2019年12月24日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア漁業庁の日本EEZイワシ・サバ等操業許可手続 新たな訴訟]
モスクワ仲裁裁判所は、2019年12月24日、ロシア漁業庁の日本EEZイワシ・サバ等操業許可手続にかかる極東漁業会社の訴えについて審理を開始する。
原告は、極東地方の漁業会社の”Ролиз”(ロリズ)、”Лунтос”(ルントス)、”Интеррыбфлот”(インテルルイブフロート)、そして”Поларис”(ポラリス)の4者。
当初、”Тралфлот”(トラルフロート)も原告に名を連ねていたが、その後取り下げた。
ロシア漁業庁が同庁2019年7月15日付命令No.352により、政府間協定に基づく2020年からの日本EEZにおける漁獲割当を全量オークションに上場し、配分手続きをとったことを違法だと原告は訴えている。
(報告担当者 原口聖二:”Тралфлот”は当該オークションに参加し相当ロットを落札した。)
(関連過去情報)
2019年11月20日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[ロシア漁業庁の日本EEZイワシ・サバ等操業許可申請処理手続 新たな訴訟]
一部情報によると、モスクワ仲裁裁判所は、過去のロシア漁業庁の日本EEZイワシ・サバ等操業許可申請処理手続にかかるロシア独占禁止庁の訴えを検討している。
争点はまだ明らかになっていない。
先にロシア最高裁判所は、昨年2018年のロシア漁業庁による日本EEZでのイワシ・サバ・カタクチイワシの操業許可申請処理手続が適正であったとのモスクワ仲裁裁判所の判決を支持、ロシア独占禁止庁の上告を棄却してこれが確定しており、今回は別件と推察される。
ロシア独占禁止庁は、昨年2018年6月、政府間協定に基づく日本EEZにおける操業許可申請の取扱いについて、 “ 競争の保護 ” に関する法律に違反があったとして漁業庁を提訴、同年12月下旬、漁業庁に、透明な条件を確保させるための、排除措置命令を発した。
しかし、モスクワ仲裁裁判所は、今年2019年6月、現在の法律の枠組みの中でロシア漁業庁が、すべての可能な行動を実行したと認めた。
これより先の2017年、ロシアは日本EEZでイワシ・サバ、そしてカタクチイワシの漁獲割当として約2万3,700トンを受けとった。
ロシア漁業庁は、これらの漁獲割当を“Лунтос”(ルントス:1万トン)、“Софко”(ソフコ:2,600トン)、“Тралфлот”(トラルフロート:1万1,100トン)の3社のみに配分する手続きをとり、日本権限機関に進達、許可が発給された。
しかし、その後、これよりも多くの企業が許可申請を行っていたことが分かり、調整がとられた経緯にある。