2024年05月17日
北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[北米アラスカ漁業の危機 ロシア漁業と関連付け ロシア業界 欧州食品業界の危機感を見ならうべきと反発]
北米アラスカ漁業は現在“前例のない経営危機”に直面しているが、この原因を安価なロシア産水産物が国際市場に氾濫していることだと言及している。
アラスカ州議会は、同州の漁業を支援するための提案や提言を作成する特別作業部会を設置する決議を行った。
漁業分野はアラスカ州で4万8,000人以上の労働者を雇用している。
この産業はアラスカ州最大の雇用主で、11のコミュニティにとって主要な収入源となっている。
しかし現在、アラスカ州漁業は、“前例のない経営危機”に直面しており、同州経済は2023年、20億ドル以上を失っている。
アラスカ州漁業者は、ロシア産水産物が氾濫し、世界市場を低価格で破壊していると指摘している。
アラスカ州漁業は、スケトウダラ、太平洋サケマス、マダラ、カニといった多くの製品群において、ロシア漁業者と競争関係にある。
この情報に接した全ロシア漁業者水産物輸出者協会ヴァルペ(ВАРПЭ)会長ズベレフは、反ロシア制裁措置の結果について警告した欧州の水産食品業界の声に耳を傾けるべきだと語り、当該措置の発動は、予見しなかった結果をもたらすことになると言及した。
更に、安価なロシア産水産物製品が国際市場で“溢れる”ことはないと説明し、これも世界漁業の再編成の一例にすぎないと加えた。