箱物より生きるための施策が当たり前に優先される自治体へ

2011-02-26 06:12:16 | ノーマライゼーション

前回と前々回に以下のコメントをいただきました。公開にしましたが、すぐに目についてもらいたいと思い、少し長くなりますが以下ご紹介します。

自立支援法の良し悪しは別として・・・
2月22日に厚生労働省の課長会議資料において、地域生活支援事業の移動支援の運用において「事業の利用を希望する者の心身の状況や利用についての意向等を十分に把握した上で適切な利用時間数を設定するなど、サービスを真に必要とする者に適切に提供されるようお願いしたい。」という記述がありました。

また、昨年末に自立支援法の改正案が可決され同日公布・施行となった同案の移動支援に関する要綱でも、『能力及び適性に応じたサービス量しか支給しないように読まれるおそれがある』として目的規定等にある「その有する能力及び適性に応じ」との文言を削除。となっています。
なので今回の支給量の少なさは国の意向に反したものであることは明白ですし、「言われなければ黙っていよう」的な所管のスタンスにしか思えません。
―11.2.24-

前回のコメントでは現行の延命的自立支援法の理念をある意味肯定的に解釈して申し上げましたが、今回は逆の言い方となります・・・
まぁ、いずれにしても所管のやっていることが矛盾してるんですけど。

自立支援法は事実上違憲と判断され、障害者権利条約の批准が求められ、現在それに則した制度作りが推められています。

なお、障害者の権利条約の主旨は以下の通りで
①「合理的配慮」により、障害者に実質的な平等を保障する。
②意図的な区別や排除、制限だけでなく、意図的でない場合でも結果的に不平等になることは差別であるとする考え方。
③障害(者)を特定せずに、社会参加ということを社会環境との関係で考える広い考え方。
④障害のない人と同じように建物や交通機関の利用、道路の使用が可能かどうか、情報やコミュニケーションサービスを得ることができるかどうか→「アクセシビリティaccessiblity」を重視する考え方。

東村山市の移動支援に関して言えば①から③の部分が明らかに権利条約に反しているんですよね…。

もちろん、予算だとか色々ありますから何でもかんでも移動支援を使うと言うつもりは無いんです。
必要最低限として障害の種別に関係なく、障害を持つ親と当事者が妥協できる程度の移動支援の利用条件と支給決定時間数が欲しいと言っているだけなんです。
その想いも無視されたことは、市内の障害を持つ児童と親そして関係者を失望させました。
一番辛いのは聞く耳を持たないって事ですから。
-11.2.25-


以上が寄せられたコメントです。
この方のおっしゃる通りだと思います。
東村山市は、お金が無いとすぐ言います。でも障がいのある方々が、本当に社会で皆と一緒に生きるため、『自立』するためには、あらゆるサービスが、構築されなければなりません。それが国連で多くの国が批准した障がい者の権利条約です。

我が国の障害者自立支援法は、この障がい者の権利条約に反し、障がいのある方々から生きる手段、社会参加の条件をできる限り制限して給付しようというものです。
国の支出を抑えるのが大きな目的で、自立支援法が出来たと言ってもいい過ぎではありません。
ノーマライゼーションという言葉が、私たち日本人の中に浸透して何十年たっても、政治の分野でお金が無いことを盾に“サービス”が制限されるなど本末転倒です。

箱物や大型道路の建設は先送りしても
こうした、人の生きることに対する施策は最優先で、というより当たり前に実施されるべきだと思います。

こうした自治体に一緒に変えていきましょう。


障がい児の移動支援事業について

2011-02-25 00:04:08 | ノーマライゼーション

昨日報告した、地域生活支援事業の件で、

請願が採択されたので、もっと切実なことを分かってもらおうと
市長へのメールで、
学校と学童の間の送迎について、利用できるようにしてほしいこと、
そうする事で、親が働き、生活保護などを受けなくて済むようになること
などを、事を分けて説明し、さらに4時間では足りない。もっと充実して下さいとお願いをした保護者に、担当所管から回答が届けられました。

「移動支援事業において、バス停から学童クラブまでの送迎を対象とすることに関してですが、国における移動介護(現在の移動支援事業)の定義として、「社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等の社会参加のための外出(通勤、営業活動等の経済活動に係る外出、通年かつ長期にわたる外出及び社会通念上適当でない外出を除き、原則として1日の範囲内で用務を終えるものに限る。)の際の移動の介護。」としており、その定義に基づき、当市では定期的な送迎においては原則として移動支援事業の対象としておりません
やむを得ず一時的に行う必要がある場合は派遣を制限するものではありません。」

「基準時間に関して、当市において原則は「支援費支給決定基準策定協議会」での移動介護の議論のとおり、幼児・児童は障害の有無に関わらず保護者が付き添う期間(教育委員会の子ども関係施策に関する調査より)という前提がございます。」

というものです。

つまり、年齢制限を廃止すべき、他市と比べても見劣りがする制度ではなくもっと充実させるようにという議会での議論を無いものとした回答である。
厚生委員会の委員長として、私も納得がいかない。

請願が採択された趣旨を正しく理解して、行政運営にあたってもらいたいと強く思う。
予算委員会で追求したい。

先日の記事に対し、保護者からのコメントが寄せられた。
昨日の記事を参照に、あわせて読んでいただきたい。


今日から3月議会が開会されました

2011-02-23 13:51:28 | 東村山市の政治、議会

今日23日、2011年3月定例会が開会

私は、厚生委員会で採択された請願の報告を行いました。
障害児の移動支援を求める請願です。

東村山市は、障害のある方々の社会参加などのための移動支援事業、ガイドヘルパーを利用することのできる条件を16歳以上と規則で定めています。
従って小学生や中学生は利用することが出来ません。

昨年、あるお父さんから、
『子どもが特別支援学校に入学するが、学童にも通わせたい。学校の送迎バスの停留所と学童までの移動支援をお願いしたら、東村山市では学童の移動支援は行っていないといわれた。何とかならないでしょうか?』
というメールをいただいた。

幾度かメールでのやり取りをさせていただいた後、請願を出していただきたい旨お願いをした。なぜなら、一般質問や予算決算の審査では、深く突っ込んだ議論をすることが出来ないからだ。
お父さんも、承諾をしてくださり、請願が厚生委員会で議論できた。

以前から、障害のあるお子さんをお持ちの保護者の方々は移動支援の必要性を訴えておられたが、学齢期は保護者が面倒を見るべきとの考えの下、年齢制限が緩和されてこなかった経緯もある。

年齢制限について所管は
「障がい者の支援費制度のスタート時、利用用件、時間数などの決定に際し、お医者さん、教育委員会相談員、福祉施設関係者、障害者相談員、障害者団体などの関係者で構成された支援費支給決定基準策定協議会で基準を決めた」
「支給決定基準策定協議会で議論をした結果、原則としてはご両親が見るのが適当という判断をした」
と説明をしていました。驚きです。

しかし、所管は、その必要性を認め、2011年度後半、10月から年齢制限を廃止し、移動支援の時間給付を月4時間からスタートすると発表。

この時間をめぐって更なる議論が行われました。
厚生委員会のメンバーである日本共産党の山口みよ議員が近隣の自治体の実施状況を調査したところ、
小中学生が給付の対象のなっているのはもちろん、給付時間も東村山市が計画しているよりはるかに多いということも指摘されました。

所管が調査した資料によれば、近隣市の移動支援に関する1月当りの給付時間は

 小平市   小学生 10時間   中学生 15時間 

 東大和市  小学生 13.5時間  中学生 13.5時間

 清瀬市   身体介護有で40時間 身体介護無い人で15時間

 東久留米市 小学生10時間 中学生20時間

等というものでした。

この資料を見て、厚生委員会一同ビックリ、これと比べて大いに見劣りがするわが東村山市の計画に、もっと何とかならないのかという議論が大いにされました。

 

いずれにしても、2011年10月からスタートするわけですが、この制度の急激な拡充に保護者の皆さんとともに取り組まなければならないと、請願の審査報告を作りながら考えました。


待ったなしの議会改革

2011-02-14 10:10:50 | 東村山市の政治、議会

13日午後、東村山市議会始まって以来の、市民と共に学ぶ講演会が開かれました。

これに先立ち、5日には市内3カ所で、超党派の議員による参加の呼び掛けのチラシ配布も行いました。
配布中に、60代ぐらいの男性が「東村山市はろくでもない市だよ」と吐き捨てるようにおっしゃって通り過ぎて行かれました。
市民にこのように言わせたことへの責任の重さを感じながら、ただ、後援会においで下さいと背中に言葉を掛けるだけでした。

当日、東村山駅西口の会場には、議会と市民合せて150人が参加、講師の話に真剣に耳を傾けました。

市民に開かれた議会へ
議会が変われば自治体が変わる

と題して行われた、法政大学の広瀬教授の講演は、
今東村山市議会が何をしなければならないかを明確に示して下さいました。
曰く

予算をはじめとした市長が提案する議案を、
市民のためにどこをどうしたらよいか、
議員の議論で争点を明確にし、問題点や補うべきことを見つけ出し、
議会の意思としてそのための修正を行政に求めていくこと
それを市民の目の前で行うこと 

というものでした。

基本は、憲法に定められた唯一の地方公共団体の機関であるということ
議会があるからこそ、
◎多様な民意を反映できる
◎公開の場での議論で論点、争点を発見し
◎決定過程の公開、共有化で「納得」のいく決着にいたる
ことができるというものです。

これらは、我が東村山市議会ではまだまだ不足していることです。
しかし、こうした議会に変わり始めようという機運は感じられます。

この他、沢山の示唆に富んだ、議員自身が変わるべきそのよりどころを勉強させていただきました。

名古屋市や阿久根市のように、議会を必要無いものとの風潮がマスコミを通じて喧伝される中で、
議会があってよかった。
議会は多様な市民の意見を反映して様々な議案への論議の臨み、意思を反映する決定を下している。
市民が見えるところで議論している。
と思ってもらえる議会を、市民のみなさんと共に創っていかなければならないと決意を新たにしています。

「私たちは、3年前から議会に変わってほしいと願ってきた。議会基本条例の制定を求める請願を提出。今回の後援会に至った。議会も、リサイクルセンター建設問題に示されるように、市民に見える形で十分に議論をし、提案にもするようになった。期待しています」
と、おっしゃって下さった、最後の市民からの発言に励まされました。




まっ白いお腹、綺麗な黒い背中=セグロセキレイ

2011-02-09 23:12:00 | バードウオッチング

鶺鴒がいました。

背中が真っ黒でした。

まっ白なお腹に、綺麗な黒の背中
まさに セグロセキレイ です。

泣き声ですぐにセキレイの仲間とわかるのですが、人の気配に敏感で、近づくと まだ遠くにいるのにさっととび立ちます。
結構、まちなかでも見かけます。
コンクリートの駐車場などで チョンチョンと動いているのが確認できます。
人間の近くにいるのに、警戒心も強い鳥です。

優美な姿が好きです。


3割の医療費負担いやなら離婚しろ?

2011-02-09 13:31:26 | 高齢者問題
市内の高齢者世帯へ、今まで医療費の窓口負担が1割であったものが3割になるという通知が来ました。
奥さんが75歳になり、後期高齢者医療保険の対象となり、
夫婦の所得を合算すると所得基準を超えるので、医療費の窓口負担が3割になる。
というものだそうです。

通知を受け取ったご主人は、これを不服として、通知を送った市役所の窓口に説明を求めたが、納得のいく説明が得られなかった。
さらに広域連合に対して不服申請を行ったが、条例で定めていることなのでということしか説明されなかったのである。

私は、この方のくださった怒りのメモを見て
後期高齢者医療制度のひどさを改めて実感した。

ご主人は80歳で、後期高齢者医療制度が始まった時に、無理やり奥さんと別の医療保険に加入させられ、その際、保険料は個人の所得で決定されたのである。
それなのに、こんど奥さんも後期高齢者医療保険の対象になったので、
今度は ≪同一世帯≫として所得を合算し、所得が増えたから窓口負担も、それぞれ3割になるという。

夫婦の所得は年金しかない、
ご主人の所得は基準に照らして1割負担の範囲であり、
奥さんの所得もさらに低いので個々の所得を見れば1割負担である。
なのに、役所の都合で合算し、所得が増えたと認定するのである。
極めて不合理であり、とうてい納得することができないのは当然である。

法律で決まったとはいえ、法律そのものが間違っていると改めて認識した。

このご主人は、告発文の中で
「1割負担になるには離婚しろということか」と怒りを込めて書いておられました。
全く、人権意識のない法律であり、条例である。

年をとって、年金でつつましく暮らしておられるご夫婦を
こんなに追い詰める医療制度は、やっぱり廃止する以外にない。

民主党は、公約で廃止と言ったのであるから、まずこれを廃止すべきである。
社会保障改革などと言って、結局福祉を削る方向に行こうとしているが、
自民党政権と何が変わったのだと聞きたいものである。

机上の空論で17億円も掛ける市の施設を作ることにGOサインは出せません

2011-02-04 11:03:06 | 秋水園リサイクルセンター
昨日、3日午後、秋水園リサイクルセンター問題の特別委員会が開かれました。

1月24日に、当委員会として、東村山市がびんの最終処分を委託している中村硝子(足立区)を視察しました。

委員会は、視察結果の感想を述べることから始まりました。
私を含め多くの委員が、
★小さな工場で、効率よく作業が行われていた事
★びんをあまり細かく砕く必要はないこと
★最終処分を行う過程で、びんの蓋やラベルや異物を確実に除去するための幾つもの工程があり、異物が搬入時点で細かくなっていると逆にそれを取り除くことが障害になること
★作業過程で発生する騒音は、作業場の防音対策を行うことで外への影響を無くすことが出来ること
等々、その処理の過程を実際に見ることで目から鱗が落ちた思いの視察であったと異口同音に感想を出し合いました。

私は、市が計画しているびんを破砕するための施設は必要ではなく、必要なのはその一時保管場所であると思った旨も伝えました。

さて、問題はその後の議論の行方です。

前回の委員会で、
委員会が要求した資料が説明されました。
資料の内容は、
☆リサイクルセンター建設工事の内、機械設備の内訳
 不燃ごみの処理ラインを無くしたのでその削減額 1億1603万円
 ペットボトルの処理を民間委託した場合の削減額 2502万5千円
 合せて1億4105万5千円の削減

☆ランニグコストの内訳
      年間人件費、     その他の経費
 A社 1億8200万円(26人)、1537万円
 B社 1億7500万円(33人)、5300万円

でした。(A,B社はプラントメーカー)

説明と、その後の質疑によって、私は、これらの試算が、結局何の根拠も持たないものであるという認識に至ってしまいました。

確かに、所管は始めから、詳細な設計ではないから、あくまでも例えばの数字ですと繰り返し言ってきました。
しかし、そうは言っても施設計画を立てるのに、その必要性や、その規模や、その設備について一定程度根拠のある試算が行われるのは当然ではないでしょうか?

また、それがあると信じて、議会は党派を超え共に勉強し これまで様々な質疑を交わしてきました。
リサイクル作業場の現状は改善の余地があるが、どうしたら市民の税金を無駄に使わずに改善できるかを真剣に考え、提案をしてきたと私は思っています。
少なくとも私のスタンスはそうでした。

それなのに、昨日の所管の説明の全ては
発注してみて、提案を受けて、施設が稼働しなければ、実際の年間運営経費も今後の補修に関する費用の計画もわからないということの一事に集約されました。

私は、ここに至って初めて、これまでの我々議会が、紙の上でのみ設計された、何の根拠も持たない、ただ大きなスペースを持った施設が必要であるという計画を議論させられていたということがわかりました。
机上の空論を続けさせらてきたという訳です。

議論の中で、与党のみなさんの発言が微妙に違ってきたので、
私も聞きたいと思っていた事を佐藤委員が質問しました。
「来年度予算への計上はどうなっているか」と
所管は「リサイクルセンターの性能発注のための仕様書をつくることを委託するための予算要求をしている」と答弁。

案の定です。
不燃ごみのラインとペットボトルのラインを議会の提案を受けて外し、
17億円に減額しただけで、リサイクルセンターの建設を進めるつもりなのです。

私は、議会が、市民の声を無視し、議会の党派を超えた議論をないがしろにし、明確な建設費や維持管理経費を提示せずに、17億円(これすら正確ではない)もかかる施設建設にゴーサインを出すべきではないと考えます。
議会改革の一歩、市民の声を聞き、その目線で計画をチェックする事を始めた党派を超えた努力を、議会自らが反故にしたら、市民の信頼を勝ち得ることはできないとおもいます。
議会の良識を発揮すべきです。

このリサイクルセンター問題は、5月以後の新しい東村山市議会で、もう一度よ~く研究し、行政の提案をきちんと市民の目線で修正するべきです。

委員会は、3月議会の開会中に最後の委員会を開き、報告書をまとめることになっています。注目して下さい。