2022年08月03日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[サハリン環境保護団体がサハリン東岸カラフトマス遡上調査を実施]
環境保護団体“サハリン環境ウォッチ”(エコロギチェスコイ・ヴァフテ・サハリナ:Экологической вахты Сахалина)は、今年2022年8月1日、翌2日の両日、北海道隣接サハリン島南東部ドリンスク(落合)地区北部とマカロフ(知取)地区南部の河川の太平洋サケマス河川遡上調査を実施した。
調査は、アイ川、フィルソフカ川、プリモルスカヤ川、ベレゴバヤ川(チェルナヤ川)、ドゥディンカ川、バクラノフカ川、マヌイ川、ティハヤ川、プガチェフカ川、ラゾバヤ川で、77万5,000平方メートルの範囲で行われ、産卵場へ向かうカラフトマスの状況が確認された。
サハリン南西部では、カラフトマスが商業的価値を完全に失っただけでなく、産卵が最も盛んな時期にもかかわらず遡上が見られることはわずかだったが、反対に、南東部では、川に入ったばかりで、産卵行動は開始されていないものの、対象河川の調査セクションのほとんどで遡上が確認された。
ドリンスク地区の状況は特に良好でベレゴバヤ川(チェルナヤ川)、フィルソフカ川、マヌイ川は受け入れ基準の50%、バクラノフカ川は45%、そしてドゥディンカ川はすでに100%を超えている。
また、マカロフ地区では、ティハヤ川は50%、プガチェフカ川 が45%、ラゾバヤ川は状況が悪く15%以下となっている。
直近偶数年2020年、行政のデータによるとドリンスク地区の河川は、漁期終了までに受け入れ基準の100%を満たしたが、マカロフ地区は平均で25%にとどまっていた。
今年2022年漁期、報告日までのドリンスク地区のカラフトマスの漁獲量がすでに1,000 トンを超え、マカロフ地区ではわずか 255 トンであることを裏付ける2020年の遡上結果だったと言える。