2021年07月28日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[2021年ロシア太平洋サケマス操業 盛漁期を迎える]
今年2021年、ロシア漁業者による太平洋サケマス操業は盛漁期を迎えている。
同年7月18日からの1週間、極東地方ではカラフトマスを中心に約10万トンの太平洋サケマスが漁獲された。
一部地域では、漁獲物の処理能力がショートし、生産を抑制している。
同年漁期開始から7月26日までの太平洋サケマス漁獲量は、当該週で倍増、19万8,700トンとなり、この内、カムチャツカ地方が18万5,400トン、全体の93.3%を占めている。
これにマガダン州が5,100トン、北海道に隣接するサハリン州4,300トン、ハバロフスク地方2,100トン、チュコトカ自治区1,700トン、そして沿海地方100トン強と続いている。
また、魚種別ではカラフトマスが18万100トンで全体の90.6%を占め、この3/4がカムチャツカ北東部沿岸によって漁獲された。
同年7月18日からの週、カムチャツカ西部沿岸もカラフトマス操業が活発になり始めた。
カラフトマス全体の漁獲量は、直近奇数年2019年を6.2%上回っているが、伝統的漁場のサハリン北東部沿岸は大きく遅れをとっている。
全ロシア海洋漁業研究所ヴニロは、マガダン州の漁獲増加の要因が、資源来遊ばかりでなく、シェリホフ湾(60°N)での加工処理船団の着業を指摘、同時に、チュコトカ自治区の遅れを、処理船団の不足が帰着したところと評価している。
なお、カラフトマス以外の魚種では、同年漁期開始から7月26日までに、ベニザケ1万1,100トン、シロザケ7,200トン等が漁獲されている。