初めに漢字の使い分けをお断りします。障害の『がい』について、法や制度のことを言う時は『害』、所管事務調査のタイトルの時は『がい』、私の意見などを述べる時は『碍』を使っています。
今回は、東村山市が委託している
障害者就労支援室についての報告です。
総括責任者の 橋川直紀氏よりご説明いただきました。
東村山市障害者就労支援室は
2009年11月18日解説
常勤2名、非常勤2名の体制
利用対象者は、
東村山市内在住の障害者と家族
と
障害者を雇用している、または雇用を考えている企業
障害種別、手帳保持の有無、就労の有無は問わない
現在の登録者数 195名
身体39名、知的71名、精神81名(何れも延べ人数)
その他4名(手帳未取得)
精神障碍者の利用が増えているそうです。
支援メニューは
就労のための相談や支援として
就職するまでにハローワークへの同行、面接練習、履歴書を書く支援、面接同行など
就職後は、職場定着支援として職場訪問、聞き取り、面談などを行っています。
就労の状況は
就職者数 延べ105名
身体27名、知的28名、精神53名
正規雇用8名、非正規(契約、パート)89名
週30時間以上64名
20時間~29時間28名
20時間未満13名
など成果が現れていました。
しかし、離職者も多く、職場の人間関係で離職するケースが多いとも。
でも、幾度も挑戦するなど
障碍者の側の意欲も大きいと思えます。
今後の課題として
1、他機関との連携
挨拶、身なりを整えるなど就労の準備ができていない方もおり、
関係機関との連携で草した取組が必要だとの指摘がありました。
2、離職者を増やさないこと
就職した後の支援、離職の大きな要因となる職場での人間関係に対する支援など必要だが、
人手がなくて、本当に大変なところしか訪問できていないとの悩みも支援をする側から出されていました。
前にも言いましたが、
障碍者は、その特性に応じた個別の支援計画が必要です。
そのためには、支援する側の人手が大きな力になります。
職場での仕事の手順をジョブコーチが先に覚え、共に取組、覚えてもらう
コミュニケーションに問題が発生したら
障碍当事者の性格や障碍特性を伝えて、どのようにしたら職場のコミュニケーションがうまくいくようになるかを、企業側と当事者との両方を支援することも求められています。
こうした取組を行うには人の配置が重要だと言うことを
行政側はぜひ認識していただきたいと思います。
同時に、支援する側は
もっと当事者同士のピアサポートのできる体制、取組を組織しても良いのではないかと思います。
その組織化ももちろん人ですが・・・
非正規雇用が多くなると言う悩みも出されていました。
差別で非正規というのは許せません。
しかし、障碍特性と個人の状況から正規の働き方は困難だという方もおられます。
私は、障碍者が、親や兄弟など、家族に頼って生きるのではなく、
非正規であっても、自分で働いた所得と
障害年金、又は生活保護とを組合わせて、経済的な安心感を抱くことができ、
その人生の目標を持って生き生きと暮らすことができれば
そのことのほうが重要だと思います。
障碍当事者の長所を生かし、できる最大のことを、支援することこそ
就労支援のもう一つの役割ではないかと
今回の視察と聞き取りで改めて考えました。
まだまだ浅い捉え方かも知れませんが・・・。