2023年09月21日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[ポスト英国EU離脱 英国漁業 魚価上昇にもかかわらず課題を克服しきれない]
英国漁船の収益は昨年2021年から減少し続け、魚価が上昇した今日においても、経営内容の改善には至っていない。
EU離脱後も英国漁船団は縮小、4,080隻弱となっており、これらの内、年間水揚げ金額が1万ポンド(185万円)に満たない漁船が1,300隻に至っている。
この調査では、新型コロナウイルス感染症とそれに伴うロックダウン措置の影響が、 EU離脱後の新たな貿易規制要件と相まって、2021年前半から影響を及ぼしていることが分かった。
経済回復の兆候が現れ、物価も上昇して、2022年の漁船団の総売上高は10億ポンド(1,850億円)と推定されているが、燃料価格の急速な高騰により減益、同年の利益は、2021年比13%、2019年比で17%減少している。
英国のEU離脱による漁獲割当の譲渡は、2021年から開始されており、2026年半ばまで実行される。
譲渡のプロセスは(括弧内は全体に対する比率)次のとおりとなる。
2021年:60%(15.0%) 2022年:70%(17.5%) 2023年:80%(20.0%) 2024年:92%(23.0%)
2025年:100%(25.0%)
非TAC魚種については、2012年から2016年の間に記録された平均漁獲量をベースに、2026年半ばまでに制限されることになっている。