ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

上院は流し網漁業問題を終えていない

2016-05-16 16:40:39 | 日記


2016年05月16日
モスクワ発
[上院は流し網漁業問題を終えていない]
ロシア上院第1副議長ニコライ・フョードロフ(Николай Федоров:前農業大臣)は、流し網漁業禁止に関する法令遵守にかかる会合を開催し、サケマス漁期中の遡河魚種の産卵行動の保全に関する関係機関の監視体制の必要性を指摘した。
また、流し網漁業禁止措置について上院議長マトヴィエンコは、法律の抜け道を塞ぐよう、速やかな行動が必要だと指摘してきた。
なお、これに関連して、2016年4月19日付農業省命令No.152により、ロシア排他的経済水域等において遡河性魚種を漁獲するため任意の漁具の使用を禁止する*極東漁業規則の改正が公開され法務省に登録されている。
*報告担当者 原口聖二 :
“2016年4月19日付農業省命令令No.152による2013年10月21日付極東漁業規則改正No.385”
ロシア法務省2016年05月10日付登録No.42060 
公開日2016年05月13日 公開No.0001201605130003

(関連過去情報)

2016年04月01日 北海道新聞【モスクワ渡辺玲男】
[代替3漁法を認可へ ロシア 200カイリ流し網禁止で]
ロシア政府は、ロシア200カイリ内で今年1月から禁止されたサケ・マス流し網漁の代替漁法として《1》2隻の船で網を引く「引き網漁」《2》網を巻いて漁獲する「巻き網」《3》定置網に似た「表層かご」の3漁法を認める方針を固めた。今年の漁期が始まる6月までに漁業規則を改正する。3漁法のうち、日本側が採用する方法としては引き網漁が有力だ。
ロシア農業省によると、規則の改正案は、既に国内の関係者から意見募集を終え、今後、省庁間手続きを経て最終決定する。
同省関係者は31日、北海道新聞の取材に対し、3漁法を認めることについて「変更予定はない」と話した。
ロシアは環境保護などを理由にロシア200カイリ内での流し網漁を今年から禁止し、道東を拠点とする日本の流し網漁船(昨年は小型船19隻が出漁)も操業できなくなった。日本側水産関係者によると3漁法のうち、表層かごはロシア独自の漁法で、巻き網は設備投資がかさむことなどから、引き網漁による操業に向け、関係漁業者らと準備が進む見通しだ。

2016年02月29日 一般社団法人北洋開発協会(原口聖二)
[上院議員はロシアEEZ内でのサケマス漁業の完全な停止を求める]
ロシア上院第387回議会において、マガダン州選出議員で立法委員アナトリー・シロコフ(Анатолий Широков:写真左)は、2016年1月1日からロシア排他的経済水域における流し網漁業が禁止となったが、別な漁法、名目でのサケマス漁業の再開に懸念を表明し、2018年以降の同水域での商業操業の完全な停止を主張した。
これを受け、同院第1副議長ニコライ・フョードロフ(Николай Федоров:前農業大臣:写真中央)と同院業政策環境委員長ゲンナジー・ゴルブノフ(Геннадий Горбунов:写真右)は、この問題措置に関してロシア漁業庁に対し1ケ月以内に状況報告するよう求めた。
ロシア排他的経済水域における流し網漁業禁止に伴い、遡河性魚種の漁獲のため許可される代替漁法リストが極東漁業規則に盛り込まれることになり、今年2016年2月に公表された農業省の同規則改正案には、トロール網、巻網、そして表層カゴ網が選定されている。
しかし、ロシア流し網業界は、科学研究機関に依頼し、合理的で安全な代替漁法を検証、結果、この改正案がでる前に、表層定置網にいきついたが、何らかの意思でこれがリストされておらず現在問題となっている。
6月1日から太平洋サケマスの漁期が始まることから、残された時間も少なく、サハリン州政府はこの問題について、ロシア極東連邦管区大統領全権代表トルトネフ、農業大臣トカチョフらへの要請行動を計画している。
コメント
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