ロシア漁業ニュースヘッドライン

北海道機船漁業協同組合連合会
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一般社団法人北洋開発協会

2022年漁期 懸念される北海道(日本)隣接東サハリン沿岸カラフトマス操業(8月10日)

2022-08-13 13:28:50 | 日記

2022年08月12日

リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二

[2022年漁期 懸念される北海道(日本)隣接東サハリン沿岸カラフトマス操業(8月10日)]

今年2022年漁期、ロシア漁業者による太平洋サケマスの漁獲量は、同年8月10日までに16万2,600トンとなったが、前年2021年同期の40%の生産となっている。

この内、カムチャツカ地方の生産が11万6,900トン(71.9%)を占め、一方、北海道(日本)に隣接するサハリン州は1万9,300トン(11.9%)となっている。

この漁業進捗にあって、サハリン州漁業当局は、主漁場のサハリン北東部沿岸のカラフトマスの生産の遅れにる地域経済等への懸念を表明している。

サハリン州の同年漁期のカラフトマスの生産は、漁獲勧告8万2,520トンに対し、8月10日までに1万6,700トンで、達成率が20.2%にとどまっており、この遅れの原因は主に東サハリン沿岸によるものとなっている。

サハリン州の各沿岸でのカラフトマスの生産と漁獲勧告の達成率は、北クリール沿岸で1,253トン(41.8%)、南クリール沿岸6,224トン(25.7%)、西サハリン沿岸1,177トン(35.4%)、そして東サハリン沿岸が8,051トン(15.5%)となっている。

ロシア科学研究機関は東サハリン沿岸への来遊の遅れについて、特に主漁場となる北部沿岸の水温の状況等を指摘している。

 

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ロシア商工会議所“投資クオータ”第2弾にかかる大規模会合を開催 圧倒的多数が反対

2022-08-13 09:36:36 | 日記

2022年08月10日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[ロシア商工会議所“投資クオータ”第2弾にかかる大規模会合を開催 圧倒的多数が反対]

ロシア商工会議所は、先に下院に提出された投資目的の漁獲割当の第2弾にかかる法案について、2022年8月8日、大規模会合を開催した。

会合は極東地方を結んで行われ、業界団体、企業、地域の代表者らが参加、約20名がスピーチを行い、2時間以上にわたった。

ロシア商工会議所は同年4月にも、ロシア漁業庁傘下公共評議会と合同で公聴会を開催、これを支持しないことで意見が一致し、参加者は、現在の漁業分野の改革の無意味さを指摘し、草案者に経済状況の変化を考慮に入れることを勧告していた。

今回の会合においても、一部の大手水産グループで構成されるロシア漁船船主協会等を除き、圧倒的多数で、法案の採択、第2弾の実行を急ぐ必要性がないことで意見の一致をみた。

(リポート 原口聖二 指摘点:法案は投資目的漁獲割当の拡大により、ロシア政府が資源利用税を大幅に増加させることが可能となり、天然資源へのアクセス拡大、漁業分野のモノポリー化をしたいオリガルヒ系等、一部の大手漁業者の思惑とベクトルが一致している。)

ロシア商工会議所は、この結論を上院、下院、関係省庁、関係部局へ送付することとした。

ロシア農業省は、2021年11月、水棲生物資源の漁獲割当手続きの改善を目的とする”水棲生物資源保護に関する連邦法の改正案“を明らかにした。

法案では、新たな漁獲割当として、“投資クオータ”第2弾、カニ漁獲割当オークション第2弾、そして投資目的の市場価値の高い魚種のオークションが設定されることになる。

“投資クオータ”の第2弾では、スケトウダラ、ニシンのTACの20%以内で、漁船建造と水産加工場建設にそれぞれ10%ずつ、利用目的に応じ漁獲割当が配分される。

また、漁船建造義務が伴うカニの漁獲割当オークション第2弾として、TACの更に50%部分が対象となり、第1弾の50%を合わせると、対象資源のTACの計100%がオークションで配分される。

これに加え、漁業インフラ整備等、投資プロジェクトの実施を義務付けし、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い資源の採捕割当が100%オークションで配分されることになる。

この法案に対し、大多数の業界関係者は、“投資クオータ”の第2弾の造船プロジェクトの開始を、現状のロシア国内の造船能力を考慮し、延期するべきであることで意見の一致をみている。

また“投資クオータ”の第2弾の実施で、スケトウダラとニシンのロット・パッケージの内容が違う”投資クオータ”第1弾の参加者の漁獲割当が削減されてしまう可能性があることから、更に4%がこの補償調整向けとして配分されることとなっているが、第1弾の申請受付が開始された2018年当時よりTACは増加し、アクチュアルな配分数量も連動して2021年に7%増加しており、過去の漁獲実績に基づく“歴史的原則”の配分と比較しても、その補償を行うことの根拠が乏しいことから、業界の圧倒的多数はこれを不要とする判断をしている。

カニの漁獲割当配分については、2018年に向う15年間の資源利用契約を漁業者と政府が締結したにもかかわらず、それに反し、漁獲割当オークションの第1弾が行われた経緯があり、更に2弾を設定することは、不合理で、これについては2033年の契約の満了後にすべきであることで意見の一致をみている。

加えて、ホタテ、ツブ、ナマコ、ウニ等、市場価値の高い資源の採捕割当を100%オークションで配分することについては、社会的、経済的影響を考慮し、これを支持しないことで業界の圧倒的多数は意見の一致をみている。

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韓国海洋水産部長官 就任直後に日本農水省に対し漁業協議再開を促す書簡を送付したと明らかにする

2022-08-13 09:26:34 | 日記

 

2022年08月13日

北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二

[韓国海洋水産部長官 就任直後に日本農水省に対し漁業協議再開を促す書簡を送付したと明らかにする]

韓国ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権の発足により、2022年5月10日、韓国海洋水産部長官に就任した*チョ・スンファン(趙承煥)は、着任直後、日本の農林水産省に対し、日韓漁業協定に基づく協議の再開を促す書簡を送付したと、今般、明らかにした上で、韓国の漁業者が苦しんでおり、一日も早く解決されなければならないと語った。

長官チョは、双方の排他的経済水域(EEZ)での日韓漁船の交代操業問題や操業隻数、漁獲割当などの争点をめぐって両国間の意見の違いが大きいが、協議再開のため最善を尽くすと加えた。

日韓両国は1999年1月に日韓漁業協定が発効した後、毎年漁期(7月1日−翌年6月30日)に合わせて漁業交渉を行い、相手のEEZでの漁獲割当等、操業条件に合意してきたが、2016年漁期(2016年7月1日−2017年6月30日)を控え双方の立場が激しく対立して交渉が決裂、以後、漂流を続け、今年2022年漁期、7年目を迎えている。

*チョ・スンファン(趙承煥)

1966年釜山生まれ。高麗大学法学部卒。米国ワシントン大学ロー・スクール。海洋水産部沿岸課長。同部海洋政策室長。海洋水産科学技術振興院院長。2022年5月海洋水産部長官就任。

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