2017年10月18日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[韓国と日本のイカ漁獲量急減 中国の北朝鮮水域操業が影響]
中国の漁船が北朝鮮水域で操業を始めてから韓国と日本のイカの漁獲量が急減した。
その一方で、中国の漁獲量は急激に増えていることが、2017年10月16日までに明らかになった。
韓国聯合ニュース(WEB)が伝えた。
政府系機関、韓国海洋水産開発院の漁業資源研究室長イ・ジョンサムが韓国水産学会に寄稿した論文によると、中国の漁船が北朝鮮水域に入漁する直前の2003年、韓国のイカ漁獲量は23万3,000トンだったが、昨年は12万2,000トンと約48%減少した。
日本は同期間に25万4,000トンから6万8,000トンと約73%減り、それ以上に大幅に減少した。
一方で中国は、25万7,000トンから38万9,000トンに約52%増加した。
韓日中は海が近く、気候変動による資源減少の影響をともに受けているにもかかわらず、わずか10年ほどで大きな差がついた。
イ・ジョンサムは、中国漁船の北朝鮮水域での操業が大きな影響を与えたとみている。
中国漁業年鑑には、10年に456隻が12万3,000トンを漁獲したと記録されている。
しかし、当時韓国付近の水域を経て北朝鮮の東の水域に入った中国漁船は642隻とされ、漁獲量は最少14万8,000トンから最大17万3,000トンに及ぶとイ・ジョンサムは推算した。
漁船の数が増えたことで、近頃は中国漁船が北朝鮮水域で水揚げしたイカが韓国のイカの漁獲量全体を超えているという。10年の中国漁船の北朝鮮水域での漁獲量は最大17万3,000トンに達し、韓国の漁獲量全体(15万9,000トン)を初めて超えた。
このように、韓国と日本の漁獲量が減少する一方で中国の漁獲量が増加する現象は、イカだけに限らない。
韓国の近海漁業の生産量(16年)は93万トンで15年から12.1%減少し、1972年以来44年ぶりに100万トンを下回った。
日本も同様で、昨年の近海漁業の生産量は15年に比べ9.0%減少した291万トンと、初めて300万トンを割り込んだ。
反対に、中国漁業統計年鑑が明らかにした昨年の近海漁業の生産量は1,328万トンで、15年から1.0%増加した。
特に中国漁船が北朝鮮水域で操業を始めた04年以降は、韓国が13.4%、日本が24.6%減少した反面、中国は19.6%増加した。
中国漁船の北朝鮮水域での操業が、韓日両国の漁獲量減少に直接影響を及ぼしたと解釈でき、深刻な被害を受けているといえるが、中国漁船の北朝鮮水域への入漁は、北朝鮮と中国の協定によるもので、制止する方法を見つけるのは難しいのが実情だ。
したがって、短期的には韓日間の水域にある東海最大の漁場「大和堆」で違法操業する中国漁船に対する取り締まり効果を高めるため、日本と協力して活動を積極的に推進する必要があるとイ・ジョンサムは指摘した。
イ・ジョンサムは北朝鮮の軍事的脅威が高まっている近ごろの状況と関連し、国連安全保障理事会で北朝鮮の漁業権取引を制裁に含めるよう国際社会との協力を強化していく戦略も必要だと述べる。
また、南北間の融和ムードが醸成されれば、水産協力を強化し、韓国漁船が入漁料を払って北朝鮮水域で操業したり、北朝鮮漁船が水揚げしたイカを輸入したりすることが出来る等の方策も提案した。
長期的には、韓中日3カ国を中心に北東アジアの水産資源管理機関を設置し、イカなどの資源管理で協力することも必要だと加えた。
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[韓国と日本のイカ漁獲量急減 中国の北朝鮮水域操業が影響]
中国の漁船が北朝鮮水域で操業を始めてから韓国と日本のイカの漁獲量が急減した。
その一方で、中国の漁獲量は急激に増えていることが、2017年10月16日までに明らかになった。
韓国聯合ニュース(WEB)が伝えた。
政府系機関、韓国海洋水産開発院の漁業資源研究室長イ・ジョンサムが韓国水産学会に寄稿した論文によると、中国の漁船が北朝鮮水域に入漁する直前の2003年、韓国のイカ漁獲量は23万3,000トンだったが、昨年は12万2,000トンと約48%減少した。
日本は同期間に25万4,000トンから6万8,000トンと約73%減り、それ以上に大幅に減少した。
一方で中国は、25万7,000トンから38万9,000トンに約52%増加した。
韓日中は海が近く、気候変動による資源減少の影響をともに受けているにもかかわらず、わずか10年ほどで大きな差がついた。
イ・ジョンサムは、中国漁船の北朝鮮水域での操業が大きな影響を与えたとみている。
中国漁業年鑑には、10年に456隻が12万3,000トンを漁獲したと記録されている。
しかし、当時韓国付近の水域を経て北朝鮮の東の水域に入った中国漁船は642隻とされ、漁獲量は最少14万8,000トンから最大17万3,000トンに及ぶとイ・ジョンサムは推算した。
漁船の数が増えたことで、近頃は中国漁船が北朝鮮水域で水揚げしたイカが韓国のイカの漁獲量全体を超えているという。10年の中国漁船の北朝鮮水域での漁獲量は最大17万3,000トンに達し、韓国の漁獲量全体(15万9,000トン)を初めて超えた。
このように、韓国と日本の漁獲量が減少する一方で中国の漁獲量が増加する現象は、イカだけに限らない。
韓国の近海漁業の生産量(16年)は93万トンで15年から12.1%減少し、1972年以来44年ぶりに100万トンを下回った。
日本も同様で、昨年の近海漁業の生産量は15年に比べ9.0%減少した291万トンと、初めて300万トンを割り込んだ。
反対に、中国漁業統計年鑑が明らかにした昨年の近海漁業の生産量は1,328万トンで、15年から1.0%増加した。
特に中国漁船が北朝鮮水域で操業を始めた04年以降は、韓国が13.4%、日本が24.6%減少した反面、中国は19.6%増加した。
中国漁船の北朝鮮水域での操業が、韓日両国の漁獲量減少に直接影響を及ぼしたと解釈でき、深刻な被害を受けているといえるが、中国漁船の北朝鮮水域への入漁は、北朝鮮と中国の協定によるもので、制止する方法を見つけるのは難しいのが実情だ。
したがって、短期的には韓日間の水域にある東海最大の漁場「大和堆」で違法操業する中国漁船に対する取り締まり効果を高めるため、日本と協力して活動を積極的に推進する必要があるとイ・ジョンサムは指摘した。
イ・ジョンサムは北朝鮮の軍事的脅威が高まっている近ごろの状況と関連し、国連安全保障理事会で北朝鮮の漁業権取引を制裁に含めるよう国際社会との協力を強化していく戦略も必要だと述べる。
また、南北間の融和ムードが醸成されれば、水産協力を強化し、韓国漁船が入漁料を払って北朝鮮水域で操業したり、北朝鮮漁船が水揚げしたイカを輸入したりすることが出来る等の方策も提案した。
長期的には、韓中日3カ国を中心に北東アジアの水産資源管理機関を設置し、イカなどの資源管理で協力することも必要だと加えた。