碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「再現」という演出手法をめぐって

2012年06月21日 | 大学

「メディアと文化」の授業で、ドキュメンタリーについて話をした。

特に、「再現」という演出手法をめぐっては、様々な議論がある。

「再現」が、ある枠を超えると、それは「やらせ」と呼ばれるからだ。

授業の中で、ケーススタディとしてプレビューしたのは、1992年に放送されたNHKスペシャル「奥ヒマラヤ 禁断の王国ムスタン」

この番組が、やらせ問題で厳しく指弾された当時のことが、強く甦る。

今では、どこでも見ることができない。

ドキュメンタリーにおける「再現」は、何が、どこまで許されるのか。

そもそもテレビが映し出す「事実」とは何なのか。

20年を経ても興味の尽きない1本を見ながら、あらためて考えている。