碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

TBSで、「TBSレビュー」の収録

2012年10月22日 | テレビ・ラジオ・メディア

赤坂のTBSへ。

「TBSレビュー」の収録でした。

テーマは、「地デジ化から1年あまりのテレビ」。

今週末、28日(日)朝5時30分からの放送です。




局舎1階の喫茶室では、コーヒーを頼んだら、「信州りんご」のオマケが付いてきました(笑)。

ごちそうさま。



アサヒ芸能の「島田紳助」特集記事でコメント

2012年10月22日 | メディアでのコメント・論評

アサヒ芸能が、3週連続で「島田紳助」特集を組んできた。

最新号が、その最終回で、私も取材を受け、コメントしています。


電撃引退から1年の激流
島田紳助の「爪痕」(下)

記事の冒頭は、田原総一朗さんが語る島田紳助。ちなみに田原さんは「紳助の引退」には一貫して反対の立場だ。

次がジャーナリストの大谷昭弘さんで、「メディアも当局の動向に呼応した。こういうやり方には賛成できない。そういう意味では本当に気の毒」と語る。

そして、“「タレントキャスター」の功罪”という中見出しが入り、私のコメントとなる。

日本最初の独立系制作会社のテレビマンユニオンで番組制作に携わった後、大学でメディア論を講じてきた、碓井広義・上智大学教授の見方はかなり辛辣だ。

「あの引退会見で覚えているのは、引退の花道に望んだ際の大芝居ぶりですね。言い分としては、本来は謹慎で済むものを、あえて引退の道を選んだと。そして、それを『美学』という言葉で表現した。後輩に身を以て示すのだと。

ところが、仮に芸能界にい続けても、イメージダウンの逆風が渦巻くのは当の本人が一番よく分かっている。だから、散り際のイメージ作りを切腹の介錯になぞらえる形で演出したということ。だが果たして、そんなきれいゴトなんでしょうか」

つまり、そこには本人なりの計算と打算があったはず、というのだ。

「実際、紳助さんがいなくなって(テレビ局は)どうでしょう。申し訳ないけど、特に変わったこともない。つまり、番組の中身自体がしっかりしていれば、視聴者は見続けるということです。

引退の前後には、いなくなったら大変という空気がありましたが、実は、紳助さんがそういうイメージ作りをするのが巧みだっただけで、また、周りもその方が楽だったんでしょう。

テレビというものは皆で作るもので、最初は看板としてのタレント性が必要でも、ある力学で番組が動き始めると、際立ったタレントはむしろ害にすらなりかねないんです」

また、紳助が始めたタレントキャスターの功罪についても手厳しい。

「社会に対する関心を視聴者に植え付ける呼び水となったという意味では、ニュース・報道番組の垣根を下げたと言えるでしょう。

その一方で、本来はプロフェッショナルが担うべきTVジャーナリズムの価値も下げてしまったのではないでしょうか。紳助さん以後、キャスターの『役』を演じる人が前面に出るようになり、『キャスター』の信頼度が揺らいできた」





・・・・この後、記事は「紳助は、テレビ報道が過渡期を迎えていた時期に登場した“時代のあだ花”だったのかもしれない」と続く。

また、芸能ジャーナリストの佐々木博之さんが「テレビの中のタレントが一人いなくなっただけで、代わりが必ず出て、大きな変化が起こるってことないんですよ」と語っている。

その後、再び私のコメント・・・

結局、島田紳助とは何だったのか。前出、碓井広義教授の定義がどうやら当てはまりそうだ。

「芸人のステップアップの一つのモデルを体現した存在だったのではないでしょうか。ただのヤンキーの兄ちゃんが、笑いを武器に世間に打って出る。そして、つい最近もスギちゃんが高飛び込みでケガをしましたが、ああいった外ロケで体をを張って笑いを取る芸人から、スタジオでロケVTRを見て笑っていられる芸人になり、次は、司会者としてそれを動かす存在、そして、そのさらに上に報道の世界があり、と。

彼の好きな言葉が『天下を取る』だったことからも分かるように、成り上がり者の典型だった。才能はあったし、先を読む感覚もあった。ところが、『視聴率男』と呼ばれ、天下を取ったと思った辺りから、裸の王様になってしまったということでしょう」



・・・・そして、記事全体のまとめは以下の通りだ。

類まれなるプロデュース力と天性の嗅覚で、テレビ業界の天下を取った島田紳助。その栄華もまた一瞬にして消え去ってしまった。

(アサヒ芸能 2012.10.25号)



すっかり「秋の夕暮れ」

2012年10月21日 | 日々雑感

ついこの間まで、窓の外ではセミがわんわんしていたのに、
もう「秋の虫の声が聞こえる夕暮れ」になってしまった。

今年も、あと2ヶ月ちょっと、ってか。

ひえ~!(笑)

今週の「読んで、書評を書いた本」 2012.10.21

2012年10月21日 | 書評した本たち

やっぱり買っちゃいました(笑)。

「大人のウルトラ怪獣大図鑑」(マガジンハウス)。




「Q」から「80」までの怪獣ベスト100、な~んて言われたら、そりゃ仕方ないでしょう。

バルタン星人も、ガラモンも、メトロン星人も、みんないます(笑)。




さて、今週の「読んで、書評を書いた本」は、以下の通り。

どどーんと怒涛の6冊です。

モーリス・ルブラン:著 平岡敦:訳
『ルパン、最後の恋』 早川書房 

沖 方丁 
『光圀伝』 角川書店

佐々木美智子 
『新宿、わたしの解放区』 寿郎社

関川夏央 
『東と西 横光利一旅愁』 講談社

小玉 武 
『佐治敬三~夢、大きく膨らませてみなはれ』 ミネルヴァ書房

佐々木玲仁 
『結局、どうして面白いのか~「水曜どうでしょう」のしくみ』 
フィルムアート社


・・・・「ルパン」の新刊ってのが、すごい(笑)。

* 上記の本の書評は、
  発売中の『週刊新潮』(10月25日号)
  ブックス欄に掲載されています。



松たか子に圧倒される「ジェーン・エア」

2012年10月20日 | 舞台・音楽・アート



日生劇場で、松たか子主演のミュージカル「ジェーン・エア」を観た。

いやはや、自分でも、ちょっと困るくらい感動してしまった(笑)。

まず何と言っても、目の前で動き、語り、歌う、ナマの松たか子に圧倒されました。

これは、最もゴヒイキの女優さんだから仕方がないというだけでなく、実際に実力がないと、この役は難しいのだ。

シャーロット・ブロンテの、この長編小説が世に出たのが1847年。

165年前のイギリスだ。

時間的にも、空間的にも、はるか遠いはずの物語を、現代の観客がミュージカルとして観る。

ジェーンを古典・名作の中の女性としてだけでなく、“21世紀のヒロイン”として現出させることは、よほど強い存在感をもった女優でなければ出来ない。






舞台の上の松たか子は、完全にジェーンだ。

そこにすっくと立つだけでジェーンだった。

演技はもちろん、歌も素晴らしい。

「大空へと羽ばたくこと」を願う歌。

神を信じ、「許すこと」を自分に誓う歌。

その伸びやかな歌声を堪能した。

ミュージカルというのは、上手く入り込めないと悲惨だが、この作品には大没入(笑)。

今回、SP席(ステージプレミアシート)といって、舞台の上に設置された席で観ることができたことも大きい。

「舞台と客席の関係をより親密度の高いものにしたいというジョン・ケアードの演出意図から、舞台を客席に張り出し、ステージ上にも客席を設けます。出演者と同じ空間で臨場感溢れるご観劇をお楽しみいただけます」というものだ。

松たか子が、わずか3メートルの距離にいたりするわけで、これは衝撃でした(笑)。


日生劇場で、28日(日)まで上演中。




<このブログで書いた関連する文章>

東京新聞に、映画「夢売るふたり」のことを書きました
2012年09月20日
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/9258e63129865cac940f802d3c4be169

映画『夢売るふたり』の松たか子が、すごい
2012年09月11日
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/a1ed52cba07c924a10c2522530406a3a

アサヒ芸能で、「熟女優」をめぐる対談
2012年08月24日
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/96cc44344dff30a751fc65fae7bdfa1d

『週刊現代』の「決定!日本のいい女優ベスト20」に寄稿
2010年11月24日
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/024b1c568b7455d20780ad1a36c203f5

今、「いい役者」といえば誰なのか
2010年11月10日
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/2d5af96ecfea8374d9805b210817fd89

映画『告白』は、早くも今年の“マイ・ベストテン”入り
2010年06月06日
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/ff0cb64aba94f808d7c9a24d54ecd94b

木曜夜は、医療ドラマ対決!?

2012年10月19日 | テレビ・ラジオ・メディア

あっちも、こっちも、同時に「血まみれ」って。

「13日の金曜日」の話ではない。ジェイソン、懐かしいけど(笑)。

TBSとテレビ朝日が、同じ木曜21時枠で、どちらも“医療ドラマ”を始めたのだ。

で、仲里依紗ほか若い衆のTBS「レジデント ~5人の研修医~」

第1回を見た印象は、研修医たちそれぞれの役柄というか、個性を強調したいのだろうが、何だか型通りというか、類型的というか、いかにも表面的な“振り分け”にしか見えないのが残念。

これからずっと、彼らの“成長”とやらにつき合っていきたい、と思わせるだけの魅力が、仲里依紗はともかく、ほかの4人にあるだろうか。

ま、一人前の医者以前に、一人前の演技者を目指してください(笑)。


対するは、米倉涼子のテレ朝「ドクターX ~外科医・大門未知子~」

人が病に倒れる前からそれを予測し、いざ手術となれば鮮やかに患者の命を救う、“フリーランス”の女性外科医。

第1回、いやあ、カッコよかった。

それでいて、“米倉涼子ネエさん”にしか見えないのが凄い(笑)。

でも、きっと、ネエさんを見続けたい人にとっては、刑事だろうが、銀座のママだろうが、外科医だろうが、何を演じていても関係なくて。

これもまた、ネエさんを見ていたい人のためのドラマなんだろう。

ただ、手術の最中はマスクをしているので、ネエさんも「ここは目で演技!」とばかりに、目をかっと見開くばかり。

飛び出しそうな「目玉ぐりぐり」のアップは、見ていて、ちょっと疲れます(笑)。


それにしても、医療ドラマの濫発だなあ。


AKB48「大握手会」で見たもの

2012年10月18日 | 「東京新聞」に連載したコラム

東京新聞に連載中のコラム「言いたい放談」。

今回は、先日行ってきたAKB48の「握手会」について書いています。


AKB48の握手会

AKB48の「握手会」に行ってきた。いや、握手するためではない。
握手会というイベントそのものを見てきたのだ。

最近、AKB 48について書いたり、コメントしたりする機会が多い。
また大学のゼミでは、卒論のテーマにする学生も現れている。専門であるメディア論の研究対象として、「現地・現物」に接しておきたかった。

会場は晴海の東京ビッグサイト。一万人を超す人間が何十もの列に分かれ、自主的かつ整然と並んでいる光景はちょっと不思議だ。
しかも長い行列の先にあるのは、横並びの白いテントに過ぎない。

もちろん中には「直接会えるアイドル」がいて、握手と短い会話ができる。ただし、列の人数には違いがあり、人気度は一目瞭然。格差ならぬ完全な“落差社会”だが、その差をどこまで自分で埋められるシステムなのか、興味深い。

実は一番感心したのが、会場の一角に設けられた「支配人の部屋」だ。ここにはAKB 48を運営する事務所の代表がいて、ファンと個別面談をしている。支配人が聞くのはAKB 48への応援の言葉、意見や要望、時に強いクレームだったりする。

一人で何時間も立ったまま対応するのは大変なはずだが、ファン(顧客)と直接向き合うことで得られる“市場感覚”はかなり貴重だろう。このあたりにも人気の秘密がありそうだ。

(東京新聞 2012.10.17)

この秋 大人が見るべきドラマ「ゴーイングマイホーム」

2012年10月17日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している番組時評「TV見るべきものは!!」。

今週は、ドラマ「ゴーイングマイホーム」を取り上げました。


「ゴーイングマイホーム」
フジテレビは
初回視聴率13%を喜ぶべきだ
 

先週、連ドラ「ゴーイングマイホーム」(フジテレビ系、火曜夜10時)が始まった。脚本・演出を映画「誰も知らない」などの是枝裕和監督が務めているが、驚くべきホームドラマである。

登場するのは阿部寛と山口智子の夫婦をはじめ、ごく普通の人物ばかり。しかもそこで展開されるのは日々の仕事であり、子供の教育であり、親の世話だ。殺人事件も派手な恋愛も、泣かせる難病も出てこない。

それなのに彼らの日常から目が離せない。ドラマでありながらドキュメンタリーのようなリアル感があり、先が読めないからだ。

また、是枝演出による阿部や山口の演技の自然なこと。会話も実在の夫婦のようだ。そこにはドラマらしい大仰な言葉、ドラマで聞いたことのある言葉はない。

たとえばCM用の料理を手掛けるフードスタイリストである山口智子が笑顔で言う。「美味しそうと、美味しいは別なんだよ」。

聞けば、初回視聴率13%にフジテレビは不満を漏らしたとか。とんでもないことだ。

何しろ普段視聴者が目にする“お手軽”ドラマとは別物なのである。違和感を持ってもおかしくない。むしろ13%取ったことで、今どきの視聴者のレベルの高さを喜ぶべきだろう。

たとえ次回の視聴率が下がっても、この秋「大人が見るべき1本」として、口コミでじわじわと支持が広がるはずだ。

(日刊ゲンダイ 2012.10.17)


秋の連ドラ、続々とスタート

2012年10月16日 | テレビ・ラジオ・メディア
14%でテイクオフ 「TOKYOエアポート」 深田管制官


この秋の連ドラが、続々“開店”中。

スポーツ新聞にも、初回視聴率の話題が並ぶ。

中には、初回じゃないのもありますが(笑)。


●初の2週連続の1ケタ…「平清盛」第40話は9・6%

●堺雅人&多部未華子の男女逆転「大奥 ~誕生~」
 初回は11・6%

●高橋克典主演の「匿名探偵」初回は11・7% 
 新シリーズでも好スタート!

●北川景子が腹黒教師に挑戦!「悪夢ちゃん」初回は13・6%

●深田恭子主演の「TOKYOエアポート」 
 初回は枠最高の14・0%スタート

(スポニチ 2012.10.15)


・・・・第1回の視聴率は、ご祝儀相場や様子見などの要素がある。

2回目は、たいてい少し下がります。

勝負はそこから。

たかが視聴率、されど視聴率です(笑)。


TBS ・WOWOW「ダブルフェイス」は予想以上の出来

2012年10月16日 | テレビ・ラジオ・メディア

TBS「ダブルフェイス 潜入捜査編」、面白かった。

やるじゃん!という感じ(笑)。

ストーリーは緊張感があり、西島秀俊も、香川照之も、それぞれの
役柄に見事ハマって。

TBS とWOWOWが組んでの1本であり、今後、こういうスタイルがアリか、ナシかの試金石だった。

27日のWOWOW「偽装警察編」も、ぜひ見てみたい。







AKB48「大握手会&写真会」を見る

2012年10月15日 | テレビ・ラジオ・メディア

東京ビッグサイトへ行ってきた。

AKB48の「1830m劇場盤発売記念 大握手会&写真会」である。






いえ、私が握手しに行ったわけではありません(笑)。

高校生の息子は、SKEのお嬢さん2人と会うために参加しておりましたが。



ただ、彼のお目当ての一人、小木曽汐莉さんは、体調不良でお休み。

残念でしたが、お大事に。




えーと、私がこの握手会に行った目的は2つです。

① AKB48の「動員力」を実際に見てみたかったこと。
② AKB48の劇場支配人・戸賀崎智信さんにお会いすること。


ビッグサイトの会場内は、確かにすごい人出でしたが、想像していたより静かで、穏やかな雰囲気で、びっくり(笑)。

みんな整然と並び、握手の順番を待っていました。




列の人数には落差があり、かなり空いているところもあって、完全な格差社会ならぬ「落差社会」(笑)。



自分の列が少ないメンバーは、「いつかきっと長い行列にするぞお!」と奮起するんだろうなあ。

他にも、会場内を歩きながら、来ているファンたちの様子を眺めて、いくつか分かったことがあり、フィールドワーク(=現地調査)としては実に面白かったです(笑)。





そして、支配人の戸賀崎さんには、「支配人の部屋」の前の行列に、ちゃんと並んだ上での面談。



これまでもAKBに関して、書いたり、話したりする機会がありましたし、今後もありそうです。

また、最近は碓井ゼミの学生で、AKBやSKEを卒論のテーマにする者も出てきています。

メディア研究、ポピュラー・カルチャー研究の一環として、AKBについて戸賀崎さんにうかがいたいことが多々あり、まずは、そのための「ご挨拶」だったわけです。

きちんと名刺交換も行い(笑)、短い時間でしたが、有意義な面談でありました。




そうそう、お土産に選んだのは、「東京ドーム公演 記念Tシャツ」です。






深キョンの「TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~」

2012年10月15日 | テレビ・ラジオ・メディア

フジテレビ「TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~」を見た。

なにしろヒコーキ好きなので(笑)。

このドラマは航空管制官の話だ。

いわゆる“職業ドラマ”ですね。

管制官といえば、まあ、「冷静沈着」の権化みたいな仕事です。

で、主演は深田恭子、深キョン(笑)。





いや、深キョン、随分キレイになっていたし、また“オトナの女性”の雰囲気を出していて、それは感心するほどで。

でも、深キョンどころか、佐々木希の指示で、旅客機が発着しているのは、なかなかの図でした。

っていうか、管制官が「佐々木希でも出来ちゃう仕事」でいいのか(笑)。





これは“職業ドラマ”であり、また“航空ドラマ”でもあるのですが、この航空ドラマにはタブーがある。

それは、当然のことながら、「墜落事故」など乗客の命が奪われるような話はオンエアできない、ということ。

ましてや、今回は「日本航空」の協力を得ているので、なおさらです。

航空ドラマとしては、もっともドラマチックな部分が禁じ手なわけで、後は、事故寸前で回避とか、未然に防いだとか、そういう話と、事故ではなく事件のほうに振るか。

とにかく管制官の役割は、「何事もなく」が一番であり、何かあってはいけない仕事ですから、物語作りも大変なはず。

でも、前述の「ヒコーキ好き」だけでなく、キリリとした深キョンもそれなりに捨てがたく(笑)、先輩管制官の瀬戸朝香も久しぶりで眺められることもあって、もう一回くらい見てもいいかな、と思っております。










今週の「読んで、書評を書いた本」 2012.10.14

2012年10月14日 | 書評した本たち

丸谷才一さんが亡くなったそうだ。

「たった一人の反乱」「女ざかり」など、現代風俗を描いた市民小説で知られる作家で、日本芸術院会員の丸谷才一(まるや・さいいち、本名・根村才一=ねむら・さいいち)さんが13日午前7時25分、東京都内の病院で心不全のため死去した。87歳。

丸谷さんの作品は、どちらかといえば小説以外のものを読むことが多かった。

99年の「思考のレッスン」(文藝春秋)などは、時々再読してきた。

インタビューに答える形式だから読みやすく、読むコツ、考えるコツ、書き方のコツ、なんていう項目が並ぶ。

文章を書くときは、「頭の中でセンテンス(一文)の最初から最後のマルのところまでつくれ。つくり終わってから、それを一気に書け」といった話をしている。

実際に原稿を書いている時、ふと思い出すことがあります。

合掌。





今週の「読んで、書評を書いた本」は、以下の通りです。

工藤美代子 
『絢爛たる悪運 岸信介伝』 幻冬舎

小林信彦 
『四重奏 カルテット』 幻戯書房


スタンリー・バックサル、ベルナール・コマーン:編  井上篤夫:訳
『マリリン・モンロー 魂のかけら~残された自筆メモ・詩・手紙』 
青幻舎

長谷川晶一 
『私がアイドルだった頃』 草思社

石井光太:編 
『ノンフィクション新世紀』 河出書房新社

小熊英二 
『社会を変えるには』 講談社現代新書



・・・今回、嬉しかったのは、小林信彦さんの本、小熊英二さんの本を紹介できたことだ。

* 上記の本の書評は、
  発売中の『週刊新潮』(10月18日号)
  ブックス欄に掲載されています。


帰ってきたぞ、「勇者ヨシヒコ」

2012年10月13日 | テレビ・ラジオ・メディア

「ヨシヒコ」が帰ってきた。

めでたい(笑)。

前シリーズは高校生の息子に教えられて見始めて、かなり楽しませてもらいました。

今回も父子で初回を見た。

タイトルが「勇者ヨシヒコと悪霊の鍵」となっていたけど、あんたは
ハリー・ポッターか(笑)。

ヨシヒコ(もちろん山田孝之)の故郷である「カボイの村」に、何と彼の子孫がいた、という設定だ。

その子孫・オルトガを演じるんのが鈴木福くんで、長老から「旅に出るのじゃ」と命じられるも、「子供だから、ヤダ」と軽く拒否。

おいおい(笑)。

まあ、全体は相変わらずの「ヨシヒコ」テイストで、予算が少ないことを逆に“売り物”にしちゃうのも以前と同じくテレビ東京ならでは。

でも、ファンはそれがまた嬉しいわけで、あえて“ヨシヒコ流チープゴージャス”とでも呼ぼう(笑)。

金曜深夜の楽しみが増えました。


日刊ゲンダイで、ドラマ「ゴーイングマイホーム」についてコメント

2012年10月13日 | メディアでのコメント・論評

日刊ゲンダイから、ドラマ「ゴーイングマイホーム」(フジテレビ)についての取材を受けました。


“主演 阿部寛”“是枝監督”潰す
「フジ」の商魂
CM回数は「相棒」の1.5倍


秋ドラマがスタート。中でもピカイチの注目は、阿部寛(48)主演の「ゴーイングマイホーム」(フジテレビ、火曜22時~)だ。

初回(9日)は2時間の特別拡大枠で、視聴率は13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。「相棒」(テレビ朝日、水曜21時~)の同じく2時間スペシャルは19.9%をマークした。人気シリーズのそれと比べるのはお門違いな気もするが、「初回は20%もイケる」(フジ関係者)と期待されていたから、ガッカリの結果だろう。

国内外で評価される映画監督の是枝裕和(50)が、初めて連続ドラマのメガホンを取った。主演には映画「テルマエ・ロマエ」を大ヒットさせた阿部を起用。ベテランの西田敏行が脇を固め、一線を退いていた山口智子(47)も16年ぶりに連ドラ復帰と、話題は満載だ。

専門家の評価だって高い。ドラマ批評家の上滝徹也氏は「夫婦、家族、職場、親子関係などいずれもドキュメンタリータッチで淡々と丁寧に描く是枝ワールド全開の演出」と言えば、上智大教授の碓井広義氏(メディア論)も、「ドラマというより“テレビ映画”を見ている感覚に引き込まれる。阿部をはじめ、それぞれの演者の持ち味をうまく引き出し、進化させられるのは演出家の技量あってこそ」と指摘した。

それでも「相棒」に完敗である。敗因はズバリ、度が過ぎたCM。実際、「CMが多すぎる」と批評する一般紙もあったぐらいで、挟んだ回数は「相棒」の1.5倍ある。

「三冠王」も今は昔。右肩下がりのフジにとって、話題のドラマの拡大版は、稼ぎどきになるのだろう。だが、商魂が勝って視聴者にチャンネルを替えられたとすれば、逆効果だろう。

「本数もさることながら、内容にも違和感を持ちました。ドラマの出演者を起用したCMの多いこと。制作者側の事情も分かりますが、演者の“物売り”に興ざめする視聴者もいたのではないか」(前出=碓井氏)

これでじゃ作品も浮かばれない。

(日刊ゲンダイ 2012.10.12)