碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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ドラマ「打ち切り」と「視聴率」をめぐって

2012年06月07日 | 「北海道新聞」連載の放送時評

北海道新聞に連載している「碓井広義の放送時評」。

今回は、ドラマの打ち切りと視聴率の関係について書きました。


ドラマ打ち切りと視聴率
最後まで見る権利ある

ドラマ「家族のうた」(フジテレビ)が3日で打ち切られた。理由は視聴率の低迷だ。特に、5月6日の第4話で3・1%まで落ち込んだことが致命傷となった。オダギリジョー演じる元人気ロックミュージシャンが、突然現れた〝わが子〟と暮らすことで成長していく物語。日曜夜9時枠と内容のマッチングなど問題はあったが、ドラマとしての出来が極端に悪かったわけではない。

もう1本、「クレオパトラな女たち」(日本テレビ)も6月6日放送分で打ち切りとなる。主演は佐藤隆太。美容外科クリニックを舞台に医師や患者の人間模様を描いてきた。大石静の脚本はやや露悪気味だが、整形する女性たちの心の闇に迫る野心作だ。しかし、視聴率は7%台で推移していた。

珍しい2本同時

ドラマ2本が同時期に打ち切りになるのは珍しい。それぞれ内容に課題を抱えていたとはいえ、視聴率が低くなければ最終回まで放送されたはず。その意味では視聴率が命運を決めたと言っていい。

では、番組の生殺与奪を握る「視聴率」とは何なのか。ひとことで言えば「どれくらいの人に見られたか」という視聴の「量」を示す数値だ。サンプル世帯に測定機器を置いて調査する。全国27の地区で行われ、一般的に視聴率として語られるのは関東地区600世帯の数字だ。関東のどこかに存在するわずか600世帯が、「家族のうた」などを終了させたことになる。

実は視聴率調査では統計上の「標本誤差」が生じる。10%で±2・4%、20%で±3・3%。「視聴率20%」は、本当は23・3%かもしれないし16・7%かもしれないのだ。「数字のひとり歩き」という言い方があるが、視聴率も絶対的なものではいと認識する必要がある。

いや、それ以上に重要なのは、視聴率が番組の「質」や「価値」を直接表すものではないことだろう。番組提供やスポットCMなど企業からの広告収入はテレビ局の経済的基盤であり、「視聴率が高い」=「多くの人が見る」ことで、より高額な値付けが可能となる。自局の「時間の価値」を下げる低視聴率番組は邪魔物なのだ。

途中ありえない

小説や映画が、読者や観客に物語の途中までしか提供しないことなどあり得ない。民放は無料だから勝手が許されるのか。しかし、年間1兆7千億円を超すテレビ広告費は商品価格に組み込まれており、間接的に視聴者が支えているのだ。どんなドラマも最後まで見る権利くらい主張してもいい。

(北海道新聞 2012.06.04)

「AKB48総選挙2012」予想と結果について

2012年06月07日 | テレビ・ラジオ・メディア

「AKB48総選挙2012」の結果が出ました。

フジテレビの特番と、グーグル+の中継を、同時に見ていました。

昨日、<24時間前の選挙予想>を掲載したのですが、それとの違いも含め、「ほほ~そうなりましたか」というラインナップでした。

念のため、以下に結果を。

「AKB48総選挙2012」の結果

            
            01位 大島優子

            02位 渡辺麻友
            03位 柏木由紀
            04位 指原莉乃
            05位 篠田麻里子
            06位 高橋みなみ
            07位 小嶋陽菜
            08位 板野友美
            
            09位 松井珠理奈(SKE48)
            10位 松井玲奈(SKE48)
            11位 宮澤佐江
            12位 河西智美
            13位 北原里英
            14位 峯岸みなみ
            15位 横山由依
            16位 梅田彩佳


ブルーになっている名前は、予想が当たったものです(笑)。