2016年01月25日
モスクワ発
[スケトウダラ漁業者協会が韓国報道に関し声明]
ロシアスケトウダラ漁業者協会(会長ズベレフ)は、韓国ミディアが昨年2015年12月末、韓国市民放射能監視センターのロシア海域産スケトウダラの監視強化を求める行動を報じた件について声明を発表した。
この中で同協会は、ロシア関係機関に対して、更なるロシア排他的経済水域における放射能監視体制の安全確保、情報発信強化と同時に、違法性が指摘されているロ韓合弁(ロシアフラッグ/韓国内国貨物扱い)操業の許可剥奪のため行動を加速させるよう求めると表明した。
(関連情報)
2015年12月22日 韓国発
[韓国市場 輸入水産物放射能 日本よりもロシア対応が危険]
韓国市民放射能監視センターは、輸入水産物について放射能検出率は減ったが、検出濃度は増加しており輸入スケトウダラ、マダラ、サバ等の摂取を控える必要があると発表した。
福島原発事故以後、1日300トンの放射能汚染水が海に排出されている中、韓国国内流通されている輸入水産物の放射能含有量が昨年2014年より増加したことが分かった。
市民放射能監視センターが2015年12月22日に発表した「2015年流通水産物放射能汚染調査結果」によると、サバ、スケソウダラ、マダラ、コンブなど10種の水産物総150個の試料のうち、セシウム137の検出率は5.3%、平均検出濃度は0.53ベクレル/ kg(最大1.09ベクレル)だった。
検出率は6.7%で昨年2014年よりやや減少したが、検出濃度の0.41ベクレル/ kg(最大0.77ベクレル)に比べて増加した数値である。
魚種別にみると、サバは検出率が3.3%、セシウム137の平均濃度が0.53ベクレル、スケトウダラは検出率11.5%、平均濃度は0.76であった。
また、マダラも検出率が13.0%に達し、濃度は0.54ベクレル、更に昆布は検出率7.7%、濃度0.37ベクレルだった。
購入先別では大型マートの検出率が9.1%、濃度が平均0.53ベクレルであるのに対し、在来市場は1.4%、0.53ベクレルで、大型マートの放射能汚染度がより高いことが分かった。
このような違いは、昨年2014年にも同様であった。
原産国別にみると、ロシア産が検出率13.3%、平均0.64ベクレルの濃度を示し、現在の市場で見つけるのは難しい日本産を除けば、最も高い汚染度を示した。
購入地域別では、釜山が検出率8.0%、濃度0.61ベクレルのを示し、他の地域に比べて数値が高かった。
市民放射能監視センターは、魚種別にみるとスケトウダラ、サバ、マダラで検出頻度が高くなっており、国内産コンブで、いくつか検出されているとし、原産地別の特性を比較すると、国内産(2.7%→ 3.2%)はやや増加する傾向を見せており、輸入はやや減少(10.7%→ 6.9%)する傾向を見せていると明らかにした。
また、市民放射能監視センターは、ロシア産の放射性物質の検出率(15%前後)がまだ高く示されており、日本産以外の輸入水産物の検査システムを強化しなければならないと指摘し、国内産、輸入を問わず、放射能検出頻度が高い回遊性魚種(スケトウダラ、マダラ、サバ、サンマ、イワシ、イカ)、および底魚(カレイ、ヒラメなど)、太平洋産(遠洋産)などの放射能検査を日本産レベルに強化し、集中管理対象とすべきであると言及した。
現在、輸入水産物の放射能検査は、日本産に限り全てについて、これ以外の輸入水産物の場合、太平洋産6魚種(スケトウダラ、サバ、カレイ、サンマ、サメ、カツオ)のみ週2回行われている。
しかし、政府が使用している水産物の起源は、漁獲場所ではなく、船の国籍に従うもので、日本産ではなくても放射能汚染の可能性を排除できない。