2024年05月30日
リポート 北海道機船漁業協同組合連合会 原口聖二
[欧州水産加工食品業界 自国制裁のロシア産白身魚輸入高関税設定に苦しむ]
EUは、2024年から2026年の新たな自主関税割当(ATQ)制度から、ロシア産の主要なスケトウダラ等の白身魚を含め水産物製品を除外、輸入免税はなくなり、13.7%の標準関税が設定され、さらに、第3国が加工した製品についてもこれが対象になった。
また、英国は、2022年7月、ロシア産白身魚の輸入関税を引き上げ、35%を設定し、現在、第3国が加工した製品についてもこれを対象とする検討が開始されている。
欧州水産加工食品業界は、これらのロシアへの自国制裁措置によりタラ等の白身魚の調達に苦しんでおり、大西洋タラの漁獲量減少がこれに拍車をかけている。
昨年2023年にEUは計28万4,700トンのタラを輸入した。
この約半分は、冷凍タラ(H&G・W/R)で11万2,300トン、その54.7%、6万1,400トンがロシア産だった。
また、EUはタラのフィレ7万6,300トンを輸入したが、2万1,300トンをロシア産が占めた。