2022年08月10日
ユーザー 各位
拝啓 時下ますますご隆昌のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、今年2022年、ロシアの5月末までのスケトウダラ等の水産物輸出の仕向けは、昨年2021年に続き韓国が首位で50%以上を占めていると同国一般メディアが伝えました。
しかし、これらは、ロシアの輸出統計が、経由(保税)貿易を追ったものではなく、一次仕向け地を対象とした情報で、これだけでは、新型コロナウイルス(CV19)拡散防止対策で中国が輸入規制強化をして以降、最終仕向け地市場にどれだけ製品が供給されたのか、実態を把握することは不可能な状態となっています。CV19拡散防止対策でロシア産スケトウダラH&Gの中国向け直接輸出は激減、一方でロシア産当該H&Gの韓国経由中国向けコンテナ輸出が増加しています。CV19の発生は、世界のスケトウダラのフィレ市場への供給体制に確実に変化を与えました。
現在、ロシア、韓国、そして、中国の貿易統計において、輸出入にかかる経由(保税)の取扱いが“まちまち”であり、製品供給の流れを把握することは、極めて複雑な作業が必要となっています。今年2022年のプレヴューのため、昨年2021年のロシアのスケトウダラ漁業製品にかかる情報を広く収集、整理して今月号のTopNewsとしてご報告申し上げます。
なお、ウクライナへの特別軍事作戦から5ケ月が過ぎ、問題はいよいよ長期化してきました。外国との付き合いが無ければ成立しない輸出志向型産業の典型と言えるロシア漁業の制裁措置への対応も集約し、あわせてお知らせ申し上げます。
敬具
(国際漁業対策事業部;原口聖二)
TopNews ロシア CV19後のスケトウダラ等水産物輸出 一国の貿易統計では実態はつかめない
・操業日誌と操業許可証の電子媒体化が制度化される(ロシア漁業政策および漁業協定関連等外20件)
・ロシア下院 ノルウエーとのバレンツ海境界線画定条約破棄を検討(ウクライナ情勢問題関連外2件)
・投資目的漁獲割当第2弾設定法案 政府委員会支持(“投資クオータ”/漁獲割当オークション関連外11件)
・ロシア漁業者漁獲量 258万トンとなる(7月13日)(ロシア漁業生産/貿易動向関連外1件)
・北海道隣接西サハリン海域 マダラ・ニシン高豊度確認(ロシア漁業者スケトウダラ・ニシン等操業関連外3件)
・ロシア漁業者 太平洋サケマス操業概況(太平洋サケマス操業関連11件)
・ロシア漁業者イワシ・サバ操業概況(イワシ・サバ サンマ スルメイカ操業関連4件)
・スケトウダラ操業漁船幼魚混獲超過 損害賠償1,000万ルーブル(ロシアFOC/IUU取締情報関連外1件)
・ロシアのフィッシュミールの月別生産量と価格の推移(その他ロシア漁業関連情報等外10件)
・韓国冷凍スケトウダラ市場動向 2022年7月(韓国スケトウダラ市場関連2件)
・韓国 自国EEZ2022年度管理期間TAC設定を発表(韓国・中国等 東アジア漁業関連外3件)
計77オリジナル報告
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