『日刊ゲンダイ』で連載しているコラム「テレビとはナンだ!」。
今週の掲載分は、TBS『クイズ☆タレント名鑑』について書いた。
見出し:
なんでもクイズにすればいいってもんじゃないゾ
コラム本文:
日本人ほど“クイズ好き”な民族はいない。
基本的に真面目。旺盛な知識欲。どんな問題にも、つい答えようとしてしまう律義さ。
正解を知るとちょっと得した気分になるが、元々クイズに限らず、何かを知ることは喜びでもあるのだ。
しかし、最近は出演タレントに合わせて問題のレベルが低下している。
「ネプリーグ」(フジ)などがいい例で、普通の人なら「知っていて当たり前」なことばかりだ。
そして、ついに問題自体がほとんど意味のない、答えを考える価値もないクイズが登場した。
それがTBS「クイズ☆タレント名鑑」である。
「タレント名鑑」とは業界御用達の出版物。
俳優・タレントの所属事務所、生年月日、代表作の他、身長や靴のサイズなども載っている。
彼らが使う衣装や小道具の準備に必要な数字だからだ。
さて、「クイズ☆タレント名鑑」の出題である。
猫ひろしは身長160㌢を超えているか。
篠原涼子は「笑っていいとも!」にレギュラー出演していたか。
つぶやきシローの年齢は41歳から43歳の間か。
さらに、品川ヒロシの著書「ドロップ」は百万部以上売れたか。
はっきり言って、どーでもいい問題であり、視聴者が答えを知りたい内容だとも思えない。
作り手にとっては手間と予算の節約かもしれないが、何でもクイズにすればいいってもんじゃない。
(日刊ゲンダイ 2010.09.07付)