ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

ロシア 目標プログラム”太平洋サケマス2021”により調査研究強化

2021-01-29 14:54:04 | 日記

 

2021年01月29日

北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[ロシア 目標プログラム”太平洋サケマス2021”により調査研究強化]

2020年11月、農業大臣パトルシェフが議長となり、太平洋サケマス操業の合同部門会議が開催され、目標プログラム”Лосось 2021”(ロソスィ=サケマス2021)が採択された。

この取り組みは複合的なもので、状況監視、調査、分析、来遊予測、そして結果評価等のすべてが含まれている。

ロシア科学研究機関は、調査、研究を強化し、国際プログラムへの参加等を通じ、新たな情報を求めることとなっている。

2020年、サケマスの漁獲量の減少は、ロシア沿岸だけでなく、アラスカ湾でも確認されており、2015年-2019年と比較してアラスカ湾では平均37%減少、ブリストル湾を除くベニサケ、南東部のカラフトマスは1976年以来最低となった。

北太平洋の西部と東部の太平洋サケマス漁獲量の同時減少は、北太平洋全体の資源形成に影響を与える共通の要因の存在を示唆しており、広範な海域の調査、まだ不明な部分も多い生態の研究の継続強化が必要となっている。

今初夏、ロシア科学研究機関は追加的に西部ベーリング海の調査を行うこととした。

また、カラフトマスの移動時期、オホーツク海クリール列島沿岸沖合の調査を複数回行い、クリール列島横断の際の生態系の損失を追跡することとした。

さらに、科学研究機関は、ベーリング海の秋季の幼魚調査の範囲を拡大、シベリア最東部チュコトカ自治区のアナディリ湾と外洋の把握の必要性を指摘している。

加えて10月には日本海の調査、晩秋から初冬にオホーツク海南部とクリール列島沿岸沖合の生物学的情報を収集、稚魚の海洋への移動を把握することが計画されている。

来年2022年には、ロシア、米国、カナダの参加により、冬季の北太平洋への国際共同調査が計画されているほか、直近では今年2月19日、ユジノサハリンスクの全ロシア海洋漁業研究所ヴニロ・サハリン支部サフニロを拠点に、通信を利用して、太平洋サケマスの国際会議の開催が予定されており、

ロシア、カナダ、米国、日本、そして韓国からの著名な国際的専門家や科学者が参加して、”北太平洋における太平洋サケマスの資源動向・増殖”をテーマに話し合いが行われることとなっている。

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韓国 近海網漁船スルメイカTAC規制対象 漁期半期で3,148トン設定

2021-01-29 14:20:07 | 日記

2021年01月29日

リポート:北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[韓国 近海網漁船スルメイカTAC規制対象 漁期半期で3,148トン設定]

韓国海洋水産部は、近海網漁船がスルメイカTAC規制の対象とする決定がされたことに伴い、2021年から同年6月末までの当該数量を、自治体管理枠2,648トン、保留枠500トン、計3,148トンに設定すると発表した。

保留枠は、非意図的混獲、同超過に振り向けが可能となる。

韓国のスルメイカのTACの漁期管理は、7月から翌年6月であり、現時点の漁期は2020年度漁期となっている。

近海網漁船へのスルメイカTAC規制の導入は2021年1月1日からとなっており、半期6ケ月間の数量として今回の設定となった。

新年度漁期となる2021年7月1日からは、他の漁業種同様、7月から翌年6月の1年間の数量により管理されることになる。

これまでのTAC規制対象漁業は、大型トロール、沖合イカ釣り、中型トロール、大型巻き網、西海トロールの5業種で、2020年度漁期のTAC設定は、8万5,930トンだった。

今回の設定で、2020年度漁期のTACは8万9,078トン、近海網漁船のシェアは3.5%となる。

韓国海洋水産部は、近海網漁業によるスルメイカをTAC規制対象に組み込む立法の予告を昨年12月に行っていた。

これまで規制の対象外となっていた近海網漁業のスルメイカ漁獲が増加して、関係業界に波紋を呼んでいたが、一方で、TACの内数として規制されることで、次年度のTAC対象漁船の配分割合が削減される可能性が懸念されることになる。

TACは文言どおり、総許容漁獲量で、上限があって、最終的には一つのパイを分け合うことであり、これまでの5つの漁業種漁船は、近海網漁船の規制は必要だが、このために、自らの配分漁獲シェアを与えることが避けられず、口を揃え、不満を漏らしていた。

近海網漁船の主な対象魚種はこれまでイシモチだったが、2019年、当該資源の禁漁期間中、特に、流刺網の一部船団がスルメイカ漁獲に向け漁具を改良、当該操業を開始し、2020年、価格が急騰すると、最初からイシモチ操業よりスルメイカ操業に軸足を置くことになった。

このことで、沖合イカ釣り漁業より、漁獲圧力が高い等の指摘、不満が、関係業界から噴出することとなった。

事実、近海網漁船のスルメイカの漁獲量は年々増加している。

2018年、480トンだった当該漁獲量は、2019年には2,500トンまで増加、2020年は10月までに5,000トンを超えていた。

更に問題なのは、近海網漁船403隻の内、スルメイカを漁獲する船団隻数が、まだ、半分という点だ。

もし、すべての近海網漁船がスルメイカ操業を開始すると、漁獲圧力は、想像以上なものとなる。

近海網漁船の漁獲量が日増しに増え、資源保護が必要になると考え、韓国海洋水産部は、当該漁業へのTAC規制の導入を決めたと説明している。

 

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