2018年01月26日
NHK 北海道
[オホーツク海のカニ違法漁具 押収が最多に]
オホーツク海の日本の排他的経済水域内で、カニを取るために違法に仕掛けられ水産庁が押収した漁具は去年1年間で980個と、これまでで最も多くなったことがわかり、水産庁は外国船による違法な操業とみて取り締まりを強めることにしています。
水産庁の北海道漁業調整事務所によりますと、オホーツク海の日本の排他的経済水域内に違法に仕掛けられ水産庁が押収した「カニかご」と呼ばれる漁具は、去年1年間で980個でした。
これは水産庁が取り締まりを始めた平成24年以降で最も多く、押収数としては10倍以上に増えています。
押収したカニかごは日本国内の漁業者が通常のカニ漁で使うものと比べて大型で、外国船による違法操業とみられるということです。
周辺の海域では過去に貨物船を装った外国船がカニを密漁していたケースもあり水産庁は違法操業の取り締まりをさらに強めることにしています。
2018年01月18日
水産経済新聞【札幌】
[違法漁具の押収強化を 道機船連 道漁調に要望]
北海道機船連(山田邦雄会長)の原口聖二常務は2018年1月15日、水産庁北海道漁業調整事務所の石塚浩一所長を訪ね、同事務所が実施しているオホーツク海での違法設置漁具の押収活動の継続と、体制強化を要望した。
道機船連によると、オホーツク海の日本二百カイリ内では2000年代後半、ロシア人を乗組員とする便宣置籍船(FOC船)によるカニの密漁が横行。
これに伴い、漁場ではカニかごなどの放置漁具が増加した。
同事務所ではFOC船に対する取り締まりを強化するとともに、12年からは違法漁具の引き上げ、押収活動を開始。
昨年には980個の違法カニこかごを押収した。
14年の日ロ密漁・密輸防止協定発効の効果もあって、密漁、違法漁具は減少しているとされる。
ただ、違法漁具の完全撤去、密漁の根絶までには至っておらず、昨年には道機船連所属の沖合底びき網漁船が放置漁具を推進機器に絡める事故が起きるなど、安心して操業できない状況が続いている。
今回の要望書では、同事務所が行う特殊漁具を使った「サデ引き」による放置漁具引き上げが効果的であり、ズワイガニの資源状況も改善傾向にあることを強調したうえで、FOC船に対する取り締まり活動の強化、違法漁具引き上げ作業の早急な体制強化を求めている。
原口常務は取材に対し、「『サデ引き』による漁具引き上げは効果的。オホーツク海のカニ資源、漁場価値を完全に回復させるため、引き上げ体制の強化などの協力をお願いした。」と説明している。