今朝名古屋を出て、お昼過ぎに高山へ戻ってきた。
いつも休憩する長良川SAの駐車場は、観光バスの姿も見かけず、一般車も少なくて閑散としていた。
ここはバスツアーの休憩場所になっていて、ウィークデーでもトイレに行列が出来るのに、こんな光景は珍しい。
東海北陸道を「ひるがの高原」で下りて、国道158号線を荘川経由で高山に向かった。
標高の高いところに残雪はあったが、平地の雪はほとんど無くなっていた。
御母衣ダム脇にある荘川桜は、まだ蕾も固くて色づいてもいなかった。
例年、5月の連休あたりが見ごろなので、開花は月末頃になるだろう。
樹齢500年ほどの桜の古木は、ダム建設で湖底に沈む照蓮寺と、光輪寺の境内にあった2本を現在地の高台に移植した。
多くの合掌集落や貴重な歴史遺産は水没し、豊かな自然も消えてしまったが、老桜2本は辛くも残って、湖に沈んだ集落を無念の思いで見つめているようだ。
本格的な雪解け前のダム湖は渇水状態で、上流部分は湖底が露わになっていた。
水田の畦の跡や橋の欄干など、かつての暮らしの痕跡を見ると、そこはかとなく哀感が漂ってくる。
荘川桜は、満々と水を湛えた御母衣ダムを背景に、華やかに咲き誇るより、花や葉の無い鬼気迫る姿の方が似合うようだ。
春の装いで名古屋を出てきたが、飛騨の風は冷たく、思わずダウンを羽織ってしまった。
みぞれ模様が、夕方には雪に変わり、まわりが白くなっていく。
春爛漫を名古屋で満喫していたのに、まさか雪に見舞われるとは・・・