夕べ遅くまで降っていた雨は止んだが、上空では風が唸り、枯れ葉が小鳥のように飛んでいた。
黒い雲が通るたびに風花が舞い、高い山は雪が降っているようだ。
暖かい地方の桜便りが伝わってくるが、飛騨は蕾も固く、空も冬に変わってしまった。
午前中はWBCをテレビで観戦し、アメリカに快勝したところで高山の町へ出かけた。
ホテルのレストランでランチを食べ、スーパーで食料を買い、注文してあったメガネを受け取ってきた。
観光地なので、都会のオフィス街のように家庭料理やビジネスランチを気楽に食べさせる店が少ない。
あちこち食べ歩いた結果、雰囲気も良いし値段も手ごろなので、町へ出た時はホテルで食べることが多い。
10日ほど前に、裏山で作業をしている時に、雪面を滑り落ちてメガネを飛ばしてしまった。
周囲を探したが落ち葉や笹などが邪魔をして、見つけることが出来なかった。
注文した後も執念深く度々探しに行き、ようやく朝日にキラッと反射するメガネを見つけた。
杉の花粉が嫌でマスクをしていたがメガネが曇るので、イチローのように帽子に掛けていたことも、スパイク付きの地下足袋を履かなかったのもいけなかった。
余分な出費をしたあとで、いつも悔やんでいる。