は3人プログレ期の記録と言える。この時期は大作志向ではあったが、コンパクトで分かりやすく聴きやすい作風だった。ポップでもあったし。イギリス盤は4面ともライブだが、インターナショナル盤はD面にイギリスで発売された「ペーパーレイト」を含むEPが収録されていた。自分が聴いてたのもインターナショナル盤。

☆334位☆

Blow The Belt/Franke & The Knockouts (1982)
ビロウ・ザ・ベルト/フランキー&ザ・ノックアウツ
フランキー&ザ・ノックアウツは、この2ndでハード・ロックを志向している。フランキー・プリバイトの実力をもってすれば、ハード路線も全く問題ないし、曲作りの上手さもあり、上質なハード・ロック・アルバムとなっているのは当然。ただ、1stの方向性をもっと追求してヒットを狙って欲しかった気はするが。シングルの「ウィズアウト・ユー」はメロウな名曲。

☆333位☆

Take My Time/Sheena Easton (1981)
モダン・ガール/シーナ・イーストン
鳴り物入りでデビューして、あっという間にスターになってしまったシーナの1st。シングルの「モダン・ガール」「9to5」はもちろんのこと、収録曲全てのグレードが高く、ポップ・アルバムとしては文句なしの出来映え。シーナのやや固い声質や低音の弱さなどが気にならなければ、表現力もあるし、素晴らしいシンガーである。

☆332位☆

Physical/Olivia Newton-John (1981)
虹色の扉/オリビア・ニュートン・ジョン
『グリース』あたりから進められてきた、歌姫オリビアのアダルトなシンガーへの路線変更が結実したアルバムと言ってもいいのでは。「フィジカル」は10週連続全米No.1となり、オリビアは単なる美人歌手ではないポジションを獲得した。本作も、「フィジカル」以外の曲もオトナの歌手としての魅力に溢れており、素晴らしいポップ・アルバムとなっている。

☆331位☆

Emotional Rescue/Rolling Stones (1980)
エモーショナル・レスキュー/ローリング・ストーンズ
最初に聴いた時は、原点回帰のようなロックンロールが多く、やや期待はずれの感もあったが、何回か聴いているうちに良さが分かってきた気がした。アメリカ南部の音を追求した70年代前半から『女たち』を経て、次なる地平に向かう前に、肩の力を抜いて作ってみました、という感じ。その抜けた感じが味になっているアルバム。一曲目の「ダンス」は屈指の名曲だ。

☆330位☆

Jazz/Queen (1978)
ジャズ/クイーン
一曲目の「ムスターファ」で度肝を抜かれ、そのままクイーン・ワールドに引きずり込まれる。様々な素材をあまり手を加えずに提示して、全体的に遊んでいるような雰囲気が漂うアルバム。「ムスターファ」のみならず「バイシクル・レース」「デッド・オン・タイム」「ドリーマーズ・ボール」「ファン・イット」といった曲にその傾向は顕著だ。人気曲「ドント・ストップ・ミー・ナウ」収録。

☆329位☆

Here At Last...Bee Gees...Live/Bee Gees (1977)
ビージーズ・グレイテスト・ライブ/ビージーズ
意外な気もするが、ホーン・セクションを含む12人のバンドを従え(ベースはモーリス)、ファンキーな演奏を聴かせるライブ盤である。オープニングの「獄中の手紙」がダイナミックなのに驚く。アコースティック・コーナーはあるが、基本的にはバンド中心。"フィーバー"前のダンサブルなヒット曲が楽しめる。「ユー・シュッド・ビー・ダンシング」は圧巻。

☆328位☆

Legend/Poco (1979)
伝説/ポコ
ポコのことは以前から知ってたけど、本作でいきなり売れた、という印象。結成当初とは異なり、この頃はポール・コットンとラスティ・ヤングの双頭体制だった。全体的に都会的雰囲気のカントリー・ロックといった印象で、シングル・カットされた「クレイジー・ラブ」はとことん名曲である。他の曲の出来も良く、馬のジャケットと共に代表作となった。

☆327位☆

Live And Dangerous/Thin Lizzy (1978)
ライブ・アンド・デンジャラス/シン・リジィ
全盛期のメンバー(フィル・リノット、スコット・ゴーハム、ブライアン・ロバートソン、ブライアン・ダウニー)による全盛期のライブ盤である。悪かろうはずがない。フィルの熱いボーカル、重厚なツイン・ギター、ブライアン・ダウニーのドラム、どれを取っても完璧。決してメタルではない、伝統のブリティッシュ・ハード・ロックが堪能出来る名作ライブ盤。

☆326位☆

Heavy Horses/Jethro Tull (1978)
逞しい馬/ジェスロ・タル
タルのトラッド3部作の中では、最もドラマティックで重厚な作品。タイトル曲はもちろん、「ノー・ララバイ」も長尺ながら素晴らしい。トラッド風味とプログレ風味の融合も随所で堪能出来る。「ねずみ警察」「茶色のはつかねずみ」あたりも長尺ではないが、良く出来た曲だ。当時のイアン・アンダーソンの創作意欲が相当なものだった事が窺える傑作。

☆325位☆

Real McCoy/Van McCoy (1976)
リアル・マッコイ/ヴァン・マッコイ
アトコでの4枚目のリーダー作。「ハッスル」から一年過ぎて、話題に上る事が少なくなっていたような気はするが、内容は充実している。自身が書いたタンサブルなインスト曲がメインだが、「ジェット・ハッスル」「ひとめぼれ」「ナイト・ウォーク」あたりは親しみやすくてよろしい。「宇宙大作戦」のカバー、「アフリカン・シンフォニー」の再演も聴き物。

☆324位☆

Breezin'/George Benson (1976)
ブリージン/ジョージ・ベンソン
クロスオーバー或いはソフト&メロウという新たなジャンルにカテゴライズされていたが、ジャズ畑のジョージ・ベンソンが、それまでのジャズとは違う音楽を提示してみせた重要作。タイトル曲をはじめ、高度なテクニックと音楽性に裏打ちされた、流麗で聴きやすいインスト曲が並び、ここに新たな音楽の潮流が誕生したのである。

☆323位☆

Moonmadness/Camel (1976)
月夜の幻想曲/キャメル
キャメルは、プログレと呼ぶには変化がない、ロックと呼ぶには軟弱、などと言われたりもしたが、その独特のスタンスで確固たる地位を築いた。本作も、叙情的な曲展開、流麗な演奏、メロディの美しさ等々、キャメルの本質が余すところなく発揮された傑作と言える。白眉はやはりラストの大作「月の湖」だろう。幻想的で叙情的な曲構成そして表現が素晴らしい。

☆322位☆

Desire/Bob Dylan (1976)
欲望/ボブ・ディラン
実はディランで唯一聴いたのが本作である。当時、久々のプロテスト・ソングである「ハリケーン」が話題になっていたが、ディランの諸作の中では異色作ではないか、という気がする。どこかエキゾチックな雰囲気があり、その要因はスカーレット・リベラのバイオリンとエミルー・ハリスの歌なのではないか。他は知らないが本作は間違いなく名盤である。

☆321位☆

Minstrel In The Gallery/Jethro Tull (1975)
天井桟敷の吟遊詩人/ジェスロ・タル
大作志向はここでも継続。ややハードな感触はあるが。タイトル曲がいかにもプログレな展開で、本作の中でも白眉と言えるが、同様に大作の「ベイカー・ストリートの女神」や「黒衣の踊り子」も聴き応え十分。「ヴァルハラへの冷たい風」に、後のトラッド路線に通じるものを感じたりもする。この頃のタルは凄かったと思う。

次回は、320位-301位です^^

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 360-341

2023年05月14日 22時29分19秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500
360位-341位

☆360位☆

Buzz Feiten Whiries/Buzz Feiten Whiries (2000)
バジー・フェイトン・ワーリーズ/バジー・フェイトン&ザ・ワーリーズ
あのバジー・フェイトンが突如結成したバンド、ワーリーズの1st。AOR系のイメージを持つ人が大半と思うが、本作はストレートなアメリカン・ロック。全曲バジー・フェイトン作で、キャッチーさには欠けるものの、爽快なナンバーが並ぶ。バンド・メンバーの力量はともかく、バジー・フェイトンは弾きまくりで、好き放題楽しんでいる感じ。

☆359位☆

Candy From A Stranger/Soul Asylum (1998)
キャンディ・フロム・ア・ストレンジャー/ソウル・アサイラム
本作でも、ブレイク以降の作風は変わらず、安定した内容。マンネリと言われようとも、独自の世界を築いてしまったのは凄いことだ。「クリーチャーズ・オブ・ハビット」「アイ・ウィル・スティル・ビー・ラーフィング」などに、デイブ・パーナーのソング・ライターとしての成熟を感じる。ホーナス・トラックだが疾走感溢れる「ルージン・イット」も良い。

☆358位☆

All The Best/Leo Sayer (1997)
星影のバラード~レオ・セイヤー・オール・ザ・ベスト/レオ・セイヤー
この人も、70年代から80年代にかけて、印象的なヒット曲を多く出している。シンガー・ソングライターとして登場したが、自作にはこだわらず、「星影のバラード」「はるかなる想い」など、他人の曲を取り上げたヒット曲も多数。個人的には「恋の魔法使い」や「ムーンライティング」あたりが思い出深いが、「アイ・キャント・ストップ・ラビング・ユー」など派手ではないが佳曲も多い。

☆357位☆

Whatever And Ever Amen/Ben Folds Five (1997)
ホワットエバー・アンド・エバー・エーメン/ベン・フォールズ・ファイブ
ポップでパンキッシュなピアノ・ロック・トリオとして登場したベン・フォールズ・ファイブは、2枚目の本作で他の楽器も取り入れて、音楽の幅を広げた。ソング・ライティングも進化している。が、日本語バージョンも収録された「Song For The Dumped(金返せ)」のような、ある意味しょうもない曲に、彼らの本質が見えるような気もする。

☆356位☆

The Very Best Of Chic/Chic (1996)
ベリー・ベスト・オブ・シック/シック
「ダンス・ダンス・ダンス」で衝撃的に登場したシックだが、チャートの常連だった時期は実質2年程だった。このベスト盤も素晴らしい内容だが、どうしても「おしゃれフリーク」「愛して欲しい」「グッド・タイムス」といった70年代のヒット曲に意識が行ってしまうのは仕方ないところ。オシャレでファンキーな新感覚のディスコだった。

☆355位☆

Made In England/Elton John (1995)
メイド・イン・イングランド/エルトン・ジョン
グレッグ・ペニーのプロデュースで、アコースティックなアレンジといいワンワードの曲名が多い事といい、シンプルにまとめられた印象のアルバム。一聴すると地味かもしれないが、聴けば聴くほどその良さに気づかされる。イギリス人としての心意気を歌ったようなタイトル曲が実に素晴らしい。このアルバムを聴く度に、感動的だった1995年の来日公演を思い出す。

☆354位☆

Turn It Upside Down/Spin Doctors (1994)
ターン・イット・アップサイド・ダウン/スピン・ドクターズ
ファンキーなナンバーと泥臭い南部風のナンバーかスピン・ドクターズの2枚看板であるが、本作でも両方がバランス良く配置され、キャッチーで非常に聴きやすく飽きさせない。2ndではあるが、バンド・サウンドは完成しているので、ポップな曲でもスピン・ドクターズになってしまうのが強み。冒頭3曲の出来が特に良い。

☆353位☆

The Hendrix Set/Paul Rodgers & Company (1993)
シングス・ジミ・ヘンドリックス・ライブ/ポール・ロジャース
1993年、ポール・ロジャースはニール・ショーンを中心としたバンドを率いてツアーを行ったが、セットリストはブルース・スタンダードとジミヘンのカバー、そして自身の往年の名曲で構成されていた。そのジミヘンの曲だけをまとめたライブEPである。ポール・ロジャースの素晴らしさは言わずもがな、ニール・ショーンも熱演で、ジミヘンの名曲が新たな解釈で甦る。

☆352位☆

Retro Active/Def Leppard (1993)
レトロ・アクティブ/デフ・レパード
『ヒステリア』以降のオリジナル・アルバム未収録曲を集めた編集盤。アルバム収録曲のように、とことん作り込まれた完成品とはやや違い、B級な雰囲気が漂っているのがよろしい。最初に曲が出来てから何もいじらずに出しているような雰囲気。「ミス・イン・ア・ハートビート」はどういう経緯かポール・ロジャースが取り上げた名曲。

☆351位☆

Back To The Light/Brian May (1992)
バック・トゥー・ザ・ライト~光に向かって/ブライアン・メイ
ブライアンの初ソロ・アルバムは、彼のソング・ライターとしての才能が存分に発揮された、バラエティ豊かな内容である。「愛の結末」はフレディ・マーキュリー・トリビュートで初披露された。「ドリヴィン・バイ・ユー」や「ラブ・トークン」のようなハードでメロディアスなナンバーはブライアンの真骨頂。コージー・パウエル大活躍の「華麗なる復活」はライブのハイライトだった。

☆350位☆

The Law/The Law (1991)
ザ・ロウ/ザ・ロウ
ポール・ロジャースとケニー・ジョーンズによるプロジェクトの唯一のアルバムだが、実質的にはポール・ロジャースのソロ・アルバム。自作曲は11曲中3曲だけで、あとはフィル・コリン、ブライアン・アダムス、クリス・レアといった、やや意外な人たちの曲を取り上げている。とはいえ、相変わらずポール・ロジャース節が炸裂しており文句なし。

☆349位☆

Innuendo/Queen (1991)
イニュエンドゥ/クイーン
フレディの遺作、そしてクイーンのラスト作という運命を背負って世に出た本作は、これまでのクイーンとは違い、退廃と悲愴で埋め尽くされている。当時は何も知らなかったけど、今となってはまともに聴けない。自分の最期を悟り、最高の作品を遺そうとするフレディは気高くもあり悲痛でもある。タイトル曲はそんなフレディとクイーンが作り上げた最後の名曲だ。

☆348位☆

The Essential King Crimson : Frame By Frame (1991)
紅伝説~エッセンシャル・キング・クリムゾン/キング・クリムゾン
80年代までのクリムゾンの音源をまとめた4枚組ボックスセット。ディスク1は「宮殿」期、2は「太陽と戦慄」期、3は「ディシプリン」期、最後の4は未発表ライブ、という構成。この時点でのクリムゾンの歴史を辿るには最適。短縮版が多いとはいえ、選曲も申し分ない。数年後に聞き返してみたら、「ディシプリン」期が良いと思ってしまったのが意外と言えば意外。

☆347位☆

Doubt/Jesus Jones (1991)
ダウト/ジーザス・ジョーンズ
90年代に入って突如登場した、ヒップホップやエレクトリカを大胆に取り込んだニュー・ウェイブ・バンドの2nd。個人的には、正に当時の最先端のロックという感じで衝撃的だった。曲がポップなのも特徴で、本作はアメリカでも売れ、「ライト・ヒア・ライト・ナウ」は全米トップ10ヒットとなった。長続きはしなかったけど、避けては通れないムーブメントであった。

☆346位☆

Liberty/Duran Duran (1990)
リバティ/デュラン・デュラン
彼らのキャリアに於いては地味なアルバムだろう。が、内容は他のベスト・セラー・アルバムには決して負けていない。デュラン・デュランは本作で、ソリッドかつソウルフルな独自の世界を築き上げた。タイトル曲や「シリアス」「夏のバイオレンス」といった曲に、その傾向は顕著である。この路線を継続しなかったのは残念だが、正に隠れた名盤。

☆345位☆

Barcelona/Freddie Mercury & Montsellat Cavalle (1988)
バルセロナ/フレディ・マーキュリー&モンセラート・カバリエ
これは凄いアルバムである。クイーンのフレディと世界最高のバルセロナ出身のプリマドンナがタッグを組んで発表した、ロックでもポップでもオペラでもない、摩訶不思議な音楽。しかし、奇を衒ったりとか前衛的な雰囲気とかは微塵もなく、両者の個性が融合し自然に生まれた世界。ほんとに凄い。こんなのフレディじゃなきゃ作れない。

☆344位☆

The Best Of Eric Carmen/Eric Carmen (1988)
ハングリー・アイズ~メイク・ミー・ルーズ・コントロール/ベスト・オブ・エリック・カルメン
80年代のしばしの低迷の後、エリック・カルメンは『ダーティ・ダンシング』の挿入歌「ハングリー・アイズ」を歌って、シーンに返り咲いた。本人にとっては不本意だったであろうが、その勢いと再評価に乗じて出たのが本ベスト盤である。きっかけは何であれ、再びエリックと彼の曲が脚光を浴びたのは良い事だ。個人的には1978年の「チェンジ・オブ・ハート」がイチオシ。

☆343位☆

The Singles/The Pretenders (1987)
ザ・グレート・プリテンダーズ/プリテンダーズ
プリテンダーズというかクリッシー・ハインドも、実は優れたソング・ライターでありヒットメーカーであった。本作には、この時点でのシングル曲が全て収録され、加えてクリッシーとUB40の共演シングルも入って文句なし。ポストパンク或いはニューウェーブと呼ばれたアーティストたちの共通点は、シングル向きのポップセンスだったが、プリテンダーズも例外ではない。

☆342位☆

Beverly Hills Cop Ⅱ -Original Soundtrack- (1987)
ビバリー・ヒルズ・コップⅡ/オリジナル・サウンドトラック盤
エディ・マーフィー主演のヒット・シリーズ第二弾のサントラの聴き物は、なんといってもボブ・シガー単独名義で収録された「シェイクダウン」だろう。彼にとっても初の全米No.1ヒットとなった名曲である。この曲の為にアルバムを買っても損はない。他にはチャーリー・セクストン、コリー・ハート、レディ・フォー・ザ・ワールドらの曲が収録され、いかにも80’sな世界。

☆341位☆

Inside Information/Foreigner (1987)
インサイド・インフォメーション/フォリナー
ハードになり過ぎた『4』、シンセが耳についた『プロヴォカトゥール』、それぞれの反省点を修正した結果、本作はソリッドでメロディアスなナンバーが揃う傑作アルバムとなった。この時点でのミックとルーの関係は最悪だったようだが、アルバムの出来には影響せず。最後のトップ10ヒットとなった「ウィズアウト・ユー」でのルーの歌いっぷりが実に素晴らしい。

次回は、340位-321位です^^

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MFC presents 500 Favorite Albums Of All Time 380-361

2023年05月07日 13時26分42秒 | 私的歴代最高のアルバム500選

MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500
380位-361位

☆380位☆

Burn/Deep Purple (1974)
紫の炎/ディープ・パープル
タイトル曲は現在でも、ヘビー・メタルの古典的アンセムとして圧倒的支持を集めているが、それ以外の曲では、新加入のカバーデイル&ヒューズの持ち味を生かしたブルージーでファンキーなハードロックを志向し、自らが作り上げた様式からの脱却をいとも簡単に果たしている。パープルは単なるお子様向けのハードロック・バンドではないことを証明した重要作。

☆379位☆

The Lexicon Of Love Ⅱ/ABC (2016)
(日本未発売)
ニュー・ロマンティックを代表する名盤である1stの続編的なタイトルとジャケットだが、内容はそういう感じではない。復活以降のABCの特徴である、洗練されたゴージャスな、かといってAORではないロック。昔の名前としては、アン・ダッドリーがあるくらい。良いアルバムであるが、1stの続編を期待すると肩透かしを食うかも。

☆378位☆

Ricky Martin/Ricky Martin (1999)
リッキー・マーティン~ヒア・アイ・アム/リッキー・マーティン
1999年初夏に初めてアメリカに行った時、ラジオで「リビン・ラ・ビダ・ロカ」がヘビロテだった。その時は曲名も何も知らなかったが、インパクトは強烈だった。リッキー・マーティンはスペインのアイドル・グループ出身らしい。本作はデズモンド・チャイルドのプロデュース。歌詞やサウンドにラテンやヒスパニックの香りを漂わせ、エキゾチックに仕上げて成功している。

☆377位☆

A Few Small Repairs/Shawn Colivin (1996)
ア・フュー・スモール・リペアーズ/ショーン・コルビン
本作収録の「サニー・ケイム・ホーム」がグラミーを獲るまで、この人の事は知らなかったが、80年代から活動していたそうな。アコースティックな音作りに物語性の強い歌、という印象。が、決してフォーク調ではなく、ロックな志向も垣間見せる。「サニー・ケイム・ホーム」は名曲だが、その他の曲もグレード高い。ジャケットも惹かれるものがある。

☆376位☆

Pulp Fiction -Original Soundtrack (1994)
パルプ・フィクション/オリジナル・サウンドトラック盤
奇才タランティーノ監督の大傑作のサントラ。既成曲ばかりだが、この人の独特の選曲センスが遺憾なく発揮されて楽しい。冒頭に流れる「ミザルー」で、時ならぬサーフ・ブームを巻き起こしたとも言われた。個人的には、トラボルタとユマ・サーマンが酒場でツイストを踊るシーンで流れたチャック・ベリーの「ユー・ネバー・キャン・テル」がベスト。

☆375位☆

Extreme Ⅱ Pornograffittti/Extreme (1990)
ポルノグラフィティ/エクストリーム
バン・ヘイレン風ハード・ロック・バンドとしてデビューしたエクストリームだが、この2ndではファンキーなテイストを加えて独自のハード・ロックを確立した。箸休め的な「モア・ザン・ワーズ」が大ヒットしてしまった為、世間のイメージとは違うかもしれないが、本作は実に爽快なハード・ロック・アルバムである。ヌーノの才能が炸裂しているが、メンバーも見事に応えている。

☆374位☆

The First Of A Million Kisses/Fairground Attraction (1988)
ファースト・キッス/フェアグラウンド・アトラクション
突如現れたネオアコ系というか、アコースティックなサウンドとエディ・リーダーのボーカルが心地良い、正に"癒やし系"と呼んでいいのでは。メンバーのマーク・E・ネビンが手がけるオリジナル曲も、フックが効いて親しみやすい。なんとなくトラッドやケルトの雰囲気が感じられるのも、イギリスならでは。邦題もなかなか良いセンスと思う。

☆373位☆

Romance 1600/Sheila E (1985)
ロマンス1600/シーラ・E
一曲目の「シスター・フェイト」がとにかく衝撃的。その勢いで最後まで聴いてしまうアルバム。きらびやかなパーカション群とリフレインの多い曲調が演出するラテン風ブラックなダンス・ミュージックの世界は、プリンスの影響大とはいえ、シーラ・E独特のものではなかろうか。インスト「真夏の気狂いピエロのスピードに感謝」が凄いが、ラストのソウル・バラード風も良い。

☆372位☆

Invasion Of Your Privacy/Ratt (1985)
インベイジョン・オブ・ユア・プライバシー/ラット
闇を切り裂く「ユア・イン・ラブ」のリフが衝撃的。LAメタルの雄ラットは、2ndで一段とスケール・アップした姿を世間に見せつけた。「レイ・イット・ダウン」をはじめとする収録曲も充実した佳曲揃いで、ラット独特のノリも存分に堪能出来る。LAメタルに分類されてはいたが、ラットはメタルというよりキッス直系のハード・ロック・バンドであると、改めて思う。

☆371位☆

The Lockdown Sessions/Elton John (2021)
ロックダウン・セッションズ/エルトン・ジョン
タイトル通り、コロナ禍で制作されたアルバム。新旧織り交ぜた多彩な顔ぶれと共演しており、かつての『デュエット・ソングス』のようなコンセプトの作品と言っていいかも。エルトンの自作曲は少ないが、収録曲はどれも素晴らしい。ベスト・トラックは、やはりデュア・リパと共演しペナウがリミックスした「コールド・ハート」に尽きる。

☆370位☆

Rocketman -Original Soundtrack- (2019)
ロケットマン/オリジナル・サウンドトラック盤
エルトンの自伝映画は、タロン・エガートンの熱演もあり、非常に素晴らしい出来映えとなった。ジャイルズ・マーティンのプロデュースで、タロンが歌うエルトンの名曲たちが、これまた素晴らしい。さらに素晴らしいのは、エンド・ロールで流れる、タロンとエルトンの共演による新曲「(アイム・ゴナ)ラブ・ミー・アゲイン」。こんな曲がまだ書けるエルトンが凄い。

☆369位☆

Sing Street -Original Soundtrack- (2016)
シング・ストリート 未来へのうた/オリジナル・サウンドトラック盤
80年代中頃のダブリンを舞台に、意中の女子にバンドやってると嘘をついてしまった手前、メンバー集めてバンド活動する高校生を主人公にした青春映画。このバンドのオリジナルとして紹介される曲が実にカッコいい、というのが大変ポイント高い。メンバーたちが目標としコピーしてるのがデュラン・デュランという所にも時代を感じる。面白い。

☆368位☆

Random Access Memories/Daft Punk (2013)
ランダム・アクセス・メモリーズ/ダフト・パンク
ダフト・パンクというと、90年代から活動しているエレクトロ・ポップ・ユニット、というイメージだが、本作では、オマー・ハキム、ネイサン・イーストに、なんとジョルジョ・モロダー、ナイル・ロジャースまで参加し、アナログなレコーディングを敢行したらしい。ベスト・セラーとなりグラミー賞も受賞した、新感覚のディスコ。曲もよく出来ている。

☆367位☆

100 Miles From Memphis/Sheryl Crow (2010)
100マイルズ・フロム・メンフィス/シェリル・クロウ
やや内省的なアルバムが続いていたシェリル・クロウが、久々にロッカーらしいアルバムを作った。タイトルからも察せられるように、ソウルそれもメンフィス系に接近したと言っていい内容。どの曲もブラス・セクションを導入したアレンジがそれらしくてよろしい。ジャクソン5のカバーも、新たな解釈で面白い。久々にシェリルの面目躍如。

☆366位☆

Traffic/ABC (2008)
トラフィック/ABC
マーティン・フライのソロ・プロジェクトのような形で復活したABC、10年振りの復活第二弾。旧メンバーのデビッド・パーマーも参加している。復活後のABCは、かつてのイメージを損なう事なく、スタイリッシュなオトナのロックを作り上げており、キャッチーな曲作りの才も健在。シングル・カットされた「ザ・ベリー・ファースト・タイム」や「ラブ・イズ・ストロング」あたりで遺憾なく発揮されている。

☆365位☆

The Tall Ships/It Bites (2008)
トール・シップス/イット・バイツ
ジョン・ミッチェルという若い才能を得て蘇ったイット・バイツの復活第一弾。フランシス・ダナリーの代わりを見つけるには、クローンが育ってくるのを待つしかなかったが、本作は、その長き不在を埋めるには十分な力作。かつての作風にポップ風味を加え、実にグレードの高いコンテンポラリーなロックであり、尚且つイギリスらしい風格も感じさせる。

☆364位☆

Confessions On A Dance Floor/Madonna (2005)
コンフェッションズ・オン・ア・ダンス・フロア/マドンナ
全曲ノン・ストップで繰り広げられる、マドンナの新感覚ディスコ・アルバム。メランコリックなメロディが、かつてのディスコらしい淫靡さを感じさせるサウンドと共に展開される。この手の世界はマドンナお手の物であろう。アバをサンプリングした「ハング・アップ」がやはり目立つが、他の曲もクォリティ高い。タイトルもなんとなく意味深。

☆363位☆

Fly Or Die/N・E・R・D (2004)
フライ・オア・ダイ/N.E.R.D.
バンド名は"おたく"という意味であるのは今や誰も知ってるかも。ファレル・ウィリアムスがメンバーなのは最近まて知らなかった。いわゆるブラック・ロックと呼んでいい音楽性で、この時代ではマニアックかも。どの曲もギター・ソロがフューチャーされ、正に血湧き肉躍るロックである。タイトル曲のようなスローな曲もロックらしさ全開。

☆362位☆

Anthology : The Warner Reprise Years/Emmylou Harris (2001)
アンソロジー:ワーナー・リプリーズ・イヤーズ/エミルー・ハリス
文字通り、ワーナー時代の主にシングル曲を集めた編集盤で、この頃はオーソドックスなカントリーのイメージだが、とにかくまず声が素晴らしい。声に勝る楽器はない、という事を再認識する。似たような曲が続くので少々退屈かもしれないが、この声に浸っていると、いつの間にか時は過ぎている。ロイ・オービソンとの意外なデュエット・ナンバーなども良い出来。

☆361位☆

Red Dirt Girl/Emmylou Harris (2000)
レッド・ダート・ガール/エミルー・ハリス
どういう心境の変化か分からないが、エミルー・ハリスは90年代よりオルタナ系に接近し始めた。本作は全曲彼女の自作で、自らアコギを弾いて録音に参加した、オルタナ・カントリーと言っていい内容のアルバムである。説得力のあるサウンドと歌声で構築された、美しくも静謐な世界。やや年を取ったとはいえ、ポートレートも相変わらず美しい。

次回は、360位-341位です^^

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする