2月18日まで会期が延長されていたJohn とYokoの展覧会にやっと行ってきました。寒いけれど真っ青の空でいい一日でした。混雑もせず、ゆっくりと静かに見ることができました。入場料がふつうの展覧会に比べて高かったけれど、写真撮影OKで、映像や彼らの声が流れる会場で二人の世界のなかにはいることができました。
展覧会の内容は簡単に出会うまでの流れも描かれていましたが、二人が出会ってからの二人の歴史が中心でした。ビートルズのジョンではなく一人の人間としてのジョンが語られていました。
ジョンは作家、音楽家、アクター、画家と全部になりたかった若者で、芸術家と恋に落ちることを夢見た青年でした。そして見事にそのように生きたわけです。ヨーコは名家に生まれながら、革新的で若い頃からアーティストでした。戦後の体験が影響しているというようなパネルがありました。あの飢えた時代を経験していることが何かを生み出す力になっているような。
この作品に感動したジョン。下からでは見れなかったけれど小さな文字でyesと書いてある・・
ジョンとヨーコは運命的な出会いをするのだけれど、ヨーコはその頃女性からも反感を持たれそうなイメージでした。前衛芸術家でトラファルガー広場で作品の中でヌードになったことでいろいろ取り上げられたりしていました。
今回ヨーコの作品がいろいろ展示されて、ドキュメンタリーでもやっていたけどイマジンの詩に強い影響を与えた詩とかに才能があったのかと思いました。
ジョンはイマジンをヨーコとの合作にのちに修正しました。
芸術家の仕事は物事の価値を破壊することではなく、変えることです。そうすることで芸術家はこの世界を、すべての人が完全に自由な理想郷へと変えることができるのです。 ヨーコ
ジョンはヨーコの芸術の理解者で彼女を支えました。
ビートルズでは物足りなかったジョン。ビートルズ解散の原因とまでされたヨーコでしたね。今ではポールとも和解していると聞いたことがあります。
二人は多くの抗議運動に参加して、アメリカ政府から監視の対象となっていました。
今計らずも露見されてしまった日本の社会の問題。これはオリンピックの問題をはるかに超えた大きな問題だと思いました。150ヶ国中最下位に近い日本の女性の地位。男女不平等。オノヨーコはずっとそれと闘ってきていた。ジョンはあの時代にしては珍しく、主夫もこなし女性の大変さと尊さをWomanという曲に表わした。
アメリカでさえもNOVAに行っている時によく「ガラスの天井」の話が出た。アメリカのペンパルも今度アメリカの歴史上初めての女性副大統領に喜んでいました。しかもアジア系(インド)であることに。これでこそ移民の国だと。
女性にもそれなりの覚悟が必要だけど、男女格差のない世界を目指してほしい。今の若い女性が保守的に思えるのは私だけでしょうか・・
反戦運動やあらゆる不平等と闘った二人。
ヨーコは自分自身の創作のために、ジョンを遠ざけた時があった。芸術家同士の結婚はハードなものだったに違いない。
その後また二人は家庭を作り、ジョンは何年か経ってからまた音楽活動に復帰する。二人の共同作業が再開しました。
これは離山房で見たものと同じです。やっとグリーンカードが取れて、日本に出ることができて、軽井沢に滞在していた時代のものです。
結局ジョンはヨーコに映る自分を見ていたというか・・・ そんな感じがしました。
二人の愛の歴史を見ることができ、そして社会とのかかわりがすごい二人だったのだと改めて思いました。
最後に短冊を書いて、結びつけてきました。
愛と平和について静かに考えさせられる展覧会でした。
この後近くの国際文化会館で食事をとって、小川治兵衛の庭を回りました。まるで京都にでもいるような静かな気持ちになりました。高低差を作り、水が流れる音がして、展覧会の余韻を感じながら歩いていました。
Feb.9 2021 Roppongi