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いきなりだが、レコード・コレクターズ(以下レココレ)最新号の特集は「90年代UKロックの名盤」である。今までにも、レココレが90年代を特集した事は何回かあるが、UKロックに絞ったのは、おそらく今回が初めてだ。何故、今、90年代UKロックなのか、は不明。ひょっとして、オアシスが再結成したからかな(笑)
90年代のUKロックと言えば、なんたってブリット・ポップだよね。全盛期は意外と短かったと言われるブリット・ポップだが、ブラーとオアシスという2大バンドが牽引してた感が強く、実際、この2バンドの新曲が同日に発売されると発表された時は、どちらがチャートの1位になるか、と本国イギリスだけでなく、日本でも盛り上がっていたような記憶がある(結果はブラーの勝ち)。
あと、個人的には、90年代初頭の”マッドチェスター”とか、レディオヘッドの登場などを、90年代UKの重要なムーブメントとして捉えているが、そんなに詳しくない(苦笑) レディオヘッドはやたら評判になってて、後年”レディオヘッド前とレディオヘッド後"とまで言われるくらい、重要なバンドになっていたのは覚えてるけど、そんなに凄いの?というのが正直な所だった(笑)レディオヘッドちゃんと聴いてないし^^;
という訳で、まずはレココレの『90年代UKロックの名盤』からいきましょう(笑) いつもと同じように、レココレのライターたちがセレクトした結果を基に、編集部で130枚選定した、とのこと。で、順位はないけど、おそらく最初に紹介されている10枚が、上位10枚なのだろう、と推測し(この10枚は、見開き2ページ使って紹介されているし)、まずレココレ選定の上位10枚を、ここに紹介させて頂く。
ノーホエア/ライド
スクリーマデリカ/プライマル・スクリーム
愛なき世界/マイ・ブラッディ・バレンタイン
バンドワゴネスク/ティーンエイジ・ファンクラブ
スウェード/スウェード
パークライフ/ブラー
モーニング・グローリー/オアシス
コモン・ピープル/パルプ
OKコンピューター/レディオヘッド
アーバン・ヒムス/ザ・ヴァーブ
見事なまでに、名前は知ってるけど、聴いた事ない、というのばかり(笑) ちなみに、↑の10枚のうち、僕が持ってるのはスウェードとオアシスの2枚だけ。予想通りってとこか。ちなみに、130枚掲載されている中でも、全部で11枚しか持ってない。なので、どうでもいい事ではあるが、その11枚を紹介させて頂く。
スウェード/スウェード
モーニング・グローリー/オアシス
ラーズ/ラーズ
ピルズン・スリルズ・アンド・ベリーエイクス/ハッピー・マンデーズ
スターズ/シンプリー・レッド
天使のため息/ベル・アンド・セバスチャン
蒼い囁き/シンニード・オコナー
ネバー・ラブド・エルビス/ワンダー・スタッフ
パーバース/ジーザス・ジョーンズ
ギブ・アウト・バット・ドント・ギブ・アップ/プライマル・スクリーム
アンプリファイド・ハート/エブリシング・バット・ザ・ガール
スウェード、ハッピー・マンデーズ、ワンダー・スタッフといった所は、それぞれムーブメントは違えど、当時レコード屋で結構プッシュされてた印象が強い。あの頃は、もっと色々聴かなければ取り残されてしまうと思ってたので、薦められるままに買って聴いてたのだ。1994年頃、なんとなくロッキンオンを買って読んでみたら、編集部挙げてスウェードを猛プッシュしてたもんで、その勢いに負けて買ってしまったような気がする(笑) まぁ、新しいのについていけないとか言われるくらいなら死んだ方がマシ、とか思ってたオールド・ロック・ファンの弱みを、上手い事突いてきた気はするね(笑) で結局、ハッピー・マンデーズやワンダー・スタッフはともかく、スウェードは全く良いと思えなかった。誰にも言わなかったけど(爆)
前にも書いたと思うけど、ジーザス・ジョーンズは、僕にとって新感覚のロックだった。シンプリー・レッドは、以前から好きだったので、新譜のニュースを聞いてすぐ買った。UKロック云々は関係なく、『スターズ』はシンプリー・レッドの名盤と思ってる。ベル・アンド・セパスチャンはレココレの「90年代の名盤」特集を見て買ってみた。
で、ダンサブルな音楽性を打ち出したハッピー・マンデーズやストーン・ローゼス、60年代のポップ・エッセンスを90年代に蘇らせたかのようなブラーやオアシス、良く分からんけど斬新だったらしいレティオヘッド、といったあたりが90年代UKを代表するムーブメントだったようだが、個人的には、今回のレココレの特集を読んでると、まだ他にも90年代の重要なムーブメントがあるような気がする。それは”シューゲイザー”である。
シューゲイザー。独自に調べたところによると、1980年代後半から90年代にかけて注目されたジャンルで、深いディストーションをかけたノイジーなギターと意外に分かりやすくポップな歌メロが特徴。代表的バンドとしては、ジーザス&メリーチェイン、マイ・ブラッディ・バレンタイン、ライド、チャプターハウス、といった所が挙げられる。プレイヤーたちが、エフェクターを見ながら演奏する事が多く、いつも下を向いて演奏しているので、シューゲイザー(靴を見る人)と呼ばれるようになったらしい。僕は、この音楽を愛好する人たちが、下を向いて聴いているので、こう呼ばれるようになったと思ってたけど、ちと違うようだ。
名前が挙がった中でも、特に評価が高いのがマイ・ブラッディ・バレンタインの『愛なき世界』で、レココレだけで見るなら、「90年代の名盤」とか「1991年のベスト・アルバム」といった特集でも、このアルバムは上位に入っている。これだけプッシュされてると興味を持ってしまうのは、人として避けられない事であり(笑)、実際、僕もマイ・ブラッディ・バレンタイン及び”シューゲイザー”に興味を覚えたが、まだ手は出していない(笑)
あちこちで調べてみると、マイ・ブラッディ・バレンタインの『愛なき世界』は、シューゲイザーというスタイルを完成させ、世間に知らしめて浸透させた名盤である、との評価が高い。となれば聴いてみたくもなるが、未知のジャンルでもあり手を出しづらいので、YouTubeで2曲ほど聴いてみた。すると、最初に想像してたほど暗くない。もっとダウナーで暗い音楽た思ってた。それと、ギターが思ってたほどノイジーではなく、むしろクリーンなトーンだった。歌メロも分かりやすい。”シューゲイザー”は、予想してた以上にポップな音楽だった。マイ・ブラッディ・バレンタイン以外のバンドは、まだチェックすらしてないが(苦笑)
僕にとっては、UKロックというのは、ブルース・ロックからハード・ロック、プログレ、ジャズ・ロック、フォーク、トラッド、電子音楽、パンク、と多岐に渡るもので、決してひとつのジャンルで語れるようなものではないのだが、今回の「90年代UKロック」特集を見て思うのは、昔ほどジャンルが細分化されてないってこと。UKでも、ブリット・ポップ以外の勢力は、当時もあったはずだが、重要ではないとの判断で編集部が外したのか。ま、確かに重要ではなかったろうね(苦笑) 僕自身の話をすると、90年代はアメリカを中心としたオルタナ系に興味が集中してて、あまりUKには目配りしてなかったなぁ、という気がする。スウェードに限らず気に入ったバンドが少なかったしね(苦笑) ただ、ここ何年かで知った”シューゲイザー”が重要なムーブメントであったというのは新鮮な衝撃であり、今さらではあるが、”シューゲイザー”に興味を覚えているのも事実。今後は”シューゲイザー”を軸に90年代UKロックを見てみたい、と思う。
こういう事があるから、昔のロックを追いかけるのは止められないのだ(笑)
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