ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

韓国 スケトウダラ等”水産物需給情報総合システム”構築 試験運用開始

2019-03-17 17:53:13 | 日記

2019年03月17日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[韓国 スケトウダラ等”水産物需給情報総合システム”構築 試験運用開始]
韓国海洋水産部は、主要な水産物の需給状況の監視を強化するために”水産物需給情報総合システム”を構築、第1ステップとして明日2019年3月18日からこれを試験運用する。
システムでは、スケトウダラ・サバ・タチウオ・イカ・イシモチ・カタクチイワシなどの大衆的魚種の生産量と産地価格、卸売価格、消費者価格などを確認することができる。
海洋水産部は、このシステムにより水産物の需給と物価の状況などを監視し、積極的に対応する計画だ。
このシステムは、3つステップを踏み2020年までに開発を完了する予定となっている。

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色丹島、進む水産基地化 ロシア最大加工場が今夏稼働  北海道新聞 細川伸哉

2019-03-17 08:56:31 | 日記

色丹島、進む水産基地化 ロシア最大加工場が今夏稼働 日本不在、設備は他国

美しい穴澗湾に、ギドロ社が建設した新工場(白い屋根の建物)。空から見ると、その大きさが分かる(同社提供)
美しい穴澗湾に、ギドロ社が建設した新工場(白い屋根の建物)。空から見ると、その大きさが分かる(同社提供)

 北方領土の色丹島が、実効支配するロシアの「水産基地」として強化されている。北方領土最大の水産企業「ギドロストロイ」が今夏、ロシア最大規模という水産加工施設の稼働を予定。経済特区を活用した加工工場の建設も進み、島の産業の底上げが予想される。ロシア紙は15日、プーチン大統領が日本への島の引き渡しに反対する島民の意向などを重視する考えを表明したと伝えた。進む水産基地化は、今後の領土返還交渉に影響しそうだ。

 北海道新聞ユジノサハリンスク支局のマリヤ・プロコフィエワ助手が取材した。深い入り江に面した色丹島穴澗(クラボザボツコエ)。延べ床面積7550平方メートルあるギドロ社の新工場内では、加工設備の組み立て作業が急ピッチで進んでいた。6月にも稼働予定で、島民の1人は「巨大な工場が雨上がりのキノコのような早さでできて驚いた」と語った。

 現場責任者によると、新工場建設のきっかけは、イワシやサバの資源回復だ。最盛期は24時間操業し、1日千トンの冷凍加工魚肉を生産する計画。既存工場の3倍の処理能力があり、完成後は新工場で一括生産する。現在より100人多い約500人が働く予定で、半数は大陸からの出稼ぎだ。

 最新鋭の加工設備はアイスランドやドイツから導入。新たに配備した870トンの巻き網漁船2隻はノルウェー製で、港には韓国製の約550メートルの浮揚式桟橋を設置する。付近に作業員や外国人技術者らの宿泊施設や食堂も整備し、計約100億円を投資した。

 島北部の斜古丹(マロクリーリスコエ)でも水産会社オストロブノイの缶詰工場建設が進む。ロシア政府は17年、税の優遇措置を受けられる経済特区を、北方領土で初めて色丹島に指定。その恩恵で同社は今年、韓国から無関税で資材を搬入した。夏以降に完成予定の工場は700人超の雇用を見込み、人口約3千人の色丹島にとって大きい。

 北方領土でロシアとの共同経済活動の具体化を目指す日本の影は見えなかった。色丹島は、日ロ首脳が平和条約締結交渉の基礎と位置づけた1956年の日ソ共同宣言で、条約締結後に日本に引き渡すとされているが、ギドロ社のユーリ・スベトリコフ社長(64)は冷静にこう話す。「ロシアの領土に投資をしており、今後も続ける」(ユジノサハリンスク 細川伸哉)


「島も魚もロシアのもの」 色丹にロシア最大化工場 ギドロ社・スベトリコフ社長に聞く

新工場の資料を示しながらインタビューに応じるユーリ・スベトリコフ社長
新工場の資料を示しながらインタビューに応じるユーリ・スベトリコフ社長

 北方領土最大のロシア企業で択捉島を拠点に水産、建設、観光など幅広い事業を手掛けるギドロストロイ社。ユーリ・スベトリコフ社長(64)に、日ソ共同宣言で平和条約締結後の日本への引き渡しが明記されている色丹島で新工場建設を進める狙いなどを聞いた。

 ――新工場の稼働準備が進んでいます。

 「色丹島では1994年の北海道東方沖地震で破壊された施設を買い取り、99年に工場を建設しました。イワシやサバの資源は数十年単位で増減を繰り返しており、今後20年、豊漁が期待できるため、新工場建設に踏み切りました。ロシア全土で最大と言える大きさです。会社の拠点は、建設や観光業も行う択捉島ですが、色丹島の新工場は、択捉島にある2カ所のサケ・マス工場と生産額で肩を並べるレベルです」

 ――日ロ両政府は日ソ共同宣言を基礎に交渉を進めています。

 「交渉は私たちの将来に影響する話で、非常に関心を持っています。住民も緊張しており、引き渡しに反対運動が起きています。ただ、困惑や不安はありません。新工場は言うまでもなくロシアの領土に投資をしており、ロシア政府は支持してくれるでしょう。色丹島と周辺海域、そこにいる魚はロシアのものです。戦争の結果を見直してはいけません。万が一、色丹島が日本に引き渡されることがあれば、日本領の中で工場を動かし続けますが、仮の話に意味はありません」

 ――北方領土における共同経済活動の具体化は水面下で進んでいますか。

 「ロシアと日本の企業が協力してビジネスを行うための法的基盤が必要ですが、立場の違いが鮮明で、近い将来の実現はないでしょう。2017年に日本の官民調査団が来た際、《1》北海道から択捉島への飛行機による観光《2》ミネラルウオーター生産《3》択捉島のクラシーバエ湖(日本名・得茂別(うるもんべつ)湖)でのベニザケふ化―の3事業を提案しました。日本側が提案する海面養殖は、漁場が(島の漁業者に)配分されており簡単ではない。最も実現性が高い観光分野で、生じる問題を一つずつ解決していくのが近道でしょう。第一歩を踏み出すことが重要です」

 ――今後、四島でどんな事業を予定していますか。

 「共同経済活動に関して日本側が注意を払うべきは、後れを取らないようにすることです。観光では、私たちのホテルや温泉施設に、既に韓国や北欧の観光客が訪れています。日本に提案したベニザケ養殖は日本側から返答がないので、独自に科学的な調査を始めました。ミネラルウオーター生産についても今年中に択捉島に工場を建設し、年末に商品を発売する計画です」(聞き手・ユジノサハリンスクで細川伸哉)

<ことば>ギドロストロイ 創業者で会長のアレクサンドル・ベルホフスキー前上院議員が旧ソ連崩壊直前の1991年3月、択捉島の倒産した水産関連施設などを買い取って設立。本社は択捉島紗那(クリーリスク)。47隻の漁船を所有し、水産加工場は択捉島、色丹島、サハリンに計5カ所(新工場含む)ある。従業員は繁忙期で5千人。

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