さて、好評の(違)「我が青春のサウンドトラック」第3弾は、LP編の2回目である。前回書いたように、昔は“全集”と称するオムニバスLPがたくさん出ていたが、前回紹介したLPのように、大雑把に有名曲を集めた“全集”もあれば、ジャンルごとに細分化された“全集”もあった。細分化ってつまり、“アクション映画全集”とか“スペクタクル巨編名作集”とか“青春映画ベスト”とか、そんな感じ。細分化されているようでも、よくよく見てると、結局似たような内容になってる、というのはどこの世界でも同じ(笑)
ま、それでも、興味を持ったらまず“映画音楽全集”を買い、ジャンルで絞り込んで“アクション映画全集”なんぞを買い、さらに進んで特定の映画のサントラ盤を買い、もっと掘り下げて特定の作曲家のレコードを集める、というコースを歩めば、立派なマニアというかフリークである。
という訳で、今回紹介するのは、その第2段階(笑)にあたる、“ジャンル別オムニバスLP”である。
EXODUS/THE WORLD OF GREAT SCREEN THEMES
A-1.アラビアのロレンス
2.栄光への脱出
3.史上最大の作戦
4.ナバロンの要塞
5.クワイ河マーチ~『戦場にかける橋』より
6.戦車の行進~『ベン・ハー』より
B-1.2001年宇宙の旅
2.渚にて
3.黄金の腕
4.バラキのテーマ
5.紅の翼
6.80日間世界一周
分かる人は、曲名見ればだいたい分かるだろう。いわゆる“スペクタクル映画”(死語)の曲を集めたLPだ。ジャケットのチャールトン・ヘストンが、それを象徴している(笑)
スペクタクル映画とは何か? 簡単に言えば、歴史上の史実を元ネタにして、お金をかけて、オールスターキャストで、上映時間も長くて、特撮なんかもあって、という映画のことだ。今から、50年くらい前のハリウッドでは、この手の映画がよく作られていた。お金かけてるだけに、絢爛豪華で総天然色でスクリーンもデカかったりして、ま、とにかく、そういう映画である(笑)
で、そういった映画の曲を集めたのが、このLPなのだが、スペクタクルというより戦争映画が多いような気もする。それに、「黄金の腕」とか「バラキ」とかも、スペクタクルのイメージではない。けど、まあいいか。細かいことは言うまい(笑)
このLPはサントラはなく、全てカバーだ。しかし、どの曲も大編成のオーケストラで演奏されている。スペクタクル巨編なのだから、音楽も絢爛豪華でオーケストラでなければならないのだ。スペクタクル映画の音楽を、ギター一本で作ってはいけない。そういう点では、満足のいく内容である。「アラビアのロレンス」「ナバロンの要塞」もいいが、個人的なイチオシは、「戦車の行進」だな、やっぱり。かの、チャールトン・ヘストン主演作『ベン・ハー』の中の曲だ。これがとにかく、カッコいい。いかにも古代ローマってな雰囲気を漂わせた、格調高く勇壮な曲である。
実は、この曲があまりにも素晴らしいので、高校生の頃、自分とこの吹奏楽団でやりたくて、スコアを作ろうとしたことがある。カセットに録音して何度も再生しながらピアノで音を拾い採譜した。が、途中で挫折してしまったけど。もし挫折せず、スコアを完成させて、吹奏楽で演奏していたなら、きっと今とは違った人生があったのだろう。オーケストラの指揮者とか(ないない)、ビックバンドのアレンジャーとか(ないない)。う~ん、惜しいなぁ(勘違)
と、そんな訳で、スペクタクルなんである(笑)。勇ましい曲が多いし、オーケストラはフォルテシモだしてんで(笑)、喫茶店のBGMには不向きだけど(笑) 所で、気になるお値段は、帯にもあるけど1500円。お買い得である。
それにしても、戦争映画のテーマ曲(マーチ風だったりする)って、口笛が多いのは何故なんだろう?
007/スーパー・パック
1枚目
A-1.ジェームズ・ボンドのテーマ~『007は殺しの番号』より
2.キングストン・カリプソ~『007は殺しの番号』より
3.マンゴの木の下で~『007は殺しの番号』より
4.オープニング・タイトル~『ロシアより愛をこめて』より
5.ガール・トラブル~『ロシアより愛をこめて』より
6.ゴールデン・ホーン~『ロシアより愛をこめて』より
7.グラントの死~『ロシアより愛をこめて』より
8.ロシアより愛をこめて
B-1.メイン・タイトル:ゴールドフィンガー~マイアミへ
2.オウリックの工場~『ゴールドフィンガー』より
3.ボンド活動再開~『ゴールドフィンガー』より
4.ゴールドフィンガー
5.ゴールドフィンガーの死
6.ミスター・キス・キス・バン・バン~『サンダーボール作戦』より
7.007~『サンダーボール作戦』より
2枚目
A-1.サンダーボール作戦
2.ディスコ・ヴォランテのボンド~『サンダーボール作戦』より
3.007は二度死ぬ
4.空間のカプセル~『007は二度死ぬ』より
5.海へ墜落~『007は二度死ぬ』より
B-1.女王陛下の007
2.愛はすべてを越えて~『女王陛下の007』より
3.ブロフェルド捜査・奇跡は二度と起こらない~『女王陛下の007』より
4.月面車~『ダイヤモンドは永遠に』より
5.殺人光線~『ダイヤモンドは永遠に』より
6.サーカス・サーカス~『ダイヤモンドは永遠に』より
7.ダイヤモンドは永遠に
007シリーズの第一作が作られたのは1962年という事なので、もう50年近く前だ。30周年記念エディションとか40周年記念盤とかが出ているけど、このLPも10周年記念盤だ。当然のことながら、全てサントラ。つまり、本物なのである(意味不明)
ま、曲目見て頂いても分かるけど、映画音楽好きにはたまらない内容になってる。マット・モンローやシャーリー・バッシー、トム・ジョーンズらによる主題歌が、まとめて聴けるのはもちろんのこと、挿入曲も一通り入ってて、文句なし。よく知られた「ジェームズ・ボンドのテーマ」以外にも、「ゴールデン・ホーン」とか「007」とか、映画の中でよく耳にする曲が聴けるのも嬉しい。「ロシアより愛こめて」なんて、このオープニング・タイトルの方がカッコいいのだ。シリーズ中、最も地味と言われている「女王陛下の007」だけど、このメイン・タイトルは素晴らしい。
ちなみに、僕が、最初にリアルタイムで聴いた007の主題歌は「黄金銃を持つ男」、歌はルルだった。
007の音楽といえは、ジョン・バリーである。もちろん、このLPの曲の大半は彼によるものだ。つーか、主題歌の一部と「ジェームズ・ボンドのテーマ」以外は、ジョン・バリー作曲。その「ジェームズ・ボンドのテーマ」だって、実はジョン・バリー作とすら言われている。つまり、007=ジョン・バリー、なのだ(は?)。007のイメージを見事に音楽化した手腕は素晴らしい。
主題歌以外の007も楽しめるし、カラー写真満載の豪華なブックレットも読み応えあるし、これで3600円は安い。って、自分で買ったんじゃなくて、貰ったんだけど(笑)
サントラを担当したのは、この後の
「007/死ぬのは奴らだ」
でしたかねえ。
世の中、大騒ぎでした。
どうしてこんな騒ぎに
なるのか不思議なくらいの、
とにもかくにも、大盛り上がりでした。
>ポール・マッカートニーが
>サントラを担当したのは、この後の
>「007/死ぬのは奴らだ」
>でしたかねえ。
そうですね、『ダイヤモンドは永遠に』の次でしたね。1973年らしいです。
>どうしてこんな騒ぎに
>なるのか不思議なくらいの、
>とにもかくにも、大盛り上がりでした
へぇ、そんなに盛り上がってたのですか。1973年というと、僕は小5で、まだ目覚めてませんでした(笑)
ま、なんというか、ポール・マッカートニーと007、このふたつのブランドが合体した事が大ニュースだったのでしょうね。当時の、両者の人気の程が窺えます。