碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

キャンパスの賑わい

2012年10月04日 | 大学

新学期が始まり、キャンパスが賑やかになった。

夏休み中の静かな構内もいいが、やはり大学には学生たちの姿があったほうが自然だ。

テレビセンターのスタジオで、「視聴覚教育」授業開始の記念写真(笑)。


15年続いた、「踊る大捜査線」

2012年10月04日 | 「東京新聞」に連載したコラム

東京新聞に連載しているコラム「言いたい放談」。

先日、「これで最後」を標榜する映画版を見てきたこともあって、放送開始から今年で15年になる「踊る大捜査線」について書きました。


「踊る大捜査線」15年

映画「踊る大捜査線 THEFINAL 新たなる希望」の観客動員が好調だ。ドラマの放送開始から十五年。支持され続ける理由を考えてみた。

まず新しい視点の警察ドラマだったこと。サラリーマンとしての刑事を描き、キャリアとノンキャリア、本庁と所轄など警察内部の対立や矛盾も見せてくれた。

次に魅力的な登場人物だ。織田裕二演じる青島だけでなく、柳葉敏郎の室井、深津絵里のすみれなどが、緩急自在な脚本を得て生き生きと動き回った。

映画版はそれまでの常識を覆して、テレビと同じスタッフが制作を担当したことが大きい。おかげで映画ファンを超えた、より幅広い層を取り込むエンターテインメント作品になった。また、テレビによる大量宣伝とネットの活用も功を奏した。

一方では辛口の評価もある。いわく、作家性を排した軽めの映画が増えた。ヒット自体が目的化した。「地味でも佳作」という映画を追いやった。公共の電波の「私物化」によるプロモーションなどだ。何よりその仕組みだけをまねた、安直な「ドラマの映画化」が横行したことは否めないだろう。

とはいえ、このラスト作品には十五年間の感謝を込めた大ネタ・小ネタが満載で、やはり楽しい。多くの人に「映画館で見る映画っていいじゃん」と思わせてくれたことが最大の功績かもしれない。

(東京新聞 2012.10.03)


この秋も、「授業はライブだ」

2012年10月04日 | 大学

秋学期が始まっている。

「メディアと文化」という授業は、おかげさまで(?)受講希望の学生さんが多い。

少人数教育の上智大において、定員120名と枠をいっぱいにしてあるが、3倍ほどの希望者がいるため、いわゆる「抽選科目」となっている。

なんと私のゼミの学生も抽選で落ちた(笑)。

だから、この教室にいる面々は「運のいい人」たちである。

「運のいい人」と接していると、こちらも運がよくなるので、なんとなく気分がいい(笑)。

例によって、最初の授業では、講義の概要(秋はドラマ研究です)を確認したり、ささやかなルールの説明を行ったりした。

ルールと言っても、別に難しくはない。

時間を守る(遅刻の幅によっては入室を遠慮してもらう)。

挨拶をする(私の授業は礼に始まり礼に終わるのだ)。

私語は慎む(友人・知人と話したいことがある人は外に出てもらう)。

などなど、まあ、当たり前のことばかりだ。

賛同できない人は、必修科目じゃないんだし、履修しなければいい。

「授業はライブだ」がモットーなので、このアナログであるがゆえに成立する貴重な時間と空間と関係性を大事にしたいだけです(笑)。

というわけで、秋学期スタートしました。