ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
http://kisenren.com
一般社団法人北洋開発協会

スケトウダラ国際市場動向 ロシア産冷凍製品 中国加工 EU市場

2021-07-29 18:39:28 | 日記

 

2021年07月28日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[スケトウダラ国際市場動向 ロシア産冷凍製品 中国加工 EU市場]

世界のスケトウダラ生産350万トンの内、ロシアが180万トン、米国が150万トンを占めている。

ロシアは洋上でH&G(ドレス)を生産し中国へ輸出、中国が陸上でフィレ加工してEUへ再輸出、米国は日本へすり身として輸出することを、それぞれ仕向けの主流としてきた。

新型コロナウイルス(CV19)拡散防止対策以降、中国の冷凍水産物輸入規制により、ロシア産H&Gの輸出が極端に鈍化していると伝えられており、EUフィレ市場との相関動向を注目する必要がある。

今般、2021年1月-4月・5月の貿易情報が確認されたので、これをリポートする。

1 2021年1月-5月の中国の冷凍スケトウダラ製品輸入

①2021年1月-5月、中国のH&Gを中心とする原料ベースでのロシアからの冷凍スケトウダラ製品輸入量は、情報どおり前年同期の41万3,900トンから10万500トンに激減した。

②これを米国産が補填したわけでもなく、同国からの輸入も前年同期の1万4,000トンから5,900トンに減少した。

③さらに、韓国、日本からの輸入も3,000トンヴェルで前年と変化を示していない。

④ロシア産製品の中国の輸入平均単価はkgあたり1.19ドルで、前年同となっている。

2 2021年1月-4月のEUの冷凍スケトウダラ・フィレ輸入

①2021年1月-4月のEUの中国(主にロシア産H&G原料再加工)からの冷凍スケトウダラ・フィレ輸入量は4万750トンで、前年同期を7,250トン、15%下回った。

②これを米国産が補填したわけでもなく、同国からの輸入も前年同期の3万2,770トンで、前年同期を3%下回っている。

③さらに、自国でのフィレ加工を推進したロシア産の取引量も前年同の1万600トンとなっている。

④2021年4月、中国(ロシア産H&G原料再加工)からの冷凍スケトウダラ・フィレの数量が落ちているにもかかわらず、EUの輸入平均単価はkgあたり2.58ユーロで、前年同期を0.3ユーロ下回っている。

CV19による外食業界の弱まりが原因なのか、単価低下は米国産とロシア産についても同様となっている。

3 報告担当者仮説

①米国産の冷凍すり身の増産等、想定の範囲内の動向はあるものの、その他生産各国と市場の変化においてロシアと中国のH&G貿易ほど大きな変化は存在していない。

一方で、現時点において中国からEUへのフィレ供給量減は、これに対して劇的なものとは言えない。

中国加工フィレのEU利用者は冷凍食品メーカ(フィンガー・スティック・フライ等)業界で、出荷製品原料と末端冷凍食品との供給のタイムラグが作用している可能性があり、まだ数ケ月間、この動向を観察する必要がある。

②また、ロシアは国内外市場向けフィレの生産、アジア・アフリカ諸国等新規市場への製品供給に取り組んだが、今春のロシアAシーズン操業においても前年の80%の漁獲は行ったことから、中国再加工を待っている応分の在庫が、ロシア極東地方と、保税状態において韓国、あるいは日本に存在すると推察される。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア イワシ漁本格化へ 連続30万トン焦点に 2021年07月29日  日刊水産経済新聞【札幌】

2021-07-29 10:41:57 | 日記

 

2021年07月29日 

日刊水産経済新聞【札幌】

[ロシア イワシ漁本格化へ 連続30万トン焦点に]

北洋開発協会(北海道機船連内)によると、ロシア極東の南クリール(南千島)海域でのイワシ漁の漁獲ペースは徐々に上がり、7月25日までの1週間の週間漁獲量は7900トン、一日当たり平均では179トンとなっている。同海域では目下、9隻の漁船が操業、主に色丹島の北部と東部、択捉島とウルップ島周辺に漁場を形成している。

今年のイワシの漁獲勧告は30万トン。31万5000トンを漁獲した昨期に続く30万トン台の漁獲を目指すが、7月下旬時点での別の情報ではロシアニ百カイリ内でのイワシの累計漁獲量は「1万5000トン以上」とされ、7月26日時点で約5万トン(速報値)が漁獲されていた前年同期と比べると、鈍い出足となっている可能性がある。

一方、同海域ではサバも24万トンの漁獲勧告が示されている。昨年実績は7万8000トンで、漁獲勧告との開きは大きいが、ロシアの科学研究機関は、南クリール海域と北太平洋公海で行った資源調査と、ロシア、日本の漁獲データなどから、今年のサバの来遊資源は昨年の水準を下回ることはないとの評価を下しているという。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア魚粉2021年1月-5月 1割減の6万トン スケトウダラ減産に連動 2021年07月29日 みなと新聞

2021-07-29 09:44:21 | 日記

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする