2019年03月03日
北海道機船漁業協同組合連合会内 一般社団法人北洋開発協会 原口聖二
[中国違法水産物業者 歩留りの悪い北朝鮮密輸製品]
中国の一部の水産物業者は、北朝鮮人から暴利を貪る悪徳中国企業と呼ぶ、海外メディアの報道について認識の違いを感じている。
韓国ジャーナリストが伝えた。
2017年8月に国連安全保障理事会で採択された対北朝鮮制裁決議2371号は北朝鮮産水産物と地下資源の輸出を全面禁止した。
このため、窮地に陥った北朝鮮の漁業者と外貨稼ぎを目的とする機関は、中国との水産物密輸で延命している。
多くの場合、密輸関連報道では、制裁に苦しむ北朝鮮の漁業者が水産物を中国に密輸することに成功、一方で中国水産業者が安値で買い付け莫大な利益を得ているとしているが、最近、米国の北朝鮮専門メディアの自由アジア放送(RFA)とのインタビューで、中国の水産業者は、自らについてそのような“悪徳業者扱い”と全く異なる認識を示している。
密輸による仕入れは事実だが、安値で買い付けているというのにはそれなりの理由があるという主張だ。 中国の遼寧省の水産会社は、北朝鮮からの水産物の状態があまりにも悪いと不満を吐露した。
密輸で入ってくる北朝鮮産水産物のほとんどは、品質管理がひどいということだ。
中国水産業者によると、冷凍イカの場合、通常トン当たり2万3,000元(約384万ウォン)程度で取引するのが一般的であるが、北朝鮮産水産物は異物が多く混在しているだけでなく、破損しているものも混ざっていて、大きさの選別もしっかり行われていないと語った。
このため、北朝鮮産イカは、まず解凍した後、必ず選別を経て販売するしかなく、時間と手間がかかるため、当初の約束どおりの金額を支払うことができないという。
北朝鮮側は無条件で約束どおり代金を支払うことを要求するが、そのまま買い上げた場合、中国側は、そのまま損害を被るわけだ。
また、代金をめぐる問題があまりにも多いため、北朝鮮は前払いを要求するが、中国水産業者としてはそのような条件を応じることができないのが現実だという。
結局、水産物を戻すことを決定した場合、北朝鮮業者は船を調達して運搬してきたものをそのまま持って帰ることができず、安値でも取引を完了させようとする。
中国水産業者は、このような事情を正しく知らない人が中国企業を悪徳業者として扱っていると語り、品質管理をする時間がないほど外貨事情が切迫しているか、電力不足で冷凍設備を使用することができないのか等だろうと加えた。