碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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言葉の備忘録39 井上理『BUZZ革命』

2010年09月21日 | 言葉の備忘録

教え子の本が出た。しかも、これが面白い(笑)。

慶応SFC碓井ゼミOB、井上理(いのうえ・おさむ)君の『BUZZ革命』(文藝春秋)。

井上君は、大学を卒業すると日経BP社に入り、現在は「日経ビジネスオンライン」記者として活躍中だ。

前著の『任天堂“驚き”を生む成功方程式』(日経新聞出版社)もそうだったが、今回も、テーマといい、ポイントを押さえた取材といい、その取材を踏まえた知見といい、かなり刺激的なビジネス書籍だと思う。

ちなみに、BUZZとは「WEB空間を疾走する無数のクチコミ」のこと。

モノが売れない時代にクチコミで売るとはどういうことなのか。

何より、今、ビジネスの世界で、またメディアや広告の世界で、一体何が起きているのか。

現在進行中の現実が、そして実相がよく見えてくる。



もう一度、問う。なぜ、いま「メディア崩壊」なのか。カギは、メディア産業を支えてきた広告の変質と、その変質をもたらした「BUZZ」、いわゆるクチコミが握っている。むろん、クチコミの担い手は消費者である。
――井上理『BUZZ革命』