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MFCオーナーのブログ

ロケットマン

2019年09月07日 21時13分10秒 | 音楽ネタ
 

という訳で(どーゆー訳で?)、一部で話題のエルトン・ジョンの伝記映画『ロケットマン』を観てきた。去年、『ボヘミアン・ラプソディ』が記録破りの大ヒットとなり、『ロケットマン』はそれに便乗して、二匹目のどじょうを狙ってるみたいに言う人もいるようだが、ま、便乗とは言わないけど、『ボヘミアン・ラプソディ』のヒットを受けて、ロック・ミュージシャンを題材にした映画でも、内容が良ければ客は来る、というヒントみたいなものは、映画関係者の間にあったと思う。『ロケットマン』の場合、『ボヘミアン・ラプソディ』との共通点もいくつかあり(監督が同じとか、主人公の性癖とか)、それなりのヒットは期待出来る、という計算もあったろう。こっちには、あまり関係ないことだが(笑)

で、『ロケットマン』だが、結論から言うと、とても面白かった。ネタバレになるけど、ミュージカル仕立てになってて、その場面に合わせたエルトンの曲を出演者が歌い踊ったりする訳だ。ちょっと新鮮だったな。それぞれの場面で、それにぴったりの歌詞の曲が、よくもこれだけあったもんだ、と感心してしまった。ストーリーとしては、エルトンの不幸な幼少期から、デビューして成功を収めた後、アルコールやクスリの依存症を治療する為に矯正施設に入るまで、を描いていて、色々な局面で、その場面の状況や心理状態を表す曲をセリフの代わりに歌う訳で、バーニー・トーピンは、エルトンの半生をそのまま歌詞にしていた、というのは本当だったのか、と一瞬思ったね(笑)

個人的に感動したシーンは、「Your Song」が出来る場面。ある朝、バーニーから歌詞を渡されたエルトンが、ピアノをつま弾きながら歌詞を読んでいく。そして、あの♪It's a little bit funny~、にあのメロディが付く。そして、そのままあのメロディがエルトンから流れ出すのだ。ただそれだけなんだけど、なんか感動したな。

余談だが、映画が終わって、エンドロールでテロップが流れるのだが、「エルトンは、その後28年間禁酒を続けている」が「買い物依存症は治っていない」と出てきたのには、思わず笑ってしまいました。

『ボヘミアン・ラプソディ』もそうだったが、ミュージシャンを題材にしているとはいえ、本職である音楽については、ほとんど触れられていない。自分の求める音楽を作り上げるまでの産みの苦しみとか、成功を持続する為のブレッシャーとか、そういうものは描かれないのだ。『ロケットマン』も同じ。描かれるのは、親に興味を持って貰えない、という不幸な幼少期を過ごしたエルトンが、成長し世界一有名なミュージシャンになっても、自分の理解者を求め続ける姿。ま、誰しも、人間としての苦悩は抱えている訳だしね。でも、次は、ミュージシャンを題材にするなら、ひたすら人間ではなく表現者としての苦悩を描いた映画、ってのも観てみたい。



サントラも買った。届いたばかりで、まだ聴いてないのだが^^;

ところで、『ロケットマン』公開に合わせたのか、レコード・コレクターズ増刊『エルトン・ジョン・アルティメット・ガイド』というのが出た。日本では、この手のエルトン本は少ないので、実に有り難い企画だなぁ、と感謝しつつ(笑)、買ってみた。なんでも、『ロケットマン』の試写を観てから、増刊作ろう、という事になったみたいで、試写がいつだったのか知らんけど、おそらく企画してから店頭に並ぶまで2ヶ月くらいだったのではなかろうか。短期間によく仕上げたもんだ。過去のレココレの記事の使い回しはほとんどなく、大半が新たに執筆されたもので、ほんと、よくやったなぁと感心する。



内容は、『ロケットマン』に関する記事から始まり、定番のエルトンの歩みを振り返る、というのに始まり、オリジナル・アルバム・ガイドに編集盤の紹介、関係者の関連アルバムやインタビュー、トリビュートアルバムの紹介等々、ま、レココレ読んでる人なら、お馴染みの企画だ(笑) 得意のオリジナル・アルバム未収録音源の一覧表がないのは残念だが、あまりに多くて間に合わなかったのだろう(笑) ほんと、残念だ、自分の手持ちの音源と比較したかったのに(爆)

で、オリジナル・アルバム・ガイドを読んでたら、改めて最初から聴きたくなってきて、映画観た感動もあり、エルトンのオリジナル・アルバムを1stから順に聴いていく、というのを最近始めたのである(笑) 一日一枚聴いたとしても、1ヶ月ちょっとかかる訳だが、さすが毎日聴くというのは無理で、結局休みの日にまとめて聴く事になってしまうのだ。そういう事情なんで、サントラ盤もまだ聴いてないのである(笑)

順に聴いてると、やはりエルトンの素晴らしさを再認識する。そこで、映画の影響でエルトンをじっくりと聴いてみたい、という人もいるだろうし、ここで、MFCオーナーによるエルトンのオリジナル・アルバムの三行レビューをやってみたい(笑) 参考になれば、と思い、各アルバムの僕なりの“推し曲(推しトラック)”も3曲挙げてみた。で、ここまでくればついでに、各アルバムの評価を☆で表してみた。ミシュランみたいなもんで(爆)、☆が多いほど評価は高い。だいたいこんな感じ。

☆☆☆☆☆・・・文句なし!名盤!
☆☆☆☆・・・・一聴の価値あり
☆☆☆・・・・・まぁまぁ。悪くはない。
☆☆・・・・・・期待はずれ。今イチ
☆・・・・・・・駄作。聴く価値ゼロ

ちなみに、僕は自分の手持ち音源の評価を☆の数で表すとしても、☆1個というのは多分10枚もないです。それだけ、☆1個は珍しいということで。

では、MFCオーナー的エルトン・ジョン・オリジナル・アルバム・ガイド、3行レビューです。

EMPTY SKY(1969)☆☆☆☆
記念すべきデビュー・アルバム。後のピアノマン的なイメージは希薄で、トップとラストの2曲の大作はプログレッシブですらある。が、地味ながらも佳曲が並び、新人のデビュー作としては、かなりクォリティが高い。売る側が的を絞り切れていなかった感あり。余談だが、映画の中で、成功してから父親を訪ねたエルトンが、頼まれてサインしていたのが、このアルバムである。
①スカイライン・ピジョン ②ヴァル・ハラ ③恋人よ明日って何

ELTON JOHN(1970)☆☆☆☆☆
現在の邦題は『僕の歌は君の歌』。正に初期エルトンの代表作であろう。ロッカーというより、文学青年或いは哲学者的なイメージを押し出したのが功を奏したと思う。不朽の名曲「僕の歌は君の歌」がヒットし、グラミー賞にもノミネートされ、エルトンはブレイクした。他にも「人生の壁」「60才のとき」「パイロットに連れていって」等の重要曲が収録されている。
①僕の歌は君の歌 ②人生の壁 ③驚きのお話

TUMBLEWEED CONNECTION(1970)☆☆☆☆☆
邦題『エルトン・ジョン3』。前作とはイメージを一新、ジャケットも歌詞もサウンドも、アメリカへの憧憬に溢れたアルバム。ザ・バンド的な世界の再現を狙ったらしい。曲自体は良いのだがやや地味な印象で、シングル・カットがなかったのも、そのせいかもしれないが、名盤である。
①過ぎし日のアモリーナ ②愛の歌 ③名高き盗賊の伝説

11-17-70(1971)☆☆☆☆
邦題『エルトン・ジョン・ライブ!』。アメリカのFM放送用に録音されたものらしい。お馴染みのディー・マレイ(Bs)、ナイジェル・オルソン(Ds)とのトリオによるライブで、エルトンの表情豊かなピアノと躍動感溢れる演奏が素晴らしい。リズム隊の二人が結構歌えるのも強み。「60才のとき」が実にプログレッシブに生まれ変わっている。
①ホンキー・トンク・ウィメン ②60才のとき ③キャン・アイ・プット・ユー・オン

MADMAN ACROSS THE WATER(1971)☆☆☆
名盤と名盤に挟まれて地味な印象のアルバム。確かに、エルトンのアルバムにしては、曲が弱いような気がする。ピアノマンとしてのイメージのエルトンはこのアルバムが最後。
①可愛いダンサー ②愛すべき男レーザー・フェイス ③偽りの日々

HONKY CHATEAU(1972)☆☆☆☆☆
70年代中盤のエルトンの快進撃は、このアルバムから始まったと言えるかも。初めて全米アルバム・チャートNo.1を獲得。『エルトン・ジョン3』と同様、アメリカナイズされたサウンドになっているが、こっちの方がキャッチーな曲が多く、素晴らしい出来映えだ。次作以降やたらと弾けるようになるエルトンだが、本作ではまだ落ち着いた所を見せている。名盤と言えよう。
①ロケット・マン ②エイミー ③ハーキュリーズ

DON'T SHOOT ME I'M ONLY THE PIANO PLAYER(1973)☆☆☆☆
邦題『ピアニストを撃つな!』。初の全米No.1ヒットを生んだ、当時のエルトンとバーニーの旺盛な制作意欲が窺える、正に勢いに溢れた内容である。全編飽きる事なく最後まで一気に聴けてしまうアルバム。ジャケットも秀逸。
①ダニエル ②ハイ・フライング・バード ③僕には先生が必要

GOODBYE YELLOW BRICK ROAD(1973)☆☆☆
邦題『黄昏のレンガ路』。エルトン初の2枚組。大ベストセラーとなり、ビルボードの年間アルバム・チャートで一位となった。エルトンの代表作と一般的には言われている。非常にバラエティ豊かな内容で、エルトン&バーニーが絶好調だった事を証明しているが、あまりに盛り沢山過ぎてやや疲れるのも確か。タイトル曲は超名曲だが、全体的な楽曲のレベルは他のアルバムより落ちるかも。
①グレイ・シール ②スイート・ペインテッド・レディ ③グッドバイ・イエロー・ブリック・ロード

CARIBOU(1974)☆☆☆
良くも悪くも前作を引きずった内容。エルトン調子乗り過ぎって感じ。終盤「僕の瞳に小さな太陽」が出てくるとホッとするくらい。とてもエルトンらしいこの曲も、アレンジがやや仰々しいような気もするが。今となっては、バーニーが休息しようと言った気持ちが分かるような気がする。
①ティッキング(母さんの言葉) ②僕の瞳に小さな太陽 ③スティンカー(虫けらのような男)

CAPTAIN FANTASTIC AND THE BROWN DIRT COWBOY(1975)☆☆☆☆☆
なんと!史上初ビルボードのアルバム・チャート初登場1位を記録したアルバム。が、そんな派手な話題とは裏腹に、静かで落ち着いた作りである。どの曲も詩情に溢れ、派手ではないものの、心を揺さぶってくる名曲揃い。売る為に書かれたのではなく、素直な心情を吐露すべく書かれた曲たち。完璧な構成。感動的なエンディング。エルトンの真の最高傑作は間違いなく本作である、と僕は断言する。無人島に持ってく1枚。
①キャプテン・ファンタスディックとブラウン・ダート・カウボーイ(エルトン、バーニーの華麗な夢) ②僕を救ったプリマドンナ ③ライティング(歓びの歌を作る時)

ROCK OF THE WESTIES(1975)☆☆☆☆☆
またまたなんと!前作に続き、2作連続でビルボード・アルバム・チャート初登場1位を達成。この頃のエルトンは、ほんと凄かった。前作とは違い、バンド・メンバーも一新してロック色を強めた作りで(エルトンの場合、ロック色が強い=ピアノがあまり聞こえない)、新境地という感もある。痛快なアルバム。一般的な評価はともかく、これも名盤。
①さすらいの弾丸(ロバート・フォードの拳銃) ②ビリー・ボーンズと白い鳥(船が沈む、食い止めろ!) ③ストリート・キッド

HERE AND THERE(1976)☆☆☆☆
エルトン2枚目のライブ盤。個人的には、ここからリアルタイム。A面にロンドン、B面にニューヨークのライブを収録。静かに盛り上がるロンドン、熱狂的なニューヨーク。お国柄の違いも分かって面白い。演奏自体は絶頂期のものだけにテンション高く文句なし。後に、完全盤が出た。そちらにはジョン・レノンとの共演が収録されている。
①クロコダイル・ロック ②ホンキー・キャット ③ロケット・マン

BLUE MOVES(1976)☆☆☆☆
邦題『蒼い肖像』。エルトンにとって、2作目の2枚組。バラエティに富んだ内容だが、一時期のような狂気じみた勢いは失せ、多少なりとも落ち着きを取り戻して、これからを模索しているような感じ。それを停滞と呼ぶ人もいるが、それほど悪い内容ではないと思う。3曲収められているインストが良いアクセントになっている。エルトンは、本作を最後に、バーニーとのコンビを一旦解消した。
①バイト・ユア・リップ ②カメレオン ③ちっぽけな町

A SINGLE MAN(1978)☆☆☆☆
バーニーと離れ、ゲイリー・オズボーンを新たな相棒として制作されたアルバム。歌詞の内容はともかく、ポップでなかなか良い出来である。エルトンの新たな方向性を見せた感じ。当時も、割と好意的に迎えられたように思う。
①今・・・だから愛 ②パート・タイム・ラブ ③愛の輝き

VICTIM OF LOVE(1979)☆☆☆
邦題『恋に捧げて』。個人的に、70年代から80年代にかけての3年ほどの時期のエルトンを“迷走期”と勝手に呼んでいるが、その“迷走期”を象徴するアルバム。なんたってミュンヘン・ディスコである。エルトンの自作曲ゼロ、ひたすらシンガーに徹している。冷静に聞くとね曲もサウンドもエルトンの歌いっぷりも、決して悪くない。これよりちょっと前にトム・ベルと組んだフィリー調の「ママ・キャント・バイ・ユー・ラブ」をヒットさせているが、何故この路線にいったのか、本人に聞いてみたい。
①サンダー・イン・ザ・ナイト ②恋に捧げて ③愛の世界

21 AT 33(1980)☆☆☆
“迷走期”エルトン、本作はAOR的な作りである。話題はパーニーとのコンビが復活したこと(3曲だけだが)。「リトル・ジニー」も久々のヒットとなり、エルトンの底力を見せたと言っていい。「リトル・ジニー」にしても、地味な扱いだけど、「ダニエル」風の名曲である。アルバムの出来も悪くないし。らしくない感は、つきまとうが。
①リトル・ジニー ②トゥー・ルームス ③チェイシング・ザ・クラウン

THE FOX(1981)☆☆☆
今度は、フレンチ・ポップス的領域に足を踏み入れた。アルバム未収録だが、フランス・ギャルと共演したシングル出したりしてたし。例によって、それなりのクォリティは保っているし、らしい曲もある。本人としては、色々な事をやってみたい心境だったのだろう。当時の事を本人が語る事はないみたいだが。
①ハート・イン・ザ・ライト・プレイス ②ヒールズ・オブ・ザ。ウィンド ③恋は、はかなく

JUMP UP(1982)☆☆☆☆☆
エルトン起死回生のアルバム。久々に“らしい”エルトンが聴ける。バーニーとのコンビによる「エンプティ・ガーデン」は名曲。ジェフ・ポーカロ、リッチー・ジトーらによるバンド演奏も素晴らしく、曲も粒よりで、エルトン久々の名盤誕生となった。とにかく全編、活力と躍動感に充ち満ちている。
①エンプティ・ガーデン ②ディア・ジョン ③ボール・アンド・チェイン

TOO LOW FOR ZERO(1983)☆☆☆
全曲バーニーとの共作によるアルバムは7年振り。バックもお馴染みの、デイヴィ、ディー、ナイジェルで固め、いかにも昔に戻ったようだが、ここでのエルトンはあくまでも現在進行形、80年代のエルトンである。ま、勢いに満ちあふれた前作と比較すると、少し引いた感があるかな。個人的には今イチ。
①心は寒いクリスマス ②ワン・モア・アロウ ③ブルースはお好き

BREAKING HEARTS(1984)☆☆☆☆
前作とは一転、エルトンがシブいロッカーになった感じ。これはこれで悪くないと思う。この頃のエルトンは、安定してヒットを出し、PVも優れた物を作っていて、二度目の絶頂期を迎えていた。アルバム・チャートでは、アメリカよりイギリスの方が成績が良かったのも、なんか象徴的。
①恋のライバル ②あの娘のシューズ ③イン・ネオン

ICE ON FIRE(1985)☆☆☆☆☆
間違いなく、エルトン80年代の最高傑作。捨て曲なしの名盤である。ファンキーというかソウルフルな曲が多く、いいテンポがアルバムを貫いている感じで、実に素晴らしい。タイトなバンドの演奏にも注目。クイーンのロジャーとジョンも一曲参加。
①ディス・タウン ②悲しみのニキタ ③ソウル・グローブ

LEATHER JACKETS(1986)☆☆☆☆
このアルバムを制作した頃のエルトンは不調のどん底だったらしい。そのせいかどうか、ヒットも出ず、アルバム・チャートでも下位に甘んじたが、内容は悪くない。確かに、前作ほどの勢いはないが、良いアルバムと思う。曲も結構良いよ。
①ハートエイク ②ドント・トラスト・ザット・ウーマン ③ジプシー・ハート

ELTON JOHN LIVE IN AUSTRALIA WITH THE MELBOURNE SYMPHONY ORCHESTRA(1987)☆☆☆☆
当時の邦題は『栄光のモニュメント~エルトン・スーパー・ライブ』。文字通り、オーストラリアで地元のオーケストラと共演したライブ盤。モーツァルトの格好をしたエルトンが、かつての代表曲を歌う。この頃のエルトンは喉の調子が悪かったみたいで、声もかすれているものの、内容は申し分なし。昔の曲を改めて陽の当たる場所に連れてきた、という感じ。
①パイロットに連れていって ②君は護りの天使 ③布教本部を焼き落とせ

REG STRIKES BACK(1988)☆☆☆
前作の好評もあり、息を吹き返した感のあったエルトンが、その好調を持続させたアルバム。個人的には、それほどの出来とは思わないが、「アイ・ドント・ワナ・ゴー・オン」の予想外のヒットを生み、アルバムも成功した。
①ワード・イン・スパニッシュ ②モナ・リザ・アンド・マッド・ハッターズ(パートⅡ) ③グッバイ・マーロン・ブランド

SLEEPING WITH THE PAST(1989)☆☆☆☆☆
エルトンの80年代を締めくくるにふさわしい傑作。久々に「ヒーリング・ハンズ」という名曲を生み出し、「サクリファイス」はイギリスで初の一位となり、エルトンの新たなスタンダードとなった。他の曲もスタイルは様々だが、佳曲揃い。もっと多くの人に聞かれるべき名盤。
①ヒーリング・ハンズ ②聖なる女 ③恋人たちの酒場

THE ONE(1992)☆☆☆☆
エルトン3年振りのオリジナル・アルバムだが、この間、クスリやアルコールを断ち切るべく、治療を受けていたそうな。立ち直っての第一作で、全体的に落ち着いた雰囲気だが、生きる喜びみたいなのを感じさせる曲も多い。打ち込みメインの音作りが気に入らないが、内容は申し分なし。
①ザ・ワン ②アンダースタンディング・ウーマン ③ランナウェイ・トレイン

DUETS(1993)☆☆☆☆
邦題『デュエット・ソングス』。タイトル通り、15人の友人たちとのデュエットを収録したアルバム。1曲を除いて全てこのアルバムの為の新録。なかなか楽しく聴けてよろしい。企画が持ち上がってから、共演相手とのスケジュール調整、選曲・作曲、スタジオ予約、レコーディングまで、2ヶ月でやってしまったそうな。
①ティア・ドロップス ②ザ・パワー ③リアル・シング

MADE IN ENGLAND(1995)☆☆☆☆
あの感動的だった来日公演の直後に出たアルバム。今回は、曲もサウンドもシンプルに徹している。バンド演奏も打ち込み主体ではないし。ほぼ全曲ワンワードのタイトルにも、それは表れている。エルトンの90年代では、一番出来の良いアルバムと思う。
①メイド・イン・イングランド ②ライズ ③ベルファスト

THE BIG PICTURE(1997)☆☆
90年代のエルトンは、サントラも手がけてヒットを出したが、そういう活動が裏目に出たアルバム。打ち込みによるバラードばかりが並び、やたら長ったらしい曲名も鬱陶しい。これでいいのかエルトン、と当時は思った。唯一ピアノで歌われるタイトル曲だけが救い。
①ビッグ・ピクチャー ②③なし

ONE NIGHT ONLY(2000)☆☆
エルトン4枚目のライブ盤。正直言って、ちょっと頂けない内容。声も出ていないし、高音を他の人に助けて貰ってるし、ほんとにエルトン大丈夫なのか? とマジ心配だった。
①②③なし

SONGS FROM THE WEST COAST(2001)☆☆☆☆
エルトン起死回生のアルバム(何枚目だよ)。1曲目のピアノのイントロを聴いた瞬間、凄くホッとした。ライオン・キングやアイーダも悪くはないが、ああいう活動を続けていると、単に良い曲を作るだけの人に成り下がってしまうと危惧していたが、本作は実に“らしい”アルバムとなっている。ここ数年影を潜めていたアメリカナイズされた音作りも復活、この年の来日公演も素晴らしかった。
①エンペラーズ・ニュー・クローズ ②バーズ ③ディス・トレイン

PEACHTREE ROAD(2004)☆☆☆
21世紀に入っても快調なエルトン、なかなか良いペースで新作を出してきた。内容的には、やや地味というか、印象的な曲が少ないという気はするが、安定した内容とは言える。まだ安定に走って欲しくはないが。ファン以外にアピールする部分が少ないのも、やや不満。
①アンサー・イン・ザ・スカイ ②世界の重み ③マイ・エルーシブ・ドラッグ

THE CAPTAIN AND THE KID(2006)☆☆☆☆
かつての名盤の続編か、と思いきや、そういうのではなかった。タイトル曲には引用されているが。全体としては、エルトンらしさ満開のアルバムである。前作でバラード多めの傾向が見られたが、本作ではパランスが取れていてよろしい。
①リチャード・ニクソンからの葉書 ②ノアの箱船のように ③キャプテン・アンド・ザ・キッド

THE UNION(2010)☆☆☆
エルトンが昔から敬愛するレオン・ラッセルとの共演盤。もちろん、アメリカ南部にどっぷりと浸った内容であろうと思ったが、意外とそうでもないという印象。個人的には、もっとアーシーに迫って欲しかったが。印象に残る曲が少ないのも残念。
①ヘイ・エイハブ ②ゴーン・トゥー・シャイロー ③モンキー・スーツ

THE DIVING BOARD(2013)☆☆☆☆
エルトンがチョー久々に、ピアノ・ベース・ドラムのトリオ編成でレコーディングしたアルバム。シンプルなプロダクションとキーが低くなったけどシブいエルトンの声、そしてニュアンス豊かなピアノが堪能出来る。
①オスカー・ワイルド・ゲッツ・アウト ②ザ・バラード・オブ・ブラインド・トム ③ホーム・アゲイン

WONDERFUL CRAZY NIGHT(2016)☆☆☆☆
目下のところ最新作。70才になって、まだこんなにポップで若々しいアルバムを作れるなんて、やはりエルトンは凄いと思わずにはいられない。年齢もあるし、いつまでこの路線を続けられるのかは分からないが、可能な限り頑張って貰いたいと思う。
①ワンダフル・クレイジー・ナイト ②イン・ザ・ネーム・オブ・ユー ③クロー・ハマー

ふう、疲れた(笑) 如何でしょうか? 参考になれば嬉しいです。

どうでも良い事だが、僕が初めて買ったエルトンのレコードは『グレイテスト・ヒッツVol.2』である。それも、発売から一年以上過ぎてた(笑) 有名なヒット曲は知ってたので、エルトンを初めて聴いた、という訳ではなかったのだが、『グレイテスト・ヒッツVol.2』でも知らない曲が多かった。また、アルバムはほとんど聴いておらず、レコード帯の裏に書かれたエルトンのディスコグラフィを見て興味をつのらせていたのを、今でも鮮明に覚えている。独特の邦題に惹かれたというのもあるけど(笑)

3行レビューにもちらと書いたが、僕がエルトン・ジョンを初めて見たのは、忘れもしない、1995年の2月、場所は日本武道館である。エルトンはパーカッションのレイ・クーパーと共に来日し、二人だけのコンサートを行ったのだ。その時でも、単独での来日公演は20数年振り、と聞いたような気がする。実に素晴らしいコンサートだった。本当に感動的だった。自然と涙していたのではなかろうか。今でも、あのコンサートは我が人生の5本指に入る出来事と言っていい。

いやいや、エルトンについて語り出した止まらないなぁ(爆)
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2 コメント

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Unknown (aki)
2019-09-08 17:03:38
長文、お疲れ様でした。

ロケット・マンではYour Songのシーンが私も一番グッときました。涙出ちゃいましたもん。
>そして、そのままあのメロディがエルトンから流れ出すのだ。ただそれだけなんだけど、なんか感動したな。
それだけゆえに(?)神がかったシーンでしたね。鳥肌モノでした。
>次は、ミュージシャンを題材にするなら、ひたすら人間ではなく表現者としての苦悩を描いた映画、ってのも観てみたい。
確かにそうですね。でも偏った(?)ミュージシャンという題材よりも「人間」を扱った方がやはり万人ウケするということなのでしょうかね。

「黄昏のレンガ路」は世間的には高い評価ですけど、オーナーさんは辛目(?)の採点なんですね(笑)。エルトン・ジョン初心者(というのもおこがましいレベル)の私にはアルバムレビュー、大変役立ちそうです。勉強させていただきます!
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Unknown (MFCオーナー)
2019-09-08 21:22:16
♪akiさん

>長文、お疲れ様でした。

こちらこそ、最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。

>ミュージシャンという題材よりも「人間」を扱った方がやはり万人ウケするということなのでしょうかね

だから、『ボヘミアン・ラプソディ』を見て、フレディのファンになるのはいいけど、どこがいいか聞かれると、生き方が好き、なんて見当はずれの事を言う輩が、たくさん湧いてくるのですね。まず、ミュージシャンとして評価しなさい!

>オーナーさんは辛目(?)の採点なんですね

ファンの中でも少ないみたいですね(笑) どう聴いても、『キャプテン・ファンタスティック』の方が上と思いますけど(笑)

>アルバムレビュー、大変役立ちそうです

お役に立てれば嬉しいです。可能な限り、色々聴いてみて下さい。健闘を祈ります(笑)
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