私のワックス・ジャケット。今じゃ日本に溢れている英国のBarbour(バブアー)社の製品だ。英国に出張した時に買って帰ったGamefairというモデルで、そのモデルはとっくに生産中止になっている。
このジャケットは、この冬でなんと着用するのが26シーズン目を迎えた。つまり購入以来、この冬で25年を経過することになる。
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Barbourのワックス・ジャケットはメンテナンスを怠らなければ、ずっと着られる。
メンテナンスはこの動画(↓)のようにすればいい。ジャケットの表面のワックスは徐々に落ちて来るが、市販されているBarbour社のワックスを加熱して溶かして、ジャケットの表面に塗るだけでよい。ナイロンやゴアテックスなんてものがなかった時代から延々と続く素朴な防水機能。
今じゃ他にいろんな便利な素材があるのに、コットン製ジャケットの上にロウを塗って防水することを今も続けるって、英国らしいよね。
下の画像にある缶が、上の動画でも出て来たワックスである。
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そうしたメンテナンスを自分で施していても、同じジャケットを四半世紀もの間着ていると、そのジャケットにあちこち破損する箇所が出て来る。古くなったクルマがあちこち故障するのと同じである。すでに私は破損個所の修理も経験しているが、このジャケットも年月の経過とともに加速度的にあちこちがおかしくなってくる。
こちらが新たな破損個所だ。番号をつけたところのすぐ下に大小の穴が開いてしまっている。
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さて、これらをどうするか? 修理を依頼して、ついでに長年溜まりに溜まった余計なワックスをそぎ落とすことと、その上に新たなワックスを上手く薄く塗ることを日本の専門業者さんあるいはBarbour社に委託するか? その金額はいくらになるか? このジャケットを購入した時30代半ばだった私は、今還暦を過ぎたところだ。さて、購入から四半世紀経ってすでにヨレヨレのこのジャケットを、仮に金をかけて業者さんに委託したとして、その後私はそれを何年使えるか? そしてそれがいよいよボロボロになった時、私は何歳か? また数年後問題が出るかもしれないし・・・。
要約する:
1.修理とワックスの完全な塗り替えをプロに依頼した時にかかる費用はいくらか?
2.相当な費用をかけて、すでにこの古いジャケットが、その後何年使えるか?
3.それがいよいよ最終的にボロボロになった時、私は何歳か?
この3つのことを考える。するといっそのこと、そろそろ新しいワックス・ジャケットを買った方がいいだろうと、ケチな私は結論づけた。その新品を今後四半世紀あるいは30年くらい着たら、もう十分でしょう。日本国内でBarbourのワックス・ジャケットを買うとあまりにも高価だが、海外通販を利用するなら、VAT抜きで日本国内価格の4割ほどの価格で買える。送料は大したことないし。
しかし新たなBarbourのワックス・ジャケットを着ることには問題があるのだ。鼻たれ小僧ならともかく、還暦過ぎのおっさんが新品のBabourを着るのは、実はちょっと恥ずかしいことなのである。あれはボロボロなのがいいのだ。ツイードのジャケットやコートと一緒だ。伊達男でケンブリッジにも留学した白洲次郎はツイードについて「あんなものは軒先に何年かつるして放置しておいてから、着たらいい」と言ったとか。Barbour社のワックス・ジャケットもツイードも、ピカピカの新品はちょっと恥ずかしい。ということで、ワックス・ジャケットはいかにも年月を経たように、しかしちゃんとメンテナンスされているように見えることが粋なのだが、そのジャケットが十分古くなる頃にはあちこちが破損して、ワックスの通常のメンテナンスくらいでは問題が片付かなくなるという、とっても重大なジレンマを抱える。「なんでも新品ピカピカがいい」という日本とは、ちょっと話が違うのである。
それってモノをなんでも長持ちさせる傾向がある、とっても英国的な問題でもあるのだ。ちなみにこの本(↓)、いいですよー。Very British Problems(=とっても英国的な問題)。
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いかにも英国的な普通の人々の心理がたくさん書かれてある本。
この本の良いところは、一つの話がわずか数行で終わるところだ。これが例えば英語小説だと、意味がよくわからないまま適当に読むなんてことをしていると、やがて話の筋が何のことやらわからなくなってしまうが、そんなことはこの本では起こらないのである。しかも絵本みたいだし。
これ(↓)は、スマホを使うことを禁じられた電車車両の中で、それを使って話しまくる人のことを鬱陶しく思っている人のお話。
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日本にもいるよね。電車の中で大きな着信音を鳴らし、スマホを取り出して「今電車の中だからあとで詳しく話すけど、実はね・・・」なんてわざわざ会話する人。
一つの話が、上の画像に見るように数行の文章で終わり、ところどころに絵も出て来る。
こちらはBarbourのジャケット自体に興味はなく、ただそれを着たおとーさんが一緒に散歩に行ってくれたらいいなと思っているドガティ君。
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話は変わる。
一昨日、世界で一斉にサー・ポール・マッカトニーの最新アルバムが発売開始になった。
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同時に注文したら昨日届いた。
ロックダウン(Lockdown)下でロックダウン(Rockdown)して制作されたアルバムだそうだ。
サーはお元気なのである。自分で曲を作り、演奏し、歌っている。
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このアルバムを買うことは私の義務。
これはその中の1曲。
宜しければお楽しみくださいね。
このジャケットは、この冬でなんと着用するのが26シーズン目を迎えた。つまり購入以来、この冬で25年を経過することになる。
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Barbourのワックス・ジャケットはメンテナンスを怠らなければ、ずっと着られる。
メンテナンスはこの動画(↓)のようにすればいい。ジャケットの表面のワックスは徐々に落ちて来るが、市販されているBarbour社のワックスを加熱して溶かして、ジャケットの表面に塗るだけでよい。ナイロンやゴアテックスなんてものがなかった時代から延々と続く素朴な防水機能。
今じゃ他にいろんな便利な素材があるのに、コットン製ジャケットの上にロウを塗って防水することを今も続けるって、英国らしいよね。
下の画像にある缶が、上の動画でも出て来たワックスである。
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そうしたメンテナンスを自分で施していても、同じジャケットを四半世紀もの間着ていると、そのジャケットにあちこち破損する箇所が出て来る。古くなったクルマがあちこち故障するのと同じである。すでに私は破損個所の修理も経験しているが、このジャケットも年月の経過とともに加速度的にあちこちがおかしくなってくる。
こちらが新たな破損個所だ。番号をつけたところのすぐ下に大小の穴が開いてしまっている。
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さて、これらをどうするか? 修理を依頼して、ついでに長年溜まりに溜まった余計なワックスをそぎ落とすことと、その上に新たなワックスを上手く薄く塗ることを日本の専門業者さんあるいはBarbour社に委託するか? その金額はいくらになるか? このジャケットを購入した時30代半ばだった私は、今還暦を過ぎたところだ。さて、購入から四半世紀経ってすでにヨレヨレのこのジャケットを、仮に金をかけて業者さんに委託したとして、その後私はそれを何年使えるか? そしてそれがいよいよボロボロになった時、私は何歳か? また数年後問題が出るかもしれないし・・・。
要約する:
1.修理とワックスの完全な塗り替えをプロに依頼した時にかかる費用はいくらか?
2.相当な費用をかけて、すでにこの古いジャケットが、その後何年使えるか?
3.それがいよいよ最終的にボロボロになった時、私は何歳か?
この3つのことを考える。するといっそのこと、そろそろ新しいワックス・ジャケットを買った方がいいだろうと、ケチな私は結論づけた。その新品を今後四半世紀あるいは30年くらい着たら、もう十分でしょう。日本国内でBarbourのワックス・ジャケットを買うとあまりにも高価だが、海外通販を利用するなら、VAT抜きで日本国内価格の4割ほどの価格で買える。送料は大したことないし。
しかし新たなBarbourのワックス・ジャケットを着ることには問題があるのだ。鼻たれ小僧ならともかく、還暦過ぎのおっさんが新品のBabourを着るのは、実はちょっと恥ずかしいことなのである。あれはボロボロなのがいいのだ。ツイードのジャケットやコートと一緒だ。伊達男でケンブリッジにも留学した白洲次郎はツイードについて「あんなものは軒先に何年かつるして放置しておいてから、着たらいい」と言ったとか。Barbour社のワックス・ジャケットもツイードも、ピカピカの新品はちょっと恥ずかしい。ということで、ワックス・ジャケットはいかにも年月を経たように、しかしちゃんとメンテナンスされているように見えることが粋なのだが、そのジャケットが十分古くなる頃にはあちこちが破損して、ワックスの通常のメンテナンスくらいでは問題が片付かなくなるという、とっても重大なジレンマを抱える。「なんでも新品ピカピカがいい」という日本とは、ちょっと話が違うのである。
それってモノをなんでも長持ちさせる傾向がある、とっても英国的な問題でもあるのだ。ちなみにこの本(↓)、いいですよー。Very British Problems(=とっても英国的な問題)。
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いかにも英国的な普通の人々の心理がたくさん書かれてある本。
この本の良いところは、一つの話がわずか数行で終わるところだ。これが例えば英語小説だと、意味がよくわからないまま適当に読むなんてことをしていると、やがて話の筋が何のことやらわからなくなってしまうが、そんなことはこの本では起こらないのである。しかも絵本みたいだし。
これ(↓)は、スマホを使うことを禁じられた電車車両の中で、それを使って話しまくる人のことを鬱陶しく思っている人のお話。
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日本にもいるよね。電車の中で大きな着信音を鳴らし、スマホを取り出して「今電車の中だからあとで詳しく話すけど、実はね・・・」なんてわざわざ会話する人。
一つの話が、上の画像に見るように数行の文章で終わり、ところどころに絵も出て来る。
こちらはBarbourのジャケット自体に興味はなく、ただそれを着たおとーさんが一緒に散歩に行ってくれたらいいなと思っているドガティ君。
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話は変わる。
一昨日、世界で一斉にサー・ポール・マッカトニーの最新アルバムが発売開始になった。
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同時に注文したら昨日届いた。
ロックダウン(Lockdown)下でロックダウン(Rockdown)して制作されたアルバムだそうだ。
サーはお元気なのである。自分で曲を作り、演奏し、歌っている。
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このアルバムを買うことは私の義務。
これはその中の1曲。
宜しければお楽しみくださいね。