いえ、そういうタイトルのCDが出てるのは知ってます(汗)。これですね。ただ、今回は僕の持ってる中から、ジェフ・ポーカロのセッション参加作を拾ってみよう、という企画でして^^;
例の“Tribute To TOTO & Jeff Porcaro”の直後に、このネタであればタイムリーなんだけど、あれやこれやで遅くなってしまった(笑) ジェフ・ポーカロといえば、TOTOでの活動以外にレコーディング・セッションも数多くこなし、誰でも知ってるようなアーティスト(アルバム)はもちろん、かなり意外な人の作品に参加していたりもする。TOTOセッションなどでお題になるのは、やはり有名どころが多いが、それ以外でもなかなか捨てがたいプレイもあるので、そういうのも合わせて何枚かピックアップしてみた。
Katy Lied/Steely Dan
何故か、TOTOセッションではお題にならないスティーリー・ダンだが(笑)、このアルバムは名盤である。個人的には最高傑作と思っている。で、若き日のジェフ・ポーカロ(多分、20歳くらいでは?)は、一曲を除いて全曲に参加し、実にタイトなプレイを聴かせている。というか、ジェフのプレイ・スタイルとスティーリー・ダンの音楽性は、とても相性がいい。ジャズの要素も取り入れてはいるものの、かなりロック寄りだしね。ルーズでもファンキーでもなく、タイトでジャストなジェフのスタイルにはピッタリだ。つーか、そこを見込んで、スティーリー・ダンはジェフを採用したのだろう。ま、とにかく、ジェフのファンでなくても一聴をお薦めします(笑)
Down Two Then Left/Boz Scaggs
このアルバムと、前後の『Silk Degrees』『Middle Man』を合わせて、勝手にボズの三部作と呼ばせて頂くが(笑)、その三部作の中では本作が一番出来が良いと思う。ボズ・スキャッグス=オシャレなAOR、というイメージが最も似合うアルバムとも言える。このアルバムでは、ジェフは全曲に参加、当時(1977年頃)のトレンドだった、フュージョン的プレイを随所で聴かせる。ちょこちょこと16を混ぜるハイハット、リムショットの多用、スネアの代わりのタム、ハイハットのオープン・クローズを混ぜ込んだフィル等々、さりげない小技がたっぷりと堪能できる訳だ。8ビートから脱却したいドラム小僧たちは、こぞってマネしたのではないかな。僕も一時期そうだったけど(笑)
RIT/Lee Ritenour
A面にエリック・タッグをフューチャーした歌もの、B面はインストという構成のアルバムだが、白眉はなんといっても、A-1の「ミスター・ブリーフケース」であろう。この一曲の為にアルバムを買っても決して損ではない、というくらいカッコいいのである。で、この曲に参加してるのが、リー・リトナー、エリック・タッグを除くと、デビッド・フォスター、デビッド・ハンゲイト、そしてジェフ・ポーカロであり、顔ぶれを見ても想像つく通りの都会的AOR。もし、TOTOファンで、この曲聴いた事ない人がいたら、明日買ってくるように(爆) このアルバムには、他にハービー・メイソンらが参加しているが、その軽やかなプレイと比較すると、ジェフとの違いが分かって面白い。
Jump Up/Elton John
ご存知エルトンの1982年のアルバムだが、全曲ジェフが叩いているなんて、意外と知らない人も多いと思う。僕も、LP買ってクレジット見た時、ちょっと驚いた(笑) しかし、いいプレイしてますよ。アルバム自体もエルトン起死回生の名盤だが、全編に漂う若々しさというか活力は、やはりジェフのドラムによってもたらされたものではないか、と本気で思う。ま、このアルバムに至るまでの4~5年のエルトンは、ミョーに脱力したような感じだったから、余計に本作の勢いの良さが目につくのだろうけど(笑)
Meanwhile/10cc
1992年に発表された、10ccの再結成第一弾アルバム。ジェフは全曲に参加。再結成とはいえ、相変わらずエリック・スチュワートとグレアム・グールドマンの二人だけだが、久々に曲も粒よりでバラエティ豊か、ジェフの参加によりサウンドも強化されて、なかなかの好盤である。オープニングを飾る「ウーマン・イン・ラブ」のスライドは絶品です。ジェフ自身は、目立つ事はしてないけど、要所を押さえて、見事なサポートぶり。さすがです。確か、このアルバムが出て2~3ヶ月後にジェフは亡くなったはずで、セッション作としては生前最後ではなかろうか。
Living Eyes/Bee Gees
前評判の割りには売れなかったけど(笑)、ビージーズの隠れた名盤である。なんと、このアルバムには、ジェフの他、スティーブ・ガッド、ラス・カンケルも参加しており、実に珍しいジェフとガッドのツイン・ドラムの曲まである(笑) ま、ガッドが自分の参加曲で凄いプレイをしてしまっているので、それと比べるとジェフのプレイは地味かな^^; ビージーズ特有の変拍子は、さすがに上手くこなしてるけど。余談だが、ジェフは後に、ビージーズはやたらと注文が多くてうるさい、と言ったとか言わないとか(笑) ビージーズにとっては不名誉な作品のせいか(笑)、現在では入手困難なのが残念。
Extensions/The Manhattan Transfer
ジェイ・グレイドンのプロデュースで、ポップ市場にも進出して、成功を収めたマンハッタン・トランスファーであるが、このアルバムからシングル・カットされた「トワイライト・トーン」のドラムがジェフである。派手な事はやってないが、いかにもジェフと言わんばかりの、グッとくるプレイがよろしい。ブレイクの後のフィルの切れ込み具合とか、ほんと絶品である。単純なようだが、ジェフならでは、である。ついでに言うと、この曲でのグレイドンのギター・ソロも実にお見事。
Repeat Offender/Richard Marx
ベスト・セラーとなったリチャード・マークスの1stには、トム・キーンなど、いわばTOTOの弟分みたいな連中が参加してたので、その繋がりでジェフとスティーブ・ルカサーが呼ばれたのか、この2ndアルバム一曲目の「ナッシン・ユー・キャン・ドゥー・アバウト・イット」に、この二人が揃って参加している。ソリッドでいかにもウエスト・コーストらしいハード・ロック曲で、ジェフもルカサーも実に余裕のプレイ。アルバムの中でも、出来の良い一曲と言える。
Another Page/Christopher Cross
デビュー・アルバム『南から来た男』が大ベスト・セラーとなり、グラミーの主要4部門を制覇したクリストファー・クロスが、満を持して発表した2ndである。個人的には、いいアルバムだと思うんだけど、1stがヒットし過ぎたせいか、あまり評判良くなかったような記憶がある。本作からの第一弾シングル「オール・ライト」に、ジェフとルカサーがまたもや揃って参加(笑) 二人とも、的確なプレイでナイス。
PM9/矢沢永吉
我らの永ちゃんは、一時期ウエスト・コーストで、元ドゥービーのジョン・マクフィーやボビー・ラカインドらとアルバムを作っていたが、このアルバムには、ジェフとルカサーの他、アンドリュー・ゴールドやニコレット・ラーソンも参加してたりなんかして、正にウエスト・コースト・オールスターズって感じ(笑) しかし、本作は全曲永ちゃんのオリジナルで、全て日本語詞であり、そのせいか実に気合の入ったロック・アルバムとなった。タイトな演奏をバックに、永ちゃんのボーカルが熱い。
と、まぁこんな感じ。興味持った人は、是非聴いてみて下さい(笑)
それにしても、こうして並べてみると、ジェフも幅広くセッション参加してるようだけど、音楽的には、さほど節操なく何でもやる、という感じでもない。やはり、名前だけでなく、自分の音楽との相性を考慮し、作品の完成度をより高めてくれるドラマーとして、ジェフが呼ばれたという事なのだろうと思う。上記の作品たちは、全てジェフを呼んだことがプラスに作用している。ま、未聴だけど、ジェフを呼んだ意味が全然ない、という作品も少なからずあるらしい。これは、ジェフが悪いのではなく、楽曲もプロデュース・ワークもレベルが低く、結果的にいいミュージシャンを使っても駄作は駄作、というアルバムらしいけどね。ま、ジェフに限らず、一流を呼ぶなら、一流の曲を用意しないとダメですよ、という事か(笑)
今でもしばらく聴かないと禁断症状が出るほど大好きなアルバムです。
数多のポーカロ参加のアルバムからのオーナー・チョイスですが、私が辿ったポーカロと傾向がほぼ同じです。
あ、Eric Carmenもお忘れなく(笑)
ということで、
明日は野次飛ばしに来て下さい(笑)
20数年前の週刊FMの記事では、数小節を何度も叩かせるとぼやいてました。そして彼らは、その数小節を切り貼りしたのでした。
>現在では入手困難なのが残念。
以前はヤフオクで1万円超えての取引もありましたが、数年前、ビージーズ全作品再発売により、まだ入手可能です。
>明日は野次飛ばしに来て下さい(笑)
私には来なくていいって言ったのに(涙)
(でびっどふぉすたぁも参加しとるし…)
>「RIT」出てくるとは・・・
このアルバムお好きとは、やや意外でした。気楽に聴けるアルバムですね。僕は、B面の方が好きでしたけど。
>あ、Eric Carmenもお忘れなく
すっかり忘れてました(爆) 嘘です(爆) エリック・カルメンは、ベスト盤しか持ってないもので...^^;
>明日は野次飛ばしに来て下さい
投げキッスしに行きます(爆)
♪忍者さん
>数小節を何度も叩かせるとぼやいてました。そして彼らは、その数小節を切り貼りしたのでした。
所詮ドラムですから、何度叩いても同じでしょうに、その上切り貼りまでするとは、完璧主義者というかなんというか...
>数年前、ビージーズ全作品再発売により、まだ入手可能です。
アマゾンやHMVでは扱ってませんので、既に廃盤でしょう。店頭在庫を見つけるしかなさそうですが、再発の時も、『リビング・アイズ』を見かけなかったのは何故?
それより、忍者さんは、ちゃんと買ったんでしょうね?
>私には来なくていいって言ったのに
日頃の貢献度の違いですね(なんのこっちゃ)
♪Jun Greenさん
>「富墓林」の「水引幕」
トミー・ボーリンとジェフ・ポーカロがレコーディングしたとは初耳でした。
♪センベーさん
>「リーマン、ポーカロを語る」
それやりだすと、際限ないもので...^^;
PVが格好よかったなあ。アメリカで80年代後半すごい人気ありましたもんね。
私には、ルカサーが参加してたからとかわからないけど(^_^;)、いい作品ですね。
>リチャードマークスとは懐かしかったです
ここに挙げた2ndの頃が人気のピークでしたね。このアルバムから、2曲も全米No.1を出して、ほんと絶好調でした。90年代に入ってからも、しばらくヒットを出してましたが、ここ数年、名前を聞かないのが残念です。
>いい作品ですね
個人的には、この前後の作品の方が好きです^^;
スティーリーダンにもいろいろ注文されて、
「この曲は僕には向いていない!他の誰かを雇うべきだろう!!」と逆切れしてスタジオ飛び出したと言う逸話も有りますが?^^<ジェフ
あと、渡辺美里の「Flower Bed」と言うアルバムにも何曲か参加していたはずですよ。
>「この曲は僕には向いていない!他の誰かを雇うべきだろう!!」と逆切れしてスタジオ飛び出したと言う逸話も有りますが?^^
ま、当時のジェフは若造ですからね。あれこれ無理難題を押しつけられる立場でしょう(笑) で、今手元に『Katy Lied』がないので分からないのですが、このアルバム中唯一ジェフが参加してない曲がありますよね? 「Your Gold Teeth Ⅱ」だと記憶してますが、ジェフは4ビート苦手だったのでしょうか?
>渡辺美里の「Flower Bed」
はぁ、聴いてないです。今回は、僕の持ってるアルバムから選んだもので^^;
ポーカロ通りに叩けと言われて、逆切れしてバンドを飛び出した人知ってます(爆)
>アマゾンやHMVでは扱ってませんので、既に廃盤でしょう。
最近のCDは、発売即廃盤ですからね。amazonは「ビージーズ」と「Bee Gees」で検索無いよう変わってきます。大きくは国内盤と輸入盤の違いでしょうか。
>それより、忍者さんは、ちゃんと買ったんでしょうね?
・・・amazonポチッとしなきゃ・・・(笑)