2016年01月24日
ウラヂオストク発
[ロシア漁業 検討が続くイワシ・サバ資源の利用復活]
ロシア極東漁業はイワシ・サバの大規模漁業の復活の検討を続けている。
ロシア太平洋海洋漁業研究所チンロセンターは、2016年1月22日、ロシア漁業庁副長官サフチュウクを議長にして、クリール列島海域におけるイワシ・サバの大規模漁業の復活について協議した。
ロシア漁業はソ連時代の1970年代から大規模なイワシ漁業を展開していたが、1990年代に入り、加工母船団を大幅に削減、操業形態を単船漁労加工基軸に構造調整した経緯にある。
会議では、日本の当該漁業に関する経験が報告され、沿岸における漁獲物の処理、鮮度保持と冷凍食品、缶詰製品の国家規格の更新、大規模処理の技術的問題等について話し合われた。
サフチュウクは、今回の話し合いの内容が、昨年2015年9月に行われたイワシ・サバの利用復活にかかる会議より大きく進展していると言及し、多くの漁業会社が当該漁業に参加する希望があることを確認した。
(関連過去情報)
2015年11月28日 サハリン発
[サハリン漁業者がサバの漁獲を開始する]
サハリン州漁業局長ディデンコは、同州の漁業会社1社がサバ漁業を開始したと明らかにした。
同州漁業者によるサバ漁業は30年間以上停止状態で、ソ連崩壊後初めてとなる。
昨年2014年、ウラヂオストクの太平洋海洋漁業研究所チンロセンターが、南クリールの同資源の濃度を確認し漁業関係者の関心が集まっていた。
また、現在、同海域ではイワシ資源の濃度も確認されているが、これには鮮度保持の難しさがあり、漁獲製品の処理と輸送が課題となっている。
2015年09月23日 ウラヂオストク発
[イワシ・サバで年間100万トンのTAC設定が可能となる 日本GG枠活用を指摘]
ロシア漁業庁副長官サフチュウクは、クリール列島海域のイワシとサバの資源量が500万トンに達しており、来年2016年には100万トンのTAC設定が可能となるとの観測を示す一方で、その生産手段の復活の必要性を指摘した。
これは、スケトウダラ漁業に匹敵するまでの生産量だが、過去の操業から時間が経っており、この開発のため、大規模な生産手段の復活と、加工分野の新技術の導入が求められる。
ロシア漁業はソ連時代の1970年代から大規模なイワシ漁業を展開していたが、1990年代に入り、加工母船団を大幅に削減、操業形態を単船漁労加工基軸に構造調整した経緯にある。
太平洋海洋漁業研究所チンロセンター専門家は、ロシアが日本との政府間協定に基づき、太平洋日本排他的経済水域においてイワシの漁獲割当配分を受けていることについて言及し、クリール列島からまたがる資源であり、操業効率化のため、この活用と拡大を指摘している。
また、同研究所専門家は、漁獲物の鮮度保持のための冷凍設備の準備の必要性を指摘しているほか、発展が望まれる養殖漁業向け飼料のためのフィッシュミールの生産が期待されるとしている。