2020年10月18日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[英国EU離脱 英国政府 EUとの通商交渉は終わったとけん制]
英国とEUの間で進められている通商交渉が難航しているが、英国首相Boris Johnsonは、先に、2020年10月16日のEU首脳会議を交渉期限としていた経緯があり、英国相官邸は同日、交渉は終わったと強気の姿勢を示した。
英国BBCが伝えた。
英国首相報道官は、EUが通商協定の法的文書について協議する準備をしてこなければ、来週(2020年10月18日からの週)以降に交渉を続ける理由がないと言及した。
英国交渉代表で首相顧問のDavid Frostも、EU側首席交渉官のMichel Barnier(フランス)に対し、譲歩がなければ、もはや来週以降に協議をする「根拠」がないと告げたとされている。
一方、欧州委員会委員長Ursula von der Leyen(ドイツ)は、EUの交渉チームは週明けにロンドンへ向かい、協議を強化するとツイートした。
また、Boris Johnsonは、同16日朝の会見で、EU離脱後の移行期間の終わる来年2021年からについて、通商協定がないままEUと貿易する準備が必要だと話したものの、協議が決裂したとは言及しなかった。
最も大きな問題となっている漁業分野について、2020年9月28日からの週に行われた第9ラウンドで、英国側が3年間で段階的にEU漁船への自国海域の漁獲割当を削減させる、調整期間をあたえる妥協案を提示したが、EU側は現状の英国海域へのアクセスの維持する立場を譲っていない。
Michel Barnierは、EU漁業者の被害緩和を目的に、EU政府に対し、英国漁船に配分されたEU海域の漁獲割当をEU加盟27ケ国(以下”EU27”)に再配分することを提案したとされている。
なお、専門家によると英国が自国以外のEU海域で配分を受けた漁業権利は、”EU27”が英国海域で受けた漁場価値の1/5に過ぎない。