週刊新潮の「黒い報告書」が、BSジャパンでドラマになった。
1時間物を続けて2本オンエア。
いわば事実に基づいた短篇小説である「黒い報告書」の執筆者には、新田次郎、水上勉、城山三郎から志水辰夫、岩井志麻子まで、有名作家たちが名を連ねてきた。
ドラマでは、この連載が、「いかにして書かれているか」という横軸と、
書かれている「事件の真相」という縦軸が交差する。
また、個人的にも十分楽しませてもらいました。
というのは、ドラマの中身もさることながら、舞台が「週刊新潮」編集部という具体的な場所だったことも大きい。
30数年前。
大学を卒業して、つまり新卒で入社した出版社を、次の勤め先を決めることなく辞めてしまった。
そして、立派な失業者となった私が、お世話になったのが「週刊新潮」編集部だったのだ。
それ以来のご縁であり、特にこの10年は書評の仕事をしているので、定期的に通っている。
ドラマを見たら、かなりの部分が本物の編集部で撮影されており、いずれのカットのカメラポジション(カメラを置く位置)もわかってしまった。
新潮社のある神楽坂界隈の風景も出てきたし。



それから、石黒賢が演じる編集者も、川村毅(劇作家・演出家)が演じていた編集長も、まあ、スパスパと当たり前のように煙草を吸っているのが可笑しく、また嬉しかった(笑)。



今回、女優では村川絵梨と須藤理彩が出演していたが、こういうドラマは女優や俳優にとっても、恰好の「場」ではないかと思う。
それは地上波に比べると内容も大人度の高いものにできるからで、もちろん制作者にとっても悪いことではない。様々なチャレンジができる。


第2弾が12月にあるそうで、そちらも楽しみだ。



