旧上宝村と丹生川村にある5ヶ所の霊場を、雪道を辿りながら回ってきた。
いずれも昨年の秋に訪れたけど、冬景色のお寺の雰囲気を味わおうと、もう一度出かけることにした。
山国飛騨でも、お寺は深い山中や集落の外れにあるので、厳寒期にお参りする人は少なく、森閑とした静けさがあった。
上宝村本郷の本覚寺は、槍ヶ岳を開山した播隆上人が、笠が岳を登山した折の記録「迦多賀嶽再興記」を寺宝として所蔵している。
また、飛騨史上最大の百姓一揆「大原騒動」で、獄門に処せられた本郷村善九郎の墓もある。
長倉集落の外れにある桂峯寺は、急な斜面にへばり付くようにして建つ民家や畑の間を、縫うようにして続く小道を登りきった所にある。
ここに安置してある円空仏「今上皇帝像」は十万体目の作といわれている。
丹生川村の袈裟山頂上近くに建つ千光寺は、円空さんのお寺として有名で、境内の寺宝館では63体の像を拝観出来る。
寺の歴史は古く、1600年前に飛騨の豪族「両面空宿儺」によって開かれたと伝えられている。
ほかに永昌寺、正宗寺も参拝したけど、どの寺も戦国武将との関わりが強いけど、円空や播隆など旅の修験僧との縁をいっそう強く感じた。
詳しくは、3月号の「飛騨の山里暮らし」で紹介します。