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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

言葉の備忘録37  矢作俊彦『複雑な彼女と単純な場所』

2010年09月18日 | 言葉の備忘録

本のカバーを見て、いいなと思い、そのまま買っちゃうことがある。

“カバー買い”だ。

レコード(今はCDだけど)のジャケット買い、“ジャケ買い”と同じ。

矢作俊彦さんの『複雑な彼女と単純な場所』(新潮文庫)は、そんな一冊だった。

単行本は東京書籍から1987年に出ているが、3年後に出たこの文庫版のカバーのほうが10倍くらい素敵だったのだ。

これって、矢作さん初のエッセイ集である。

漫画家の大友克洋さんと一緒に、函館までカニを食べに行く珍道中を描いた伝説のエッセイ「カニを、もっとカニを!」「カニを、さらにカニを!」が収録されている。

何より「複雑な彼女と単純な場所」のタイトルと、このカバー写真。

20年後の今見ても、いいものは、やはりいい。



ボリス・ヴィアンに仏訳を出されたレイモンド・チャンドラーが幸福だったかどうか、誰にも判らない。
――矢作俊彦『複雑な彼女と単純な場所』


ふるさとの新しい図書館

2010年09月18日 | 本・新聞・雑誌・活字

故郷の町に出来た、新しい図書館に行ってきた。

“新品”の図書館というのは、さすがに気持ちがいい。



今年80歳になる母は、すでに図書館の貸出カードを入手していて、著者別に並べられた書架の間を、ゆっくりと本を探して歩いている。


そうそう、私の本『テレビが夢を見る日』『テレビの教科書』も、報道・メディアのコーナーで発見(笑)。



子どもの本のエリアには、『ニュースの大研究』がちゃんと置かれていた。

ぜひ、故郷の後輩である子どもたちに読んで欲しい。


中心市街地活性化の一環でもあり、図書館以外にも、市民が使える適度な広さの部屋がいくつもある。

音楽練習室もあって、コーラスや楽器の練習ができるようだ。

箱モノは、造っただけではダメで、どう活用していくかが大事。

市民が、毎日でも行きたくなるような場所になるといいなあ、と思う。