2020年10月19日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[色丹島アストロブノイ 投資クオータ利用漁船建造プロジェクト民事訴訟へ]
色丹島漁業コンビナート" Островной" (アストロブノイ)が進めている投資クオータ利用漁船建造プロジェクトが未着工で民事訴訟となった。
ウラヂオストクの造船会社"Композитное кораблестроение" (コンポジトノエ・コラブレストロエニエ)は今年2020年2月、投資クオータを利用した全長35mの中型漁船建造を受注した。
契約金額は約4億ルーブルだった。
”コンポジトノエ・コラブレストロエニエ”はその名の通り、組み立て造船に特化した会社だったが、この中型漁船新造を約束し、規制当局もこれを認めた。
また、”コンポジトノエ・コラブレストロエニエ”は、この建造にあたり、沿海地方の造船所
"Ливадийский ремонтно-судостроительный завод"(リヴァヂイスキー・レモントノ・スダストロイテルヌイ・ザヴォド:以下LRSZ)の施設を確保することを約束した。
投資クオータを利用による建造プロジェクトを利用する場合、造船請負者にその施設、設備があることは必須で、これはアストロブノイに約束され、アストロブノイはロシア漁業庁にその証明書類を提出した。
しかし、その後、”コンポジトノエ・コラブレストロエニエ”がLRSZに対して、この施設料の支払いをしておらず、それを求められていることが判明し、工事も未着だった。
アストロブノイは、”コンポジトノエ・コラブレストロエニエ”とのプロジェクト契約を打ち切り、前渡金の回収等に関する民事訴訟となった。
なお、アストロブノイは、既に当該プロジェクトにかかる新たな造船所と契約を完了したとされている。