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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

ベッキーがひたすら解説しまくった、日テレ「エコ特番」

2012年06月13日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。

今週は、日本テレビ「ネプチューンの超体験!タイムワープ旅行社~時間旅行で江戸時代へ~」について書きました。

先週の日テレは「エコ・ウイーク」とやらで、あちこちの番組で、やたらとエコ特集をやってましたね。

あんまりウルサイと、「テレビこそ無駄な放送やめろ!」とか言われちゃいますぞ(笑)。


ベッキーが“省エネ”出演なら
もっとよかった

先週、日本テレビが放送した特番「ネプチューンの超体験!タイムワープ旅行社~時間旅行で江戸時代へ~」。

ドラマとドキュメンタリーを合わせたようなタイムトリップものと聞いて、NHK「タイムスクープハンター」の類似品を想像していたが、別物だった。

確かに東幹久・鈴木砂羽の夫婦とその子供たちが「江戸体験ツアー」に出かけるが、彼らはあくまでも狂言回し。番組の目的は「江戸時代のエコを学ぶ」であり、飽きさせないためのドラマ仕立てだった。

むしろ主役は情報部分の“解説役”を務めたベッキーだろう。何しろ東一家が見るもの聞くもの全てに解説が付くのだ。

長屋の住まい方に始まり、「損料貸し」と呼ばれた当時のレンタル屋、トイレ事情、居酒屋のスタイル、さらには吉原での花魁遊びについてまで、ベッキーがひたすらしゃべりまくる。

解説用のVTRはお歯黒の染料作りや、灰を使った洗濯など様々な再現や実験を含めよく出来ていた。また江戸の街がかなりのエコタウンであることも、庶民の暮らしがエコだったことも十分に学ばせていただいた。

しかし2時間の長丁場、カメラ目線で解説を続けるベッキーには参った。

滑舌の良さは認めるが、さすがに途中からは見る側も疲れ気味。エコ特番らしくベッキーの出番がもう少し“省エネ”だったらと思う。

惜しい。

(日刊ゲンダイ 2012.06.12)