染織工房きはだや 「店主の独り言」

きはだや店主が今日の出来事を語る。喚く。話す。切る。
でも日記は苦手。
皆様の気軽なコメントをお待ちしています。

店主、日本芸術院会館をみる。

2022年07月15日 | 店主の一日
上野公園は博物館、美術館が集まる地域ですが、その中でひときわ厳かな建物があります。
日本芸術院会館。
普段は入ることはできなかったと思いますが、通ったこの日は令和三年度の恩賜賞、日本芸術院賞受賞作品展をしていました。

隣の上野の森美術館が持つウェルカム感とは全く異なります。
「入場無料」と書いてありますが、入館者はあまりありません。
会館の設計は吉田五十八。

調べると1958年に建てられているのでゆうに半世紀を越えていますが、とても丁寧に使われているのがわかります。
中には受付があって手指消毒と検温を求められます。回廊状の平屋建てで中央に玉砂利を敷いた中庭があります。
正面には手入れの行き届いた庭木が一対。
展示会場は回廊を左に巻いて歩いたところ。
12畳ほどの部屋でしょうか。
五人の大先生の作品、足跡が並びます。
浅学でもあり筒井康隆先生以外は存じあげませんでした。

展示室の先には天皇陛下がお越しになられて授賞式をされる部屋もあるはずですが、当然行くことはできません。
中庭を挟んで臨む向かいの部屋もとても美しい佇まいです。
廊下にソファが置いてありますが、全く座る気がしないほど入館者を拒みます。〜もちろん、そんなことはないのだろうけれど。
入り口にいらした女性に館内の写真を撮ってよいかと聞いたら、とてもタイトな感じで禁じられました。
「ここはそのような族な場所ではないのですよ」と諭されているようでした。〜もちろん、そんなつもりではないのでしょうけど。
仕方ないですここは日本芸術院会館です。

入り口には120名ほどの会員大先生の名前が並びます。
その中につげ義春の名前を見つけて仰天。
数年前から芸術院に漫画の分野が加わり、ちばてつや氏と一緒に芸術院会員になられたそうです。
たしかにつげ氏の漫画はシュールでもあり思想的で芸術性に富んでいるのでしょうが、エッセイなどで読んでいる氏とは
全く想像もつきませんでした。

それにしても実に立派な建物でした。
コメント
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