2023年09月27日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[日本EEZ“またがり資源”韓国近海スルメイカ操業概況(9月15日)]
韓国漁船による自国EEZでの2023年度漁期(管理期間2023年7月-2024年6月)の2023年7月1日から同年9月15日までのスルメイカの漁獲量は1万1,870トンで、前年度同期比81%、TAC設定7万9,000トン(実証試験枠を除く)に対する開発率は15%にとどまっている。
主要漁業沖合イカ釣りの漁獲量は報告日までに1,400トン、前年度同期比53%、TAC開発率は6%にとどまっている。
2020年度漁期から近海網漁船にもイカのTAC管理が導入されている。
近海網漁業は、2023年度漁期開始から報告日までに、前年度同期と同水準の4,010トンを生産している。
2023年度漁期から西南海区中型トロールのTAC実証試験が開始されており、報告日までに1,530トンを生産している。
これを正式TAC管理漁業種と合算すると生産量は1万3,400トンで、前年度同期比92%となる。
大型トロール、西海トロール、そして西南海区中型トロールが、東経128度以西に限定されている操業海域で、報告日までに約7,980トンを漁獲、現在、韓国スルメイカ漁業の約6割の生産を西岸沖合漁場が占める実績を示しており、日本の資源評価において、この動向が、ほぼ論議の対象外となってきた経緯を見たとき、3年連続で問題点として指摘される実態となっている。
*日本の自国EEZの2022年-2024年のTACは、漁獲シェアが高かった2007年当時のデータを参照し生物学的許容漁獲量(ABC)中60%を日本1国で獲れるとの前提で算定した値とした上で、7万9,200トンの設定となっている。