碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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TBS『クイズ☆タレント名鑑』の正解を知りたいか!?

2010年09月07日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』で連載しているコラム「テレビとはナンだ!」。

今週の掲載分は、TBS『クイズ☆タレント名鑑』について書いた。


見出し:

なんでもクイズにすればいいってもんじゃないゾ

コラム本文:

日本人ほど“クイズ好き”な民族はいない。

基本的に真面目。旺盛な知識欲。どんな問題にも、つい答えようとしてしまう律義さ。

正解を知るとちょっと得した気分になるが、元々クイズに限らず、何かを知ることは喜びでもあるのだ。

しかし、最近は出演タレントに合わせて問題のレベルが低下している。

「ネプリーグ」(フジ)などがいい例で、普通の人なら「知っていて当たり前」なことばかりだ。

そして、ついに問題自体がほとんど意味のない、答えを考える価値もないクイズが登場した。

それがTBS「クイズ☆タレント名鑑」である。
 
「タレント名鑑」とは業界御用達の出版物。

俳優・タレントの所属事務所、生年月日、代表作の他、身長や靴のサイズなども載っている。

彼らが使う衣装や小道具の準備に必要な数字だからだ。

さて、「クイズ☆タレント名鑑」の出題である。

猫ひろしは身長160㌢を超えているか。

篠原涼子は「笑っていいとも!」にレギュラー出演していたか。

つぶやきシローの年齢は41歳から43歳の間か。

さらに、品川ヒロシの著書「ドロップ」は百万部以上売れたか。

はっきり言って、どーでもいい問題であり、視聴者が答えを知りたい内容だとも思えない。

作り手にとっては手間と予算の節約かもしれないが、何でもクイズにすればいいってもんじゃない。

(日刊ゲンダイ 2010.09.07付)