教え子の本が出た。しかも、これが面白い(笑)。
慶応SFC碓井ゼミOB、井上理(いのうえ・おさむ)君の『BUZZ革命』(文藝春秋)。
井上君は、大学を卒業すると日経BP社に入り、現在は「日経ビジネスオンライン」記者として活躍中だ。
前著の『任天堂“驚き”を生む成功方程式』(日経新聞出版社)もそうだったが、今回も、テーマといい、ポイントを押さえた取材といい、その取材を踏まえた知見といい、かなり刺激的なビジネス書籍だと思う。
ちなみに、BUZZとは「WEB空間を疾走する無数のクチコミ」のこと。
モノが売れない時代にクチコミで売るとはどういうことなのか。
何より、今、ビジネスの世界で、またメディアや広告の世界で、一体何が起きているのか。
現在進行中の現実が、そして実相がよく見えてくる。
もう一度、問う。なぜ、いま「メディア崩壊」なのか。カギは、メディア産業を支えてきた広告の変質と、その変質をもたらした「BUZZ」、いわゆるクチコミが握っている。むろん、クチコミの担い手は消費者である。
――井上理『BUZZ革命』