「自治」の意味解さぬ区長発言~他山の石にしよう

2016-03-02 09:07:06 | 政治
3月1日東京新聞夕刊
練馬区長が区民との集いの中で
「区長は全員と話さなければいけないのではない。差別はしないが区別はする」
と言ったことに疑問の声が上がっているとの報道

1月下旬に開いた
区長とともに練馬の未来を語る会
でのことらしい

会のネーミングからして区長の支持者に集まってもらいたいとの意図を感ずるが
区長が進める外環道建設や鉄道高架下の高齢者センター建設などに反対する住民の一人が
「区長は都合の悪い意見を聞いてくれない」
と発言したことに対し
冒頭の区長発言があったらしい

それに続き
「私を真摯に支援してくれる人と練馬区を発展させたい」
と答えたとも

冒頭の発言自体も地方自治を理解しているのかと言いたいが
後の発言は何をか言わんやである

自治体は
首長を支援してくれる人だけのものではない
そもそも首長は住民の選挙でその地位につく
選挙は意見の違う候補の中から得票の多い人を当選させる
従って、100%の得票で当選する人はまずいない
無投票当選ならともかく・・・

つまり当選者は
自分を支持してくれなかった人の福祉も実現する責任を負う
これが区長であればなおさら
不特定多数の区民の幸せのための政治を司らなければならない
たとえ自分の意見と異なることがっても
区民の意見に平等に耳を傾ける姿勢が求められており
それができないのであれば
自分を支持する人と支持しない人を差別したことになるのである

地方自治とは
首長が自分の政策を住民の意見を聞かずに勝手に進めるのではなく
結果は同じであっても
住民とよく相談し住民とと共に進めることであり
練馬区長のように
自分の支持者のためだけに
自分の支持者だけの意見を聞いて進めていい訳がない

暉峻淑子氏が指摘しているように
「全体の奉仕者」という公務員としての認識も欠如している
この記事を読んで擁護派に回る自治体関係者(議会も含めて)はいないと思うが
しかし、かの区の広報課が擁護している中身は擁護になっていない
恥の上塗り(見識のなさ)にしかなっていないのではあるまいか

自治体関係者が他山の石としなければならない出来事である