特別養子縁組で虐待を無くす 広がってほしい

2015-05-26 07:41:03 | 今読んでいる本
今日も東京新聞より

不妊治療に取り組む夫婦に
治療にあたっている病院が
特別養子縁組や里親という選択肢もあるとお知らせしているとの記事を読んだ。

しばらく前に読んだ光文社新書のー「赤ちゃん縁組」で虐待死をなくすーを思い出し
ひっぱりだした

愛知県の児童相談所の職員矢満田篤二さんが始めた
望まない妊娠など
生みの親が育てることができない赤ちゃんを
その妊娠中から出産に至るまでを
親となる夫婦と共にがんばり
出生後
実施として入籍する
特別養子縁組
の取り組みを紹介した本である。

虐待死をなくす
というタイトルにひかれ買った書籍である

読んでみて
こうした取り組みがもっと広がってほしいと感じた

子どもが大きくなった際の夫婦の対応も実際のことが書かれていて
特別養子縁組がよくわかる

最近も
マンションの窓から我が子を落として死亡させた
などの報道もなされている
そうした報道に接するたびに
この本のことを思い出していた。

児童養護施設で育つ子どもたちも
里親や養子縁組で
自分を『親』として可愛がってくれる家庭で育てば
幸せになれる可能性がある

子どもが欲しくて、授かるために必死で頑張っている
夫婦に
親に愛されたい
親の愛を受けて育つべき親のいない赤ちゃんが
廻りあうことの意義は大きいと考える。

色々な批判もあろうが
私は、今日の記事と
先の書籍に
生まれて来た全ての赤ちゃんが
幸せになる兆しを感じる一人である。

部活の顧問が暴言を吐くー親は ❝見守って❞いてはいけない

2015-05-25 10:03:24 | 教育
今日25日付の東京新聞に
11日付で紹介された
娘さんの部活の顧問が「言ったこともできないからバカだ」などと暴言をはき
娘さんがやる気をなくしている
との相談に対し
読者から寄せられた意見が集約して掲載されている。

7割が学校に意見をすべきと表明していたそうだ
健全な反応で安心したが
中には、
親が朝練をやめるよう学校に意見を言った結果朝練が中止になり、熱心に取り組みたい子が犠牲になった経験から
親は見守った方がよい
とか
娘さんの言葉をうのみにせず、顧問と生徒の関係をなど観察して判断すべき
などの声もあったようである。

記事の初めに高校教諭の方が書いておられるように
事は、
その娘さんの人格と尊厳が侵されたということであり
決して軽微な問題ではない

以前にもこのブログで
東村山市の体罰の問題について書いたが

部活の場での体罰・暴言を
親は「強くなるため、試合に勝つためだから仕方ない」と
容易に容認してしまう
逆に、それがよい顧問だと思う保護者もいる

親であっても
自分の子どもに「お前はバカだ」などといい続ければ虐待になる

ましてや 教育者である部活の顧問が
暴言を吐いてよいわけがない
その顧問は教育者として
子ども観 が間違っていると考えた方がよい

親は
絶対に『見守って』いてはいけない
我が子の人格を傷つける行為はやめるよう学校に問題提起すべきである。
親だからこそ
我が子の人権を守るために必死になってほしい

体罰や暴言は
受けた子どもだけでなく
周りで見聞きした子どもたちをも傷つける
同時にそれは
人権を教えるべき教育の現場で、
他人を貶めてよいのだという感覚が伝えられるということである

こうした問題が起こった時は
重大事態だと考えて一刻も早く行動してほしい
我が子の命を守るために!

仲間に対する体罰をやめさせられないと悩み
自責の念に駆られ自殺した高校生がいたことを
忘れないで!!

子どもの発達と子育て~かけがえのない心のストーリー~ 公開セミナー聴講

2015-05-11 15:40:05 | 勉強
9日
日本福祉大学の神奈川県同窓会が開いた公開セミナーを聴講した
この3月まで副学長であった近藤直子教授の講演である。
レジメに沿って講演の中身を紹介する

1、発達を理解する視点:マイナスの中にプラスを見る
  
発達とは 『できるようになること』 を求められる

しかし、発達したからできなくなることがある
として
保育園で食べられていたのに嫌いになることがあるが
これも味覚が発達し、味や臭いが自分の好みと違うことに気付くことで
心が発達したということ=選ぶ力が付いたということ
だと強調

発達するからマイナスも出る
幼児期、友達と比べてできないこと悔しい
運動が得意でない子は努力してもできないこともある
でも自分の得意なことはある-これを見出すこと大事

マイナスを子育ての失敗としてではなく子どものチャレンジとして応援しよう
子どもの心に 大人を、仲間を、自分を好きになる素敵なストリーを培ってやろう
子どもにとって本当のマイナスは
だれからも
愛されないこと 信頼されないことだ
とこの項をまとめられた。

2、「困っていること」に取り組む
  
大事なことは『子どもが困っている』ということを誰かが知っていること
として

5歳児 よくパンツを少し汚すという子どもの例を紹介された。
保育士が心配して 絶えず その子の耳元で
「トイレ大丈夫」「トイレ大丈夫」ときいていた
ある日 その子はトイレで 大量の便を壁中に塗り付けた
保育士からの相談を受け行動観察を行った

その子は片付けが苦手
ハンカチなどが出しっぱなしで
保育士にいつも「誰のかな~ 先生がもらっちゃおうかな」といわれていた
保育士はそんなにひどいことを言っているつもりはない
教えているつもりだ
しかし、その子はその言葉に緊張していた
この子は位置認証が得意でないことがわかり
ロッカーの位置をわかりやすくして上げることで解決

子どもがどういう時に『困った』感を出すのか専門家の力をかりればよいとの指摘は
親にとっても重要だと思った。

3、子どもが育つ当たり前の生活

当たり前の生活とは、安全、安心、安定が保証されることである
として
昨日座っていた場所が突然変えられると
その場所に安心していられない子もいると指摘された

また、みんなが楽しんでいることを同じイメージでとらえられない子もいる
それを大人が知っていること
その子に合った遊び方があるということをわかることも
子どもの安心、安定につながる
とも

また、
家庭は情けない自分を受け止めてくれる場所
であり
安心できる場所である
そこではわがままも許される 甘えん坊でも良い
そのような場所であるように我々が務めてあげれば
明日からの外での緊張に頑張れるのだ
との指摘は 肝に銘じたい

4、家族も元気になれる生活を

最後に教授は
大人も発達過程である 心がけだけでは頑張れない
発達の土台は生活の安心と安定であり
これは社会福祉の役割である
継続的な援助が必要
生活を変えることができる援助を組立てるのが社会福祉士の仕事である
親子の周りに「応援団」を形成してください

と結ばれた。

ルポ保育崩壊(岩波新書) 小林美希著を読む

2015-05-09 13:53:43 | 今読んでいる本


本屋で偶然見つけた ルポ『保育崩壊』
9日、電車の中で一気に読んだ。
背筋が寒くなった。
保育現場が想像以上に崩壊しているらしい。

とりわけ小泉内閣の保育「改革」以来、
株式会社の参入が可能になり、営利が目的とされ、結果、人件費が削減され、
保育現場で働く多くの人が非正規となり
あるいは 子どもが可愛がられることのない現場にいることに嫌気がさして
保育士がバーンアウトしていく。

全ての保育現場がそうであるというわけではないだろうが
少なくとも 子育てを応援する施設
とりわけ乳児期から幼児期の
子どもの発達にとって重要な時期を過ごす子育ての現場に
一つでもあってはならない現場の実態を読んで途方に暮れた。

本書は
第1章で親子の視点から現場で何が行っているかをルポ
第2章で、保育士の労働実態に焦点を当て
第3章で、上場企業の決裁書や有価証券報告書、現場の園長や業界関係者などの証言から保育所の経営実態に迫る
第4章で、共働き時代の親子関係の質を問い
第5章で子どもの人生のスタートが豊なものになるか、貧しいものになるかを決定する保育の構造問題を改めて問う
という論だてになっている。

示された現場の実態を少しだけ紹介する

朝お母さんと別れて泣き叫ぶ子どもが誰にも声もかけられず放置されている。
給食時 早く早くとせかされ 挙句に 保育士が子どもの口にいやおうなしに食事を運び込む
登園の遅い子は散歩に連れていかず置いてけぼりにされる
子どもの動作が遅いことを「何年たってもできない子ね」と保護者の面前でいう

等々である
保護者の側と 保育士の側からの告発である。

保育関係者(経営者、保育士等)、保護者、自治体の担当所管、議員などに
必ず読んでほしい本である。

わが娘は 保育士である。
この娘が先日 うちの現場は年休取得率100%で
そのために 施設長が努力してシフトをくんでくれている
そのことを知った本部の役員が
そんなに暇なら ヘルプで他の現場に応援をよこせ
と怒ったらしい
お母さん変でしょ と娘は言う

こうした娘の保育園の現状を聞く度に
やっぱり 
営利を目的とした団体の参入を子育ての施設に許してはならない
ということを痛感する。

また、本書を読めば
公立保育園の持っている重要性をより認識できる。
東村山市が計画している公立園の民営化は
絶対に許してはならない

なぜなら
公立の民間化は 経費の削減が大目的だからだ
保育士の処遇問題は子どもの処遇に連動する
他の民間保育施設の子どもと保育士の処遇にも連動するのである。

待機児を生まないために
緊急に保育が必要な子どもと保護者のために
その受け入れ態勢を確保しておく上でも
公立保育園は、7園すべて残すべきである。

いや、不足している認可園は公立でこそ作るべきである

そのことも 本書は教えてくれる。

福祉関係諸氏の一読を期待するものだ

シジュウカラ(四十雀)が子育て始めました?

2015-05-04 14:13:01 | バードウオッチング
我が家の お向かいのおたくのブロック塀で
シジュウカラ(四十雀)が子育て始めました

毎朝 5時には ツツピー ツツピー と
うるさいぐらいに囀りが始まります。

目を覚ますぐらいの声です。

そうすると カメラをもって 写しに出なければなりません。
という具合に
まるで催促されている気分に追い込まれるのです。

ブロック塀の壊れた穴の奥深く
巣を作っているらしく
時折 メスが 出たり入ったりしています。

雛が頭を出すのはいつのことでしょうか。


小田切徳美著『農山村は消滅しない (岩波新書)』 一読をお勧めする 

2015-05-04 11:15:14 | 今読んでいる本
“自治体が消滅する”というショッキングなレポートが発表され、
全国の自治体の多くが右往左往している。

東京郊外の多摩地区に存在するわが東村山市も例外ではない。
生き残りをかけて、若い層に選ばれる自治体づくりへと称し『都市マーケティング課』なるものを設置。
一部の議員たちは評価している。

しかし、
選ばれる自治体となって、隣接自治体から、あるいは他道府県から人口が流入し、
わが市は生き残ったとしても、それで問題が解決されるだろうか。
何も本質は変わらないのでは?と幾人かの議員仲間と話をしていた。

東京26市の市議会議長会主催の研修会で、自治体消滅論を唱えた当の増田氏の講演も聞いた。

私は、昨年、日本福祉大学の地域再生のスクーリングを受講。
その後、限界集落の地域の取り組みに関する書籍などを次々に読み漁っているところに、この本に出合った。
この本は、増田レポートの、「幾つかの地域が消滅する」という脅しに、
「そうではない」 と
限界集落といわれている地域の再生への取り組みを紹介しながら、批判し、
決して、農山村が座して消滅を待ってはいないことを示しているのである。

その方向は、決して理論優先ではなく、
各自治体や集落の住人自身の取り組みの中から学び取ったものであるというところが違っている。
信頼するの足りると思うのである。
65歳以上の住人が全ての自治体であっても、次世代の、60歳を過ぎ、仕事をリタイアした後継ぎが
集落に戻って暮らしたいと思うことを、実行できるようにする取り組み。

これらの努力の後ろには、都会から一定期間地域に派遣された若者の力も大きく、
その挙句に移住してきて、
農村暮らしを始める若者の存在が少なくないことなど、
希望を持たせてくれる。

つまりこの本は、
他の自治体と違うことで目立って、選ばれる自治体づくりをすることではなく、
その自治体や集落のありように誇りを持って、
同時に若い世代を柔軟に受け入れ、その居場所となっていくところに地域再生の力がある
といっているのではないかと思うのである。

65歳以上がほとんどを占めていても、
「それがどうした、80代でも、90代でもできることはある」と、
その地域の衆が誇りを持って生きているのだということをわからせてくれる。

この本には
 地方消滅論が見落とした、農山村の可能性
という帯がついている。

限界集落と言われる地域の衆は、決して悲観的に生きているのでは無いということを示しているのである。

自治体の運営に関わり、その方向を合議体として議論をする議会の面々にも
一読が必要な書ではなかろうかと思う次第である。